ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

ハングル・アフリーク

2007-01-04 01:39:14 | アジア

 ”Lextacy” by Lexy

 韓国ネタが続きますが・・・

 彼女、レクシーは、韓国で”2大ロング美女”とか言われてるポップスシンガー二人のうちの一人だそうです。どちらも長い足とセクシーさが売り物だそうで。ありがたいことであります。
 そんなレクシーの、これはアフリカ音楽に挑んだ最近作。とはいっても、ワールドミュージック・ファンがいきり立つ必要はないです。それほどディープなアプローチをしているわけではない。

 なんちゃってアフリカといいますか、中ジャケに豹の写真があるんですが、その首に首輪がしっかりしてあって、アフリカの大地じゃなく、ソウルかどこかの動物園で取った写真だなとモロ分かり。アルバムの含む”アフリカ性”も似たようなもの、昔の冒険マンガの中で見られたような、書き割り的アフリカ像が安易に展開されているのでありました。

 1980年、アフリカの音楽を大々的に取り入れた衝撃的なロックでスキモノを騒がせたトーキング・ヘッズのアルバム、”リメイン・イン・ライト”なんて作品がありましたが、あの音作りから芸術性と音楽的深みを抜き去り、代わりに休日の動物園の賑わいなど放り込んでみました、みたいな感じ。でも、この底の浅い書き割りワールドのチープなファンク・サウンドの楽しみ、私は別の意味で好きですね。

 こいつも一つの駄菓子屋系の気の置けない楽しみと申せましょうか。別に感動なんかに誘われないけど、ひとときのリズミックな慰謝を与えてくれるし、インテリっぽい音楽への洞察の変わりに、”セクシーなお姉さん+アフリカの野生のイメージ=もっとセクシーなお姉さん”の法則(?)が発動しまして、打ち出されるファンクサウンドとハングル・ラップのむこうに、なかなかにエッチな雰囲気が醸造されているのであります。

 そんな訳で。
 以前、タモリがテレビで「我々は豹を見ても別にセクシーと感じないのに、豹柄の服を着ている女性はセクシーに感ずる。これは一体、どういうわけだろう?」なんて疑問を口にしていました。
 このアルバムを聞いていると、豹柄のミニドレスを身に付けてステージで腰を振り倒して歌っている”ロング美女”レクシー嬢の姿など浮かんできまして、このタモリの疑問に対する回答が容易に見つけられそうな気がしてくるんでありました。