死刑執行の場である東京拘置所の刑場が27日公開された。
刑場公開の意義は”死刑についての議論を進めるために”と発表されているが、本当のところは、刑場のリアルな姿を見せて感傷的なコメントの一つも付け、「死刑になる人って可哀相」といった感傷的な反応を見る者の心に呼び起こそうという、法相をはじめとする死刑廃止論者の小細工なんだろうね。
死刑制度反対派の中に、死刑執行員制度を提唱する人がいる。裁判員制度に倣って、ランダムに選ばれた一般の人々に、死刑執行のボタンを押させるんだそうだ。
「多くの国民は死刑制度に賛成なんだから、そのボタンも平気で押せるんだろう?」という形で問題を突きつけているつもりらしいが、現在、仕事としてそのボタンを押している刑務官たちの心のありようへの思いやりに、まったく欠ける発言ではないか?
ことほど左様に、自分を無邪気に正義の使徒と信じ込んでいるヒトビトは乱暴な論理を平気で振り回す。彼らの”正義”に反対する者は無条件に”悪”なのであって、どのように傷つけようとまったくかまわないらしいのだ。
おそらく彼らは心の内で、「死刑に賛成するものなど、全員逮捕して死刑にしてやればいい」とでも考えているのではないだろうか。恐ろしい話である。
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<刑場初公開>執行、脳裏から消えず 元検事(毎日新聞 - 08月27日 13:13)
死刑執行の場となる東京拘置所の刑場が27日公開されたが、更生を期待されない死刑囚への刑執行はこれまでごく限られた関係者だけで行われ、その最期もベールに包まれたままだ。狭く、無機質な刑場で、死刑囚はその時をどんな心境で迎え、取り巻く人たちはどう見送るのか。「別れの朝」に立ち会った経験を持つ当事者が重い口を開いた。【石川淳一、反田昌平】
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100827dde041040005000c.html