ひいらぎ通信

日常のささやかな幸せを拾い集ようと、ブログ、始めてみました。

ヒトとしての瞬発力

2012年02月18日 | Weblog
先日、交通事故現場に遭遇してしまいました。
そのことをブログに書くことを、かなり躊躇しました。
こんな、訪問者も少ないブログであるとはいえ、
万が一当事者の方が目にされたら、
たとえどんな書き方をしたところで、
不快なものにしかならないだろう…。
そう思うと、迷いに迷いましたが、

ごめんなさい。
書かせていただきます。


その音を耳にしたとき、
軽くない事故だというのはすぐに分かりました。
道路に誰か倒れている気がする。
車とバイクか何か?
どうしよう、救急車を呼ぶ?
その時私がいた駐車場からはちょっと距離もあり、
すぐに自分がどう行動するのか判断できませんでした。
そんなふうに私が迷っている間に、何人かの人が道路で手を広げて並んでいました。
すぐにはその意味が分かりませんでしたが、
あっと思いました。

道路に怪我をした人が倒れている。対向車は激しく通る。
夕間暮れの見通しの悪い時間帯、下手をすれば、倒れている人が再度ひかれる可能性もある。
それだけのことを瞬間的に判断した誰かが、怪我をした人を守るために道路に飛び出した。
それを見て、同様のことを思った人が手をつなぐように、何人も並んだ…。

ほんとうにそれはあっという間の出来事でした。
それだけのことを判断して行動できる人を目の当たりにして、
「すごい…」
と思いました。
少なくとも、私が距離のない場所にいたところで、
それだけの判断ができたかどうか。
きっとできないし、目の前に人の鎖ができた段階で、
「私はもう用なし」と、道路に出ることもないだろう…。
道路の真ん中で泣き崩れている人の背中を一心にさすっている人も、
もしかしたら通りがかりの人かもしれない。

簡単な一言にまとめてしまえば「善意」ということになるのかもしれないけれど、
上に書いたことは、目に入ってきた情景から私が推測したもので、
認識が間違っている部分もあるかもしれません。
でも、私は、私には、しばらく震えが止まらないほどの衝撃でした。


どうか。どうかその事故にあわれた方の状況が、少しでも軽いものでありますように。
傷つけられた人も傷つけることになってしまった人も、
繋がれた手の中で、少しでも救われていますように。
コメント
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