シネブログ

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『ミュンヘン』

2007年01月23日 02時19分52秒 | 映画レビュー
製作年度:2005年
上映時間:164分
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:エリック・バナ 、ダニエル・クレイグ 、キアラン・ハインズ 、マチュー・カソヴィッツ 、ハンス・ジシュラー 、ジェフリー・ラッシュ
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
1972 年9月5日未明、ミュンヘン・オリンピック開催中、武装したパレスチナのテロリスト集団“黒い九月”がイスラエルの選手村を襲撃、最終的に人質となったイスラエル選手団の11名全員が犠牲となる悲劇が起きた。これを受けてイスラエル政府は犠牲者数と同じ11名のパレスチナ幹部の暗殺を決定、諜報機関“モサド”の精鋭5人による暗殺チームを秘密裏に組織する。チームのリーダーに抜擢されたアヴナーは祖国と愛する家族のため、車輌のスペシャリスト、スティーヴ、後処理専門のカール、爆弾製造のロバート、文書偽造を務めるハンスの4人の仲間と共に、ヨーロッパ中に点在するターゲットを確実に仕留めるべく冷酷な任務の遂行にあたるのだが…。



コメント:
正直当時の時代背景を知らない人がこの映画を観たところで、とても理解できる内容ではないということを最初に言っておきたい。
実際僕も、この事件について全く無知と言っていいほどの状態で鑑賞した。
そんな僕でも、正にこれがあのミュンヘン・オリンピックで実際に起きた事件なんだ、と信じざるを得ないほどのリアルな作品に仕上がっている。
それくらいストーリー的にはかなり濃い内容で、ここまで完璧に再現した(完璧かどうかはあくまで予測)スピルバーグはやはりすばらしい監督だと思った。

この事件は一種の戦争のようなもので、ただ愛国心という信仰を持った人間が終わりのない戦いを続け、そしてやがて生きていくことの苦しさを味わっていく。
自分は誰のために戦って、何のために生きているのか?
関わった人間のそれぞれの葛藤が丁寧に表現されていた。

はっきり言って、暗いし切ないしそして難しい。
僕たち日本人には当事者の気持ちを理解することなんて絶対無理だろう。
それでも何か考えさせられる映画だということは確かだ。
歴史を学ぶといった意味でも観て損はない映画だと思う。