ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

森と自転車

2009-01-13 04:26:33 | ヨーロッパ


 ”Under Himmelens Faste”by Kraja

 冬になるとこういうものが聴きたくなるってのも反応が単純過ぎるって気はするんですが、北欧トラッド関係など引っ張り出してみました。
 スエーデンの女の子4人組みアカペラ・ユニットであります。ほんとにアカペラなんだから、といちいち断るのも変ですが、まったく伴奏というもの無しで、女の子4人だけによる実に素朴なコーラスを響かせております。

 ジャケや歌詞カードに添えられている写真には、4人が森の小道をサイクリングしている途中のスナップ、てな場面が続いております。多少、寒々しくはありますが、緑豊かなお伽噺の中みたいな風景が広がっておりましてね。そんな田舎への小旅行に出た彼女たちからのなにげない便りみたいなものなのでしょうね、このアルバムは。

 スエーデンとかノルウエイあたりの、シンと寒気の染み透った空気の中で人々の胸にいつの間にか宿っていた、みたいな繊細で透明感があり、そしてどこか儚げな美しさのあるメロディを、共感を持って聴けるのは、実際、冬の楽しみの一つと言えましょうなあ。

 アルバムタイトルは”空の下で”って意味らしいんだけど、この”Himmelens”って単語には”天国”って意味もあったんじゃなかったっけ?
 なんかほんとにね、彼女たちの素朴な歌声で、北国独特の凛と引き締まった叙情を伝える民謡の数々を聴いているうち、空の上とつかの間通信できる見えないパイプみたいなものがスッと開けてね、神様と世間話の一つも出来そうな気分になってくるみたいな、ね。

 何を言いたいのやら良く分からん文章で恐縮ですが、まあ、そういうことで。寒いっスね。