遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



 

朝 野村敬子先生にTELしました。先日 満州国の洛陽 を聴きにきてくださったとき ホテルでお風邪を召されたとのこと、申し訳なさでいっぱいです。なにひとつおもてなしもできませんでした。恐縮するわたしに先生は「桃太郎や金太郎を語っても 社会は変えられない。わたしは満州国の洛陽を聴きにいってほんとうによかった。」とおっしゃってくださった。

夕闇せまる頃 スイーティーでワッフルとディンプラをたのみました。.... ひさしぶりにカリっとバターの香りのする美味しいワッフルでした。むかし 櫻井先生と 銀座のフォーリーヴズというティールームで紅茶と焼きたてのワッフルをいただいたことをお店の佇まいとともにまざまざと思い出しました。

先生 もしかしたら見えるかしら...と右隣の椅子をみたら そこにはいませんでした。気がつくと正面の揺り椅子がかすかに揺れていて 気配がしました。.....先生 ごめんなさいね わたしは思わず つぶやいた .... すると 時はながれてゆくのよ もう..... そのつぎのことばははっきり覚えていないのです。  ルカさん あなたのしていることはまちがってはいないわ .... でも やさしさと夢はわすれないで .... そのやさしさと夢ということばにわたしは驚愕しました ..... もうしばらく忘れていたことばでしたから  もっと自由にしてあげて......先生 行かないで .... ずっとそばにいたのに気付かなかったの ..... いつか またあえる ..... 濃密な気配の余韻だけが残っていました。

夢を見ているようでした。窓の向こうは濃紺の闇がおりて 灯影が5つ6つ にじんでいました。...泣いていたのです。

わたしは無我夢中で駆けてきた5年を思いました。わたしのなかに戦争と平和を語るにあたって罪滅ぼしのような気持ちが最初はあったのかもしれません。平和について 子どもたちのしあわせについて それは先生とわたしにとって共通のテーマでしたから。

それが次第に 供養に重心がうつり 界をあかるくすることにかわっていたにしても 自分のなかにはしなければならぬしなければならぬ という使命感があったようです。それも 我 ガ であったのでしょう。

わたしはなんだか とても らくになったような気持ちがしました。戦闘態勢のなかで身に着け 肌とひとつになってしまったような甲冑を脱いだような せいせいと風に吹かれたような そんな気持ちでした。戦争について わたしはこれからも語るでしょう。ことばなき くちびるなきひとの代わりに。 忘れないでというひとの代わりに。聞き書きもつづけるでしょう。それはのちの世代へのギフトであるとともに 語るべきことばをもつひとを自由にしてさしあげることでもあると 知っていますから。

.....でも もういちど 思い出してみよう 切なさ や 苦しさや 涙や 血のにじむような真っ赤な夕日だけでなく 14年前の ときめきを 先生のくちびるから織りなされる きらきらした夢の世界に酔いしれた日のことを 語りの魔法を 思い出してみよう。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 遠隔操作で電... カタリカタリ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。