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ベルサイユの子/パリ,ジュテーム/イタリア的,恋愛マニュアル

2009-02-18 07:12:23 | Cinema
不思議なほどあたたかな週末から一転、さむさむの週明け。
月曜は朝まで校正に追われ、夕方からはアイロンママさんでロング打ち合わせ。
あまりの寒風に週末のことが少し飛んでしまったけど。。。


先週のあったかな土曜は、ご近所newportでレイさん、ハカセ、キムリエさんとゴハン。
ここの料理やワインはお店で普段かかっている音楽同様、心身に快い。
この日のDJはBEAMS青野さん。フェイバリットな曲満載で自室に居るみたいな心地よさだった。


店内では、塩川いずみさんのネコドローイング展も開催していた。昨春、三軒茶屋で観た
「AURORA展」にも参加していた方。入口の猫群像画は必見。2月末までなので、ぜひ。


バレンタインチョコもやっぱりネコで。



翌日曜は、仕事にかかる前に、ついうっかりスカパーで映画を何本か。。
面白かったのは、ゴダールやロメールが参加したオムニバス映画『パリところどころ』の
現代版ともいうべき『パリ、ジュテーム』。18名の監督たちによる愛をテーマにした約5分ずつの
短編オムニバスで、舞台はすべてパリ。

テーマソングはFeist。マレ地区を舞台にしたガス・ヴァン・サント作品のBGMには
GonzalesのGogleが流れるなど、選曲もいちいち よい。

5分とは思えない傑作揃いだったが、顔だけでも凄いインパクトのスティーブ・ブシェミが
散々な“パリのお上り外国人”を演じるコーエン兄弟のブラックな作品には大爆笑。

出色は、たった5分間に恋愛の生々流転を見事に凝縮したトム・ティクヴァの作品。
彼の傑作『ラン・ローラ・ラン』や『パフューム』同様、音と映像のシンクロも天才技。
<『パフューム』もまた観たいな。

(トム・ティクヴァの『HEAVEN』も先日観たが、ダンテの『神曲』をモチーフにした
キェシロフスキの遺稿を、独自の美学で見事に料理していた。
トリノのシュールな俯瞰ショットや、トスカーナのヘヴンリーな描き方にも、
外国人監督にありがちな絵葉書的な異国情緒とは一線を画するものが)


翌日も、仕事の間隙を縫って映画鑑賞。 今度はパリではなく、ローマを舞台に
恋愛のさまざまな局面を描いたオムニバス『イタリア的、恋愛マニュアル』。
4つの短編の登場人物たちが微妙に関わり合う、ひとつの洒脱な群像劇になっていた。
恋愛の至福と残酷、悲愴と滑稽のダシが絶妙に効いたズッパ・ディ・ペッシェの如し。
1話目に出てくる黒猫もキュート!


そして火曜も映画モード。東京日仏学院で開催された『ベルサイユの子』のマスコミ試写会へ。
タイトルに「ベルサイユ」とあるが、華やかな光景はほぼ皆無。
宮殿の内と外を隔てる栄華と貧困の光と闇を象徴するように、描かれているのは
トラベル誌やファッション誌の素敵なグラビアには決して登場しない、もうひとつのフランス。

主人公の子どもは、失業、ホームレス、社会不適応、家族崩壊…フランス現代社会の亀裂から
生まれた被害者。しかしどんなに薄汚れても、奇跡的なほど天使性を失わない。
彼自身が、彼を取り巻く人々の再生を促すイノセントなメディアに思えた。
決して涙を流さない子役の澄んだ大きな瞳に、すべてが映っていた。

3月の「フランス映画際2009」でも上映されるようなので、ぜひ。


東京日仏学院は、昨年のvonちゃんwedding以来だったが、相変わらず心地よく。
ル・コルビュジエの愛弟子 坂倉順三設計ならではのエレガントなモダニズムがツボ。
館内や庭ではちょっとした写真展も開催されていた。




帰りに、明治の木造2階建校舎を復元した東京理科大学資料館を通り過ぎ、


アグネスホテルのバーでしばしコーヒーブレイク。


ホテルの一角にある「ル・コワンヴェール」で、メレンゲのスイーツをお土産に。
このアブストラクトなルックスがハートに刺さった。味や食感にもアブストラクトなハーモニーが。



帰り、公園で夜の芳香を放っていた梅の残像が、いつまでも消えなかった。
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