シネブログ

このブログは映画に関する記事を書いています☆

『カッコーの巣の上で』

2007年02月08日 00時00分30秒 | 映画レビュー
製作年度:1975年
上映時間:129分
監督:ミロス・フォアマン
出演:ジャック・ニコルソン 、ルイーズ・フレッチャー 、マイケル・ベリーマン 、ブラッド・ドゥーリフ 、ウィル・サンプソン 、クリストファー・ロイド
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装ってオレゴン州立精神病院に入ったマクマーフィは、そこで行われている管理体制に反発を感じる。彼は絶対権力を誇る婦長ラチェッドと対立しながら、入院患者たちの中に生きる気力を与えていくが……。



コメント:
この映画を観終わったとき思い出した映画といえば『ショーシャンクの空に』と『グリーンマイル』の2本だ。
そう、どちらの作品も刑務所という閉じられた世界での人間ドラマを描いた作品である。
この『カッコーの巣の上で』では精神病院が舞台になっていて、刑務所とはまた一味違った雰囲気が描かれている。

刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装ってオレゴン州立精神病院に入ったマクマーフィ。彼は、そこで行われている管理体制に反発を感じ、絶対権力を誇る婦長ラチェッドと対立しながら、入院患者たちの中に生きる気力を与えていくが……。

と、まあ結局やってくるのは刑務所から来た人間で、決して善人とは言えないキャラが主人公。
しかし、このキャラの人間性はとてもおもしろい。
舞台が精神病院ということもあるのだが、とても人間らしい行動を見せてくれて、周りの人々に元気を与えてくれる力がある。
演じているのはこの映画でアカデミー主演男優賞を獲得したジャック・ニコルソン。
たまに恐い顔を見せたり、急にはしゃいで見せたりとかなり幅の広い演技を見せてくれている。

この作品のテーマはまさに”人間の尊厳と社会の不条理”を問いただしている。
映画の中に出てくる婦長は見ていてとても腹立たしい人間だ。
どこかバランスの崩れた考え方をしていて人間としての形振りができなくなっている。
そんな人間がトップに立つことで、周りの人間もバランスが取れなくなっている。
ここにマクマーフィという新入りがくることで、今まで押さえつけられていた人間が、人間としての考えを身に付けていく過程はとてもおもしろい。
そしてなんといってもマクマーフィと婦長の対立が一番の見所であるだろう。

この映画を観て人間の在り方を今一度考えてみてはどうだろうか。
稀にみる人間ドラマの最高傑作に値する作品だ。


最新の画像もっと見る