美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




渋谷のユーロスペースで『ベルリン・フィルと子どもたち』を観ました。

ベルリン・フィルの芸術監督であるサイモン・ラトルが発起人となって
教育のプログラムを発足しました。その一環として子どもたちにバレエ
を踊る機会を与える『ダンス・プロジェクト』を始動させます。その第
一弾として選ばれた課題曲がストラヴィンスキーの『春の祭典』で、こ
の映画は子どもたちが6週間の練習を経てステージに立つまでを追っ
たドキュメンタリー映画です。

今回、選ばれたのはベルリンに住む250人の子どもたち。多様な人種、幅
広い年齢層から集められています。クラシックに興味のない子どもやふ
ざけてしまう子どもたちも多くいます。その子どもたちが振付師の指導
のもとで少しずつ心を開いていきます。

このロイストン・マルデゥームという振付師が熱血で、子どもたちを厳
しく指導します。子どもであっても舞台にあがる以上は一人前のアーテ
ィストとしての自覚を持たなければならない。子どもたちへの特訓を通
じて、真剣にやること、自身を持つことを繰り返し説きます。それがう
まく伝わっているのかどうかは現場にいないので正直分かりません。だ
けど、こうしたメッセージをぶれずに吐き続ける姿勢がとても清々しく
思えました。

練習の後半で、一部の子どもたちが自分の将来を語ります。今回の経験
を通じて、思い悩んでいたことを自分なりの言葉で語る事ができるよう
になったのでしょう。そうした種類の創造力は侮れないと思いました。

ストラヴィンスキーについては以前、少しだけ書きましたが『火の鳥』
を生で聴く機会があって、それ以来気になる作曲家の一人です。自宅で
隣近所を気にして聴くのとは違い、映画館での大音量はとても迫力があ
りました。自然の鼓動=春の胎動の表現が、原題の『RHYTHM IS IT!』
に繋がっていきます。

今年の五月に初めてドイツに行きました。ケルン近郊に行ったのですが、
駅はどこもかしこも落書きだらけだし、サッカー帰りの若者が電車の中
で暴れだすし、少し荒んだ印象を持ちました。映画の中でもドイツの景
気の悪さに触れられていて、映画の背景に映るベルリンの街並みは必ず
しも明るいとは言えません。

そうした状況の下で世界に発信できる『コンテンツ(ベルリン・フィル)』
を使いながら、単に演奏聴かせるだけではなく、社会に対してそれ以外
の『何か』を還元させようという意気込みが感じられました。


コメント ( 6 ) | Trackback ( 7 )



« ガーデン・イ... スマトラ 地震... »
 
コメント
 
 
 
見てきました (ranran-kankan)
2005-01-25 01:12:49
見てきました、「ベルリン・フィルと子どもたち」

とてもよかったです!

ご紹介ありがとうございました。

私のブログに詳しい感想をUPしましたので、お暇なときにご覧頂ければ幸いです。
 
 
 
Re: 見てきました (lysander)
2005-01-25 23:34:53
ranran-kankan さん



気に入っていただけたようで何よりでした!
 
 
 
Unknown (はろるど・わーど)
2005-02-08 23:59:50
lysanderさん、こんばんは。



遅ればせながら先日観てきました。



>「想像する力」



その力に虜となりました。本当に良い映画でした…。



拙い感想ですが、色々と書いてみました。

宜しければ読んでやって下さい…。
 
 
 
Unknown (lysander)
2005-02-09 00:47:30
> その力に虜となりました。

> 本当に良い映画でした…。



ですよね(^^)



早速、読みに行きます。
 
 
 
もっと多くの人に・・・ (リセ)
2005-05-19 08:24:49
ysanderさん、はじめまして。TBありがとうございます。

マイナーな映画館でしかも短期間の上映ではもったいない

ような素晴らしい映画だと思いました。

もっと多くの人にみてもらいたい映画ですね。
 
 
 
Re: もっと多くの人に・・・ (lysander)
2005-05-20 01:18:21
リセさん

コメントありがとうございます。



> もっと多くの人にみてもらいたい映画ですね

本当にそうだと思います。



同じ子どもをテーマにしたこんな日本の映画もあります。

http://blog.goo.ne.jp/lysander/e/84932c1af27a4afc8d8a8aca86a98214

これもなかなかですよ...
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。
 
ベルリン・フィルと子どもたち (A Confucian Confusion)
ベルリン・フィルと子どもたち@ユーロスペース(12月4日) 監督:トマス・グル
 
 
 
映画: ベルリン・フィルと子どもたち (Pocket Warmer)
邦題:ベルリン・フィルと子どもたち 原題:RHYTHM IS IT! 監督:トマ
 
 
 
ベルリン・フィルと子供たち (ぱんだ協会)
ベルリン・フィルと子供たち 於 渋谷ユーロスペースいつもお邪魔しているページで紹介されていて、面白そうだったので。それと、去年見て面白かった「パリ・ルーブル美術館の秘密」「オランダの光」と配給会社が同じ、とそのページの管理人さんに教えて頂き、ますます面...
 
 
 
『ベルリン・フィルと子どもたち』(トマス・グルベ監督) (玉野シンジケート)
 カラヤンが築いた「芸術の威容」であるベルリン・フィルの伝統に風穴をあけようとするサイモン・ラトルが発案し取り組んでいるイベントの1つ、「ダンスプロジェクト」のドキュメンタリーである。  ラトルはクラシック音楽が、高尚な芸術であり、よく知らないものは近寄り
 
 
 
[IZ]:音楽のすばらしさ 「ベルリン・フィルと子どもたち」 (Internet Zone::Movable TypeでBlog生活)
不覚にも泣いてしまいました。なんで、こんな映画で涙が出てきたのか? われながら不思議です。(^^;) 僕は、タイトルから、ベルリン・フィルがどこかの子ども相手...
 
 
 
ユーロスペース 「ベルリン・フィルとこどもたち」 2/6 (はろるど・わーど)
ユーロスペース(渋谷区) 「ベルリン・フィルとこどもたち」 (2004年/ドイツ/トマス・グルベ+エンリケ・サンチェス・ランチ監督) 2/11まで こんにちは。 先日、lysanderさんのブログを読んで気になっていた「ベルリン・フィルと子どもたち」を観てきました。美しい余韻
 
 
 
映画《ベルリンフィルと子どもたち》 (SAISON de LYCEE(セゾン・ド・リセ))
GWの初日(4月29日)に見た「ベルリンフィルと子どもたち」という映画です。とてもいい映画ですが、マイナーなようで、こちらでもシネ・リエンテという小さな映画館で2週間限定の上映でした。■STORY(HP紹介文引用)“子供たちに、もっとクラシックの楽しさを感じてもらいた