シネブログ

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『クレイマー、クレイマー』

2009年03月28日 00時59分56秒 | 映画レビュー
原題: KRAMER VS. KRAMER
製作年度: 1979年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 105分
監督:ロバート・ベントン
製作:スタンリー・R・ジャッフェ
原作:アヴェリー・コーマン
脚本:ロバート・ベントン
撮影:ネストール・アルメンドロス
編集:ジェラルド・B・グリーンバーグ
音楽:ヘンリー・パーセル
出演:
ダスティン・ホフマン
メリル・ストリープ
ジャスティン・ヘンリー
ジョージ・コー
ジェーン・アレクサンダー
ハワード・ダフ
ジョベス・ウィリアムズ
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
8年目にして妻の自立心から破局を迎えた結婚生活。残された夫は幼い息子の面倒を見るのだが……。

コメント:
父親と作る“フレンチ・トースト”の味はどんな味なんだろう?
それはきっと”ほろ苦い”んじゃないかな。

ダスティン・ホフマン演じる父親役が妙に温かくて、
観終わったあとにとても幸せな気持ちにさせてくれる。

仕事漬けで家にほとんどいない父親。
今まで料理も買い物もしたことがなかった父親が、
母親に見捨てられた息子を前に改心していく。

ある日、アイスクリームのことで息子ビリーと本気で
怒鳴り合う喧嘩をしてしまう父親のテッド。
この喧嘩をきっかけに親子の絆が生まれるシーンがとても印象的だ。

最近は街に出ると躾が出来ていない子供をよく見ることがある。
なんで聞き分けの悪い子どもが増えているのか気になっていたが、
この映画を見て現状が少しわかった気がする。
たぶんいまどきの親は子供の叱り方を知らないのだろう。
叱れば虐待と騒がれる時世だからこそ、野放しのまま育つ子供が増えている。
叱れば逆ギレして襲い掛かってくる子どもたち。
そんな悩みを抱えている親は一度この映画を観てはどうだろうか?

少し話がそれてしまったが、
離婚、育児放棄、養育権という社会的な問題を描いた本作。
勝手な親のせいで巻き込まれる子どもたちを中心に、
やがて家族の関係はドロ沼化し、裁判へと持ち越される。

本作を客観的に観た場合、明らかに悪いのは家庭を投げ出す母親の方だ。
「愛してる」と言えば全てが許されると思っている、自己中心的で我儘な女。
勝手に出て行っておきながら、ひょこっと現れて子どもを返して欲しいと嘆く。
私だったら間違ってもそんな女を許そうとは思えない。

だが”子ども”がいたらどうだろう。
子どもからすればそんな女でもかけがえのない母親であり、
愛する一人の家族に過ぎないのだ。

親にとっても自分の子どもは命より大切なもの。
そんなこと冷静になって考えればすぐにわかることなのに、
裁判まで開廷して気付かされる現実。

だけど最後はやっぱり家族みんながいいよね。

父親と作る“フレンチ・トースト”の味は、
最後はきっと”あまじょっぱい味”へと変わっていることだろう。


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