永田平八のリュート広場 Place Luth

リュート奏者・永田平八のリュート教室やレッスン、セミナー、講座、イベント、コンサートなどのご案内。

天正遣欧使節の肖像画

2005年10月12日 00時51分33秒 | 古楽入門

天正遣欧使節の肖像画




 右上・伊藤マンショ、右下・千々石ミゲル、左上・中浦ジュリアン、左下・原マルチノ。中央は案内兼通訳のメスキータ神父。

天正10年(1582年)宣教師ヴァリニャーノの勧めにより、九州のキリシタン大名、大友、有馬、大村の3氏がローマ教皇及びスペイン国王のもとに派遣した少年の使節団。
ローマで大歓迎を受け90年帰国しました。

彼らはハープ、リュート、チェンバロ、レベック(ルネサンス・ヴァイオリン)を持ち帰り、豊臣秀吉の前で演奏しました。秀吉はたいそう感激し三度も繰り返させたと言われています。

バロック音楽は通奏低音の音楽

2005年10月11日 00時10分49秒 | 古楽入門
バロック音楽は通奏低音の音楽とも言われます。

楽譜

チェンバロやオルガン、そしてリュート、ハープなどの和音が演奏できる楽器とチェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ファゴットなどの低音旋律楽器が通奏低音パートを担当します。
組合わせは自由で、もちろんリュートだけでも構いません。

楽譜1

楽譜の上段は旋律のパート。フレンチ・ヴァイオリン・クレフ(G音の位置がト音記号より線一本下)で書かれています。
下段が通奏低音パート。低音の旋律と和音を示す小さな数字が書き込まれています。
ピアノ譜でいう右手の楽譜がありません。演奏者は自由に即興的に和音や旋律を付け加えて伴奏していきます。

訓練された奏者なら、曲の練習はほとんど必要ありません。
これはジャズのセッションとほとんど同じ感覚です。
私はジャズスクールと古楽科の両方で学びましたが、バロックとジャズの和声の理論は基本的には一緒です。

バロック音楽は性善説に基づいていて、演奏者の可能性を信じ、その人らしさや個性が充分活かせるように配慮されているとも言えます。

ベートーヴェンやショパンなどクラシックの作曲家も即興演奏の名手でしたが、、現代ではクラシック音楽は決められたことをきちんと弾くという面が強調されてしまったとも言えると思います。

プロのリュート奏者にとっては通奏低音が初見で自由に演奏できるということが大切な要素だと言えるでしょう。一人の歌手の伴奏からオーケストラまで、いろいろな人とアンサンブルして、そのときのインスピレーションを大切にして、一緒に音楽を創っていく素晴らしさを体験することができます。

クラウディオ・モンテヴェルディ

2005年09月21日 16時48分34秒 | 古楽入門
クラウディオ・モンテヴェルディ
Claudio Monteverdi
1567年05月15日(洗礼) 〜 1643年11月29日

  
 初期バロック最大の作曲家、劇音楽家。
 北イタリアのクレモーナで生まれる。マントヴァ公の宮廷楽長、ヴェネツィアの聖マルコ教会大聖堂の宮廷楽長を歴任。
 それまで、音楽の主流はルネサンス時代に隆盛をきわめた声楽中心のポリフォニー様式でしたが、それに対し、器楽伴奏や劇的表現を重視した、バロック音楽の基礎を築きました。
 とくに、歌詞の内容、そこに盛られた様々な感情を音楽的に表現する大胆な手法は「第2作法」と呼ばれ、歌劇(オペラ)の確立に大きく寄与することとなりました。
『オルフェーオ』は、オペラの最初の完成型とされています。

モンテヴェルディの作品では、通奏低音セクションとしてキタローネ(大型のリュート)は欠くべからざる存在でした。

■書籍紹介
大作曲家 モンテヴェルディ
ルネサンス音楽最後の巨匠にしてバロック音楽の開拓者!知られざる大作曲家モンテヴェルディ。その生涯と作品、さらには時代的背景を、自身の豊富な書簡に基づいて解説した入門書であり、広くバッハ以前の16、17世紀への手引書ともなっている。

出版社: 音楽之友社 ; ISBN: 427622165X
価格: ¥2,310 (税込)
購入情報

ハープ型の楽譜

2005年09月05日 13時14分19秒 | 古楽入門
ハープ型の楽譜 "La Harpe de Melodie"


「旋律ゆたかなハープを」'''は、ハープの形をした楽譜です。
 上部2声が5度で模倣をしていく、3声のヴィルレー。

'ジャコブ・ド・サンレーシュ作曲 Jacob de SENLECHES (Late 14th century) French
 中世末期(14世紀後半)、フランスの'''アルス・スブティリオール'''(繊細な技法)の音楽家。

中世のラップハープ (ティム・ホブロー製作)


■歌詞
歌詞は楽譜の事を言っていいるだけで、それ以外の意味はありません。

 もしあなたが私をきちんと歌いたいなら
 よりよく協和するために
 テノールの5度上から始めなさい
 そうしないと不協和になるでしょう~
(テノールは定旋律という意味。男性の高い声という意味はありません)

■アルス・スブティリオール Ars subtilior(繊細な技法)
 中世の末期に現れた技法。複雑なリズムが特徴。
 前衛的で20世紀音楽(現代音楽)に似ているとも言われます。
 アルス(Ars)は英語のアート(Art)にあたる言葉。芸術というより技法。

■ヴィルレー virelais
 中世フランス世俗歌曲の定型のひとつ。
 形式:AbbaA (Aはメロディーも歌詞も同じ)

MIDI音源