極楽とんぼは風まかせ

東は東、西は西。交わることなき二つとはいえ、
広い太平洋、東の風が吹き、西の風が吹き・・・

たかが塩、されど塩

2007年01月28日 | 今日の風の吹きまわし
食の話になったついでに、外国旅行の日本人が「こってりした洋食はもういい。あっさりした日本食がいい」というのを
よく聞く。西洋料理は塩辛いか甘すぎるかで、それに比べて日本料理は「あっさり」しているからいいと。

この「あっさり」とは実際にどういう「味」をいうのかわからないけれども、私が初めて関西に行った時にまず驚いたのは
食べ物の味の薄さ。ラーメン屋であまりの薄味に「お醤油ください」といっておじさんに睨まれた。そういえば日本食に
片っ端から醤油をかけては日本人妻に眉をひそめられるガイジン夫も多い。「繊細な味の分からぬ野蛮人」と思われる
かもしれないが、舌が直接的な「塩味」を求めるようだ。

不思議なことに、私はこの「繊細な薄味」の日本食を食べた翌朝には体重が確実に1キロ以上も増える。体重は1日か
2日で元に戻るから「太った」のではない。米は水分を保持する機能があるという炭水化物だ。そういえばパスタを食べた
翌日も体重がちょっと増える。というわけで犯人はご飯と断定して、ご飯抜きの日本食にした。ところがそれでも翌朝は
体重計の数字が跳ね上がる。どうも納得が行かない。

新たな「容疑者」が浮上したのは韓国系スーパーで買った「おでんセット」を食べたとき。醤油ラーメンと違っておでんの
スープはぐんと薄味だ。大根を1本そっくり輪切りにして入れたら、セットについて来たスープはさらに薄味になるけれど、
具のかまぼこ類も私はau naturelの味が好きだからそのまま。ところが、食後になって猛烈に喉が渇いた。ツレアイ君も
やたらと水を飲んでいる。そして翌朝の体重は二人ともほぼ1.5キロの増加。おまけに何となく足が重い。

いわゆる「洋食」ではフライパンに肉を入れて塩をふりかけるから、食べるときに塩の味を感じる。食塩といっているのは
塩化ナトリウム。ところが、日本や中国の食品には悪名?高い添加物がある。第五の味覚「うまみ」を作るというMSGこと
グルタミン酸ナトリウムだ。おそらく日本の加工食材には大量のMSGが使われているのだろう。薄味でも喉が渇くわけだ。
なぜならMSGもナトリウム化合物なのだから。

毎日たっぷりMSGの入った食品を食べ続けている日本人は生理的にその大量のナトリウムに適応しているのだろう。
でも、ふだん料理にふりかける程度にしか塩を使わない私たちは一過性の高ナトリウム血症になってしまう。北米で一時
大騒ぎになった「中華料理シンドローム」の原因も同じではないだろうか。海外の日本人が日本食を食べて「日本人に
生まれた幸せ」に浸れるのも、逆に連日の洋食で不足気味だったナトリウムをMSGでたっぷり補給して元気が出るから
ではないのだろうか。このあたり、科学的に研究してみたらおもしろいかもしれない。