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小さなギャラリー巡り

2010-06-11 19:12:26 | Tokyo 闊歩・彷徨・建築探偵

↑今週は、なんだか こんな気分だった(どんな気分だ)。 
 かわいい絵はⓒぴかぴかの1年生、りんちゃん。
 

さて、ぱたぱたしている間に、ベランダの枇杷がめきめき色づいてきた。


種を蒔いて(実を食べて棄てて)から11年目の結実。烏に食べられる前に収穫したいのだけど、
朝一番の陽光を浴びて金色に輝く果実を もう少し窓から愛でていたい気がする。


南西側のベランダに生い茂っているグミの木も、よくよく見たら赤い実が数粒なっていた。
ニキが逝ったときになって以来、2年ぶりの結実。たまに来るメジロさん、おやつにどうそ。


枇杷もグミも、咲くのは極めて地味な白い小花。でも、それがいつの間にか ある日こんな風に
赤や黄のぷくぷくした実になる。理屈では解っていても、不意に見つけるとほんとわくわくする。
森羅万象に ありがとう! と思う。



先週は、幾つかの小さなギャラリーに訪れた。
まずは、目白の一角に佇む風雅な古民家ギャラリー「ゆうど」で行われた
フード×版画×器のコラボレーションによるOne Dayイベント「幸せのカタチ」展。


目白通りから一寸入っただけで、別世界のような佇まい。庭にはご近所猫の姿もちらほら。
左にいるのは、イベントに誘ってくれたフォトグラファーのみっちゃん。


おうちの中も、ほんもの昭和な香り。なんとなく『阿修羅のごとく』を思い出す。
版画作品を展示していたのはイラストレーターの平岡瞳さん(左の方)。
作品集も見せていただいた。独特の構図感覚と温かみのある感触にとても魅かれた。



中では古本の出張販売もしていたので、みっちゃんと物色。なかなか出物が多い。
私はモラヴィアと開高健の文庫本を入手。どっちもタイトルが“ずばり”すごいね。

Gデザイナーの平野甲賀氏など面白い方々がちらほらいらっしゃる中でも異彩を放っていたのが、
SPAにも連載していたことがあるという漫画家 井上ポルノ氏(右)。超シュールな自著
「Oh,No! なんね〜」を、このあと編集者の方々と下北沢に手売りしに颯爽と向われました。


さて。この日のお楽しみは「ちいさな薬膳料理教室 鳥の巣」を主宰する鳥海明子さん(左の方)の
美肌の薬膳ランチ。繊細な味付けのお惣菜の一つ一つが医食同源思想に結びついている。
あたたかみのある器は、陶芸作家 古川まみさんの作品。


陰陽模様の丼の正体は、ご飯の上のとろろとモロヘイヤ。
ごちそうさまでした!


おまけ。
窓辺から見えた黒猫。みっちゃんが目敏く発見した。
え、どれかわからない?


ZOOM  アップにしても、まるまった黒猫ってロシアの帽子みたいにしか見えないかも。

でも 不意に出逢う黒猫は、どんなときでも嬉しい哉。



古民家ギャラリーを出た後はみっちゃんと別れて目白通りをてくてく。
せっかくこの界隈に来たのだからと思い、前々から行ってみたかった佐伯祐三のアトリエ跡へ。
聖母坂通りから小路に入り、住宅の密集した一角にそれはあった。全然知らなかったのだけど
ちょうどこの4月に「佐伯祐三アトリエ記念館」として開館したらしい。

↑筆致のみならず容貌もシャープな佐伯祐三。


1921年(大正10)に同じ画家である妻・米子とふたりの新居として建てられたアトリエ住宅に、
祐三は家族で渡仏する前の2年間と、1926年に帰国して再び渡仏するまでの計4年ほどしか
住んでいない。そして、わずか30歳にしてパリで客死。愛娘も数日後に同じくパリで病死。

曇り空から仄かに染み出してくる 昼下がりの薄陽を湛えた大きな窓を見上げながら、
2つの遺骨と共に帰国し、1972年に没するまでここに住み続けた米子夫人の
小さな溜息が聞こえたような気がした。


佐伯祐三はここに住んでいた短い期間に、「下落合風景」と題した一連の風景画を残している。
パリ時代の傑作の影で評価も分かれるようだけど、東京郊外の田園から新興住宅地へと
変りつつあった当時の下落合界隈のとりとめのない風景には、独自の美意識を感じる。

それにしても椎名町から目白、下落合界隈って、当時の文芸の士が集う文化村だったのだなあと
改めて。個人的にもいろいろ思い出深いエリアなので、界隈を散歩しながら、しばし じーん。




さて、下落合から今度は西武線で下井草に向かい、ギャラリー五峯で開催していた恒例の
浩江グンナーソンの北欧アンティーク 初夏のフェア」へ。
相変わらず希少なテーブルウエアやテキスタイル、刺繍、レースなどなど
心ときめくアンティークの宝庫! クリアで清々しく、涼しげなのに温かい。






続いては、ファーブル博物館。
行ったのは私ではなく、昔、種村季弘氏の取材でお世話になった川口さん。
エアメールによると、南仏のファーブル博物館をはじめ、あのシュバルの宮殿に
アルチュール・ランボーの生誕地などなどを巡ったそう。なんて理想的なスポッツばかり!




先週は友人たちから素敵な贈りものをいろいろいただき、お誕生月間のありがたみをしみじみ。
と、これはえとさんからの贈りものに忍ばせてあった「筑波大学新聞」。
思うに、私たちが学生時代にはまだこんなのなかったような?
で、うけたのが、学生の生活に「喝」を入れるこんな特集記事。
「自転車」「宗教勧誘」「酒」「心」が挙がるあたり、いかにも。変ってないのねー、今も昔も(笑)


今日からワールドカップだけど、学生のみなさん、
くれぐれも飲み騒ぎすぎてこんな体位で介抱される羽目になりませんように。。


☆さいごにおしらせ。

先日取材した松岡正剛氏のインタビュー記事などなどが掲載された
「Kanon vol.19」が発売になりました。
土門拳の大特集です。土門ファンの方、必読ですよー。

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