ボンボンを買いに・・・

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「おじさま」は辛いよ。パトロンの苦悩を、この映画に見る。

2018-09-03 22:59:21 | 日記

実は、昨日見ていた映画がある。

 



高倉健演じる主人公が、自分の殺した男の娘を育てる。

いや、育てると言っても、その殺人を犯してから

15年間刑務所暮らし。

親父殺しの償いに、養育費を送り続けたのだ。

 

🌟🌟🌟



事件当時幼子だった娘は、主人公が出所してみたら高校生。

娘は主人公に手紙を書き続けており、

彼は刑務所に届けてもらって読んでいた。

 

🌟🌟🌟

 

届く手紙はエアメール。

娘は、相手が刑務所にいるなどつゆ知らず、

ブラジルにいると思っている。

そして、恩人である「おじさま」に向け、

信頼と熱い感謝の思い、

会いたい気持ちを手紙に綴っている。

父親を殺めた当人とは、夢にも思わずに……

 

🌟🌟🌟


そう、最初は償いのつもりだった。

しかし、娘から親愛の情のこもった手紙を受けとるうち、

(彼からは決して返事は書かない)

紛れもない、娘に対する愛情が芽生えていた。

そして気がつくと、主人公は娘に会う日を夢見るようになっていた。

 

🌟🌟🌟

 

堅気になって、彼女と暮らせたらどんなにか……

しかし、自らの正体を明かすことは、彼女に憎まれることを意味する。

出所してからというもの、成長した娘の姿をこっそり垣間見、

今にも飛び出していって名乗りをあげたい衝動をこらえる・・・・

 

🌟🌟🌟



これだってほかでもない。

「あしながおじさん」ベースの物語ではないですか。

「あしながおじさん」と違うのは、それが庇護される少女の側ではなく

パトロン側の物語ということ。

 

🌟🌟🌟


そして、これを見てわかるのは、このシチュエーションに

甘美な夢を抱くのは、少女だけではない。

まぎれもなくパトロンである男性もということ。

 

🌟🌟🌟



「キャンディ・キャンディ」には、

ウィリアム大おじさまの気持ちは描かれなかった。

でも、「ガラスの仮面」にはあったよね。

紫のバラの人こと、速水真澄の心のうちのモヤモヤ。

これでもか!というほどてんこ盛りであった。

 

 




庇護されるマヤには、パトロンである紫のバラの人に対しては、

ただただほとばしる熱い思いだけしかない。

しかし、その思いを寄せられる真澄には、

どれほどの葛藤があったか。

 

🌟🌟🌟



マヤほど正直に思いのたけをぶつけることはできない。

しかし、彼女に負けず劣らずの熱い思いを、彼女に対して抱いている。

禁じられれば禁じられるほど、身分を明かし、

気持ちを打ち明けたい欲求は膨らむ。



しかしそれができない!!(。≧Д≦。)

 

 身をよじるようなもどかしさなのだ。

 

ね?「おじさま」は辛いのである。

 

🌟🌟🌟



「冬の華」の娘は、結局主人公の子分とできてしまう。

それを知ってショックを受ける主人公。

所詮は、男性として彼女の前に立ち、

堂々と気持ちを打ち明けられる身ではない。

自らの立場を思い知らされ、そして苦しむ。






あしながおじさんは、最後はジュディと結ばれるんでしょ?

そして、「ガラスの仮面」もたぶん。。。。

「キャンディ・キャンディ」も、あのままいくと、ひょっとして。

「冬の華」は、悲劇的結末に終わってしまったけど、

主人公の願いは明らかだったよね。

 

🌟🌟🌟

 

陰ながら成長を見守る、遠くから幸せを願う……はずだったんじゃ?


パトロンと、庇護される者の関係は、おのずとそっちに向かうのか?


うーーん、わかんないけど!!


「あしながおじさん」は、女の子の夢のみならず、男の夢でもあったのね。

 


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