暇人のお気楽日記

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ルワンダの涙

2008-05-15 11:51:49 | 映画・ラ
2005年(英/独)

監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ
出演:ジョン・ハート(クリストファー神父)
   ヒュー・ダンシー(ジョー・コナー)
   クレア=ホープ・アシティ(マリー)
   ドミニク・ホロウィッツ(デロン大尉)
   ニコラ・ウォーカー(レイチェル)

オフィシャルサイトにルワンダの歴史など、詳細があります。是非見てください。

http://www.r-namida.jp/index.html

 原題「Shooting Dogs」飢えて死体に群がる犬を撃つ、国連軍が自衛以外のために発砲しないというこの愚かしい状況を皮肉ったタイトルだそうです。
 「ホテルルワンダ」も涙なしには見られませんでしたが、あの映画にはホテルに立てこもった多くの人々が助かったという救いがありました。でもこの映画で描かれているところはもっと悲惨です。
 ストーリーは一見平和に見える光景から始まって、海外青年協力隊の英語教師ジョーとクリストファー神父を中心に描かれていきます。教会を備えた学校で、子供たちの笑い声が響く。でもその陰ではフツ族の子供たちによるツチ族の子供たちへの嫌がらせがあったり、別の場所ではツチ族の集会をフツ族が襲撃して皆殺しにしてしまう事件が起こっていたり、派遣されている国連軍の兵士たちが学校にも駐留しているという決して治安がいいとは言えない状況だった。
 そして1994年4月6日、フツ族出身のハビャリマナ大統領が乗った飛行機が何者かに撃墜され、事態は急変していく。クーデターの噂が広がり、学校は非戦闘区域であることを宣言して国連兵士たちが子供たちを守るために学校を取り囲む。お気に入りの優秀な生徒マリーとその家族を学校内に避難させようと迎えにいくジョーだが、街には人気が無く異様な雰囲気が漂っていた。ジョーが学校に戻るとツチ族の人が保護を求めて続々と学校に避難して来ていた。ジョーやクリストファー神父が学校の外へ出る度に状況は悪化している。道を所々で検問のようにふさぐ過激派民兵たち。異様な状況が、どんどん人を狂わせていく。。。
 何より恐かったのは数日前までジョーたちの通訳をし、一緒に談笑していた人間が、その民兵に加わっていた事!手にナタを持ち、返り血を浴び、異様な興奮に目をギラギラさせながら笑ってみせる顔が本当に恐かった!
 民兵たちは本当に容赦なく、女も子供も、生まれたばかりの赤ん坊さえもナタでたたき殺していく。街中に死体が転がり、血が流れている。心配したクリストファー神父が他の教会へ行くとそこは既に惨劇の後だった。学校を取り囲む民兵が続々と増える中、国連軍の撤退命令が下る。彼らのトラックに必死ですがる人々。助けてもらえないなら、せめて銃で子供たちだけでも殺してくれと頼む避難民たち。子供たちをナタでたたき殺されるような目に遭わせる前に、せめて苦しまずに死なせてやってほしいという願いすらかなえらず、見捨てられた避難民達。国連軍が去った後、学校へ向かって動き出す民兵達。。。そこから先は映像がなくても想像できてしまうことが恐い。
 西洋人が避難する時、現地の人と結婚していた人でも、ルワンダ人だからという理由で助けてもらえず、無理矢理引き離され泣き叫ぶ姿がありました。たとえ結婚していても、助けては貰えなかったんですね。そういえば、ホテルルワンダでも似たようなシーンがありました。伴侶だから、家族だからという理由で彼らをトラックに載せてしまったら、西洋人の乗っているトラックが襲われてしまう可能性があるからこそ、乗せることができなかったのでしょうね。
 この大虐殺の数年後、再会したジョーとマリー。なぜ置いて逃げたのかというマリーの問いに、「死ぬのが怖かった」と答えるジョー。あの恐ろしい状況を思えば、彼の行動を責める事などできないと思う。置いていかれた人々は裏切られた気持ちで一杯になっただろうけれど、残れば、彼も一緒に間違いなく殺されていただろうから。ルワンダの人々を裏切り、置いてきた彼は一生そのことに罪悪感を抱きながら生き続けなければならない。それはそれで、辛い人生だ。。。
 この映画の製作スタッフには実際に虐殺の現場にいて奇跡的に助かった人たちがいます。彼らの親族の多くはこの事件で亡くなってしまったそうです。殺された家族の遺体の下に隠れて助かった人、暴行を受けHIVに感染してしまった人。。。
この映画の製作に携わるのにどれほど勇気が必要だっただろう。彼らの心の強さを尊敬します。

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2 コメント

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この映画では (メル)
2008-05-16 07:13:01
印象に残った言葉がたくさんありました。
ホテル・ルワンダよりもリアル差が増してたと
思いましたし、私はこちらの映画の方が好き・・というか良く出来てると思いました。
Shooting Dogsという原題も、あ~・・こういうことか・・と胸がつまりました。
メルさんへ (lucky777_sw)
2008-05-16 09:56:14
確かに、ホテルルワンダよりリアルな感じがしました。
だからよけいにつらい。。。赤ちゃんが殺されるシーンや、「子供たちを銃で殺してくれ」なんて台詞には心が痛かったです。
つらい映画だけど、多くの人に観てほしい作品だと思いました。

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