シネブログ

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『穴』

2008年01月27日 21時53分57秒 | 映画レビュー
原題: THE HOLE/AFTER THE HOLE
製作年度: 2001年
別題:-
製作国・地域: イギリス 上映時間: 102分
監督:ニック・ハム
製作:ジェレミー・ボルト、リサ・ブライアー、ピッパ・クロス
製作総指揮:アンドレア・カルダーウッド、フランソワ・イヴェルネル
原作:ガイ・バート(『体験のあと』集英社刊)
脚本:ベン・コート、キャロライン・イップ
編集:ニーヴン・ハウィー
音楽:クリント・マンセル
出演:ゾーラ・バーチ、デズモンド・ハリントン、ダニエル・ブロックルバンク、ローレンス・フォックス、キーラ・ナイトレイ、エンベス・デイヴィッツ、スティーヴン・ウォディントン、エマ・グリフィス・マリン、ジェマ・クレイヴン
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
イギリスでも指折りの名門パブリック・スクール、プレイボーン学園。ここに通う4人の生徒が、ある日忽然と姿を消した。騒然となる警察とマスコミ。やがて、失踪から18日後、4人の生徒のうちの一人、女子高校生リズだけが薄汚れ、憔悴しきった姿で発見される。リズに、そして3人のクラスメイトにいったい何が起こったのか?事故なのか、それとも犯罪か?真相解明とリズの精神的ダメージを癒すため犯罪精神科の女医フィリッパがカウンセリングを始める。やがて、リズはビデオカメラに向かって、悪夢の顛末を語り始める……。



コメント:
密室を舞台にした映画は過去にもたくさんあるが、オチまでの流れは基本的に同じようなものが多い気がする。まさに極限の状態で理性を失っていく人間を描いたパターンである。仕掛人は必ず中にいて被害者を操り、被害者はまんまとハメられ自滅していく。仕掛人と被害者との精神的な器量の差で結末は揺るぎないものへと変化していく。そんな様子をじれったくも観察できるのが、この手の作品の見所のひとつである。

本作はゾーラ・バーチの独壇場と言ってもいいだろう。初心(うぶ)な少女から犯人まで幅広い演技を見せており、全ての登場人物を見事に操っている。真実と妄想が交錯した展開がより彼女の演技の幅を広く見せている。また、彼女の”心”と、舞台となる”穴”が”暗闇”というキーワードでうまくリンクし、ストーリーに深みを増している気がする。

話の展開はそんなに複雑でもなく、また大きなどんでん返しがある訳でもない。なんとなくラストがすっきりとしないが、普通に楽しめる内容だ。まあもし本当にあんな穴があったとして、若い男女が監禁されてしまったとしたら、ほぼ映画と同じような展開が起こりえるような気がする。そういった意味でとてもリアルな作品に仕上がっていると言えるだろう。

閉所恐怖症の人はあの雰囲気だけでも恐怖なんだろうな。いろんな意味で恐い作品だった。


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