ストレスとは必ずしも悪いものではない。環境の変化に立ち向かおうとする力であり わたしたちを前に向かわせてくれる力ともなる。だが過度のストレスは心身を蝕む。過度のストレスに直面したとき ひとは逃げようとするかさもなくば闘おうとする。若いころのわたしはひたすら逃げていた。今のわたしはひたすら闘う。...それが正しいと思っていたし 子どもたちにも闘うことを求めつづけた。
脱力に気づいたのはつい先ごろなのだが それでもなにかことあれば野生動物のように髪は逆立ち身体は緊張する。あえて脱力する。深い呼吸をする。.....ひとは からだがほぐれていくとこころもほどける 空気のようになる...語っているとき ものがたりに身をゆだねているとき わたしはわたしでなく よりわたしである。からだはやはらかく 跳ねたり自在にうごく。
これはいったいなんなのだろう。意識が遠くはっきりして 澄んでくる ふだん見えないものが見え 聞こえない音が聞こえる....首を自由にする それだけでも呼吸は深くなる。緊張を解いたとき ひろがってゆく 意識もからだも....他者との隔壁もあわく溶けてゆくようだ。
恐れることも怯えることもないのだ....深淵が眼前にあぎとを開けていようと....ともかくうけいれよう...身体が緩やかに息づいていれば大丈夫だ。ひとは身体から癒される....マッサージをうけてこころがリラックスするのは筋肉の緊張がほどけるから....神経や筋肉に記憶されたつらいこと哀しいことが解けてゆくから...とか。ホメオスタシー アレクサンダーテクニーク 石川先生のインプルーブ....根のところでは同じなのかもしれない。
緊張しきっていた身体が受容することによって変容が促され身体とこころと魂がひとつになり語り手の自在な身体となるのだろう。その身体から発するいのちが息であり声である。...
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