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ヨコハマ、蝶の歌、ジャンヌ

2008-11-30 12:11:52 | Cinema
明日から師走。この時季になると、地球の自転が1.5倍ほど加速しているように思えて仕方がない。
先週26日と28日は、元町界隈の取材で横浜もうで。
↑は山手外国人墓地ごしに見えた、紗のカーテンがかかったような黄昏目前の空。

横浜ってあまりなじみがなく、特にみなとみらい辺りは建物が見えてんのになかなか辿り着けない!
といったジレンマが多く、街がヒューマンスケールじゃないので 実は少々苦手だった。
けど、今回 山手地区から元町通り界隈の路地や坂を猫の目散歩してみて、印象が変わった。

初日はキムナオさん&キムリエさん&カッシーと一緒に
エリスマン邸など高台に連なる山手西洋館エリアを散策。
ドールハウスの箱庭に迷い込んだような感覚。

元町の外国人墓地で数匹の猫を発見。キムリエさんによると、この界隈は猫遭遇率が高いそう。
思わず撮影していると、「クロちゃん!」と呼ぶ声。「え、黒猫?」と思い、嬉々として振り向くと
鈴木清順にそっくりな白髭のお爺さんが、猫ではなく、烏に餌をあげていた。
円らな瞳で「清順」をうるうる見つめる純情「クロちゃん」。その奥に白猫が…(わかる?)
一瞬の白黒三角形

この子。右の瞳が金色、左の瞳がアイスブルー。さらっていきたいほどチャーミングでした。


28日は、キムリエさんと元町通り付近のショップやカフェを取材。夕方には終わるつもりが、
気がついたら夜に。。でも開港時から歴史あるお店は独特の佇まいで実に興味深く、楽しかった。
その時に撮った拙写真や記事は来年2月初旬発売の『和福美』をお楽しみに!

帰り、魔女の人形がたくさんぶらさがった元町仲通りのお店前で、ニキ似のもこもこ黒猫に遭遇。

撫でようとしたら、軽く猫パンチされた。
一寸痛かったけど、なんだか懐かしい感触だった。


翌29日 土曜夕方は、キムリエさんとHOYA CRYSTALのショールームへ。
秘密の花園をテーマにした空間は、青褪めた貴族が棲んでいそうな隠微な佇まい。
その後、阿部海太郎さんのLIVE@EATS and MEETS Cayへ。

先月、NIKI Gallery冊でみた時のゆったり感とは逆に、会場はぎうぎうだったけど
内容もそのぶん濃密だった。映像に合わせたピアノ演奏も面白かったし
オーボエ、ファゴット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなどの演奏も素晴らしく。
タップダンスとの絡みも新鮮だった。大好きな『Chanson du Papillon(蝶の歌)』を生で聴けて大満足!


遡ること27日。朝から雨模様だったこの日、取材を翌日に雨天延期したため、ゆったり朝食を摂りつつ
何気にスカパーのシネフィルイマジカをつけたら、「アクターズ・スタジオ・インタビュー」が始まり。

この番組は、俳優や演出家を養成するアメリカの名門アクターズ・スタジオの学生たちを観客に
副学長のジェームズ・リプトンが多彩な俳優を迎え、深い演劇論から出演作の驚愕エピソードまで
実に巧みに引き出すので、つい見入ってしまう。クールな精神科医のような面持ちで、
時おり茶目っけをにじませつつ、言葉少なに核心に迫っていくアプローチは、もはや芸の域。
私も取材でよくインタビューをするが、このヒトの絶妙な間のとり方はぜひ会得したいもの。

ゲストはジャンヌ・モロー。「ヌーヴェル・ヴァーグの俳優を迎えるのは初めて。光栄です」と
うやうやしくのたまうリプトンに、流暢な英語で含蓄のある応酬をするジャンヌ。

この収録は2000年なので、彼女は当時72歳。圧倒的にエレガント。それは凄みですらある。

ジャンヌ「ねえ、煙草吸ってもいいかしら?」 リプトン「貴女なら何をなさってもかまいませんよ」
時おり紫煙でくゆるカメラの向こうで、哲学者のような面持ちで語ったかと思えば、
不意に少女のような笑顔を見せるジャンヌ。貴重なエピソードも尽きず、
『突然炎のごとく』では、予算が少なかったため、スタッフの食事まで彼女が作ったそう!

インタビューに続き、映画『死刑台のエレベーター』が始まったので、またつい見入ってしまう。
(これで午前はつぶれる。フリーランス冥利。<後でしわ寄せが来るんだけど。。)



1957年、若き日のジャンヌ。マイルス・デイビスの即興をバックに、夜のパリを彷徨する名シーン。
ヌーヴェル・ヴァーグのファム・ファタルであるジャンヌも、共演のモーリス・ロネも危険なほど魅力的。
ただ、これを朝から観るのは別のイミで危険かも。
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