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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

マルベリーストリートで生きる

2011-03-08 11:05:57 | 好きな本

読み終わった本をブクログに載せているけれど、レビューはちっとも
書いたことがないので、このブログに書くことができなさそうな時は
そっちも活用しようと思い、昨日、この本について記しておきました。

 

もうそれで「済んだ」はずですが、書いておきたいことが、まだあと2つ
あったことにゆうべ気がつき、やっぱりここへも残しておくことにしました。


この本、表紙の写真と題名を見ると、なんかかっこいい感じがしますが、
中味は、作者のおじいさん世代のイタリアからの移民の実話が元になっていて
一日一日を送ることの大変さがひしひしと伝わってくる内容です。

主人公の少年ドムは、わずか9歳で、何も知らずに貨物船に乗せられて
ひとりとして知っている人のいないマンハッタンで、どうにか生き延びて
いくのですから‥。

彼を助けたのは、「生き延びて」という母からの言葉と、それまで彼を慈しんできた
家族の愛情です。
やっと手に入れたオレンジを、道端で同じような境遇の少年に分け与えられるのも
自分の都合のいいような嘘をつかないのも、誇りを失わずにいようと思えるのも
幼い時からの、小さな教えと、自分が愛されていると信じきることができる心を
持っているからだと、強く感じました。

愛されてきた人は人を愛することができるし、愛そうと努めることができるけれど
その逆は、かなり難しいのかなと思います。

ナポリの家族のことを忘れないようにしようと、ドムは、毎晩眠りに落ちる前に
ナポリでの生活のことを思い出します。
おばあちゃんの手はどんなふうに野菜を刻んでいたか、お母さんはどんな声で
自分を呼んでくれたかー。

思い出は、繰り返し繰り返し、おもいだすことによって、「思い出」として、
自分の心に中にひとつの場所を得るのです。

‥この「思い出」のことを書いておきたかったのです。


そして、もうひとつ書いて覚えておきたかったのはー
良い靴は、人の助けになる、ということ。

ナポリを出るときに、ドムのお母さんは、初めてドムに靴を履かせます。
船がエリス島の移民局に着いた時も、マルベリーストリートの八百屋さんに
25セントを貸してと頼んだときも、もしドムが裸足の子どもだったら
別の運命が待っていたのです。


それにしてもドム、とても賢い少年だったなあ。




 ******




良い靴は、おしゃれの基本でもありますよね?
自分の足にあった靴、できればジーンズにもスカートにも合わせることができて
直しながら、長く長く履いて行かれる靴‥そういう靴に出会いたいです。

ここで会えるかも?)


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