シネブログ

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『七人の侍』

2008年01月01日 15時08分17秒 | 映画レビュー
原題:-
製作年度: 1954年
別題:-
製作国・地域: 日本 上映時間: 207分
監督:黒澤明
製作:本木荘二郎
脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄
撮影:中井朝一
美術:松山崇
音楽:早坂文雄
監督助手:堀川弘通、田実泰良
照明:森茂
録音:矢野口文雄
出演:三船敏郎、志村喬、津島恵子、藤原釜足、加東大介、木村功、千秋実、宮口精二、小杉義男、左卜全、稲葉義男、土屋嘉男、高堂国典、熊谷二良、富山晴子、東野英治郎、上田吉二郎、谷晃、中島春雄、多々良純、堺左千夫、渡辺篤、小川虎之助、千石規子、山形勲、上山草人、高木新平、大友伸、高原駿雄、大久保正信、大村千吉、杉寛、林幹、牧壮吉、千葉一郎、堤康久、宇野晃司、島崎雪子、仲代達矢
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。



コメント:
あけましておめでとうございます!!
正月休みということで、映画もぼちぼち観れる時間があったのでついに観てしまった。

『七人の侍』

こんな名作を今まで放っておいたのが間違いだったと思うくらい本当に楽しめた。207分という時間があっという間に感じるくらい作品にのめり込むことができ、黒澤明の偉大さがビンビン伝わる作品であったと言える。

実は僕は黒澤作品を観るのが初めてである。今まで映画好きを語っていたのがなんとも恥ずかしい。でも本作を観たからと言ってまだ映画を語れるほどの知識は持ち合わせていない。ただこの時代に、このスケールで、これほどメッセージを持った作品を作れる監督ならば「世界のクロサワ」と言われるのも間違いなく頷けるということだけははっきり言えるのだ。

僕はなんといっても本作に登場する七人の侍が大好きだ。

戦略家で冷静なリーダー”島田勘兵衛”
常に静かでおだやか、時には人をなだめるような力がある”片山五郎兵衛”
勘兵衛の最も忠実なる部下”七郎次”
苦境の中でも深刻にならない、愛想の良い浪人”林田平八”
修業の旅を続ける凄腕の剣客”久蔵”
育ちがいい裕福な家の末っ子で半人前の浪人”岡本勝四郎”
勘兵衛の強さに惹かれ勝手についてきた型破りで血がたぎった熱い男”菊千代”

それぞれの人格がわかるエピソードもたくさん散りばめられており、ストーリーの随所でそれぞれのキャラクタが絡んでくるのでとてもおもしろい仕上がりになっている。各キャラが持つ過去や百姓に対する価値観など、当時の時代背景も垣間見ることができるため勉強にもなる。これは観ずして語れない奥深さの感じられる作品であると言えるだろう。

当時はCGなどなかったわけで、これだけの映像を作り出すのにどれだけの苦労があったのかを考えるとゾッとしてしまう。黒澤監督が映画に対してどれだけの情熱を持っており、どれだけのこだわりを意識していたのかが全編を通して感じられる。傑作を作り出すということは意識してできるものではなく、何かを作りたいそして伝えたいと思う魂を持っていないと到達できない領域であるのではなかろうか?

とにかくこんなすばらしい作品に出会えただけでも幸せだ。
彼の作品をわかっているとは到底言えないが、本作をきっかけにもっと幅広い作品を観てみたいという気持ちにさせられたということには違いない。