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佐山泰弘個展と猫放談

2007-12-05 11:22:29 | Cat 猫族の甘い生活
(photo↑「佐山泰弘作品集 猫からの贈り物」より転載)

昨日は、銀座シネスイッチで来年公開の「スルース」の試写(この話題は週末に)。
で、ちょうど近くで、案内をいただいていた猫造形作家佐山泰弘さんの個展が
開催されていたので観に行った。

佐山さんは、同居猫のミーちゃんをはじめ、さまざまな猫の仕草や佇まいをモチーフに、
立体造形、水墨画、グラフィックデザイン、写真など多彩な手法で作品化し、
国内外で個展、イベント出品などをして活躍されている方。
画廊でお逢いした限りでは、ご本人は、ひょろっとのっぽにおかっぱ頭&帽子姿で、
どこか“飄々としたスナフキン”みたいな印象(勝手に失礼!)。そしてすごくいい声。

佐山さんの個展に初めて訪れたのは、今年の夏。
猫友達のデザイナーふくちゃんの愛猫ウーちゃんをモデルにした完成作品を彼女と観に行ったのだ。
彼は、実際の猫を立体作品に仕上げるオーダーメイドも手がけており、「ウチの猫(コ)展」と
銘打った夏の個展では、そうしたオーダーリアル猫たちがずらりと並んでいて、大猫集会の趣だった。

佐山さんのつくったプチウーちゃん↓(2体のうち小さい方)。
そのあまりのリアルさに、ふくちゃんも私も驚愕。



本物ウーちゃん↓。この黄金の眼ぢからがそっくり。

ウーちゃんは、ふくちゃんのデザイン事務所のチーフデザイナーだった(事実)。
同じ黒猫ながら、うちのニキとはうって変わって、ウーちゃんはスマートかつシャープな運動神経の
美猫で、私は日ごろ「ナオミ・キャンベル」と呼ばせていただいていた。
脚がすらりと細長く、キャットウォークがこれほど似合う猫も珍しいという身のこなしだった。

しかし昨秋、不慮の事故で突然命を落としてしまった。
夜、電話をもらって自転車で駆けつけたとき、ウーちゃんの身体はまだほんのり温かかった。
手足も首筋も柔らかく、瞳もうっすら夢心地で、一見、まどろんでいる猫にしかみえなかった。
その黒い被毛に絶え間なくおちるふくちゃんの涙雨を浴びながら、
ウーちゃんはいつまでもいつまでも 花を敷き詰めた箱の中で心地よさげに眠っているようにみえた。


佐山さんがつくったウーちゃんは、いま、ふくちゃんの事務所で、やっぱり心地よさげに眠っている。
打ち合わせに行ったときにそっと眺めると、そこにウーちゃんが居るようにしか思えなかったりする。
それは、単に姿形がウーちゃんに似ているから、というだけではなく、その猫とその人との
深淵な結びつきへの温かなまなざしが、そこにそっと込められているからなのだと思う。

私も、ニキをいずれ佐山さんにつくってもらおうと思う。

今回の「佐山泰弘個展、猫とひるね。」では、猫の習性を絶妙にとらえたからくり猫や、
40体の猫たちが織り成す驚異の大宴会猫の宴」など、代表作を目の当たりに見られて面白かった。
独特の視点で撮影された写真作品も、単にかわいいだけの猫写真ではなく、
猫とのいい距離感が垣間見えるのが魅力。
私は、妙にデフォルメしたり、かわいく媚びたようなファンシー猫アイテムはちょっと苦手なのだが、
リアリズムに裏打ちされた佐山作品には、ほのぼのした中にもそれらとは一線を画する世界観がある。

「佐山泰弘個展、猫とひるね。」は、今週12月7日(金)11時~19時(最終日~17時)まで開催中。
@ボザール・ミュー(東京都中央区銀座7-5-15 銀座蒲田ビル4F  会場直通TEL03-3572-7590)
*エルメスの右肩の道を直進5分左手。
入口に茶白ぶちの「しーちゃん↓」という けだるい銀座猫が居る確立高し。
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