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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

めぐってくるもの

2005-09-16 13:15:50 | 想うこと

 写真の月は、ちょうど1ヶ月くらい前の、もうすぐ満月になろうとしている時のものです。  
 月は、どんな形の時でも、とても好き。
針ほどの三日月も、大根の薄切りに失敗したような半月も。もちろん、煌々と輝くまんまるの時も‥。
 けれど、完全な丸になりきっていない、13夜、14夜の月が、もしかしたら一番好きかもしれません。(昔、荒井由実の唄っていた「14番目の月」の影響かも)

 時間が流れ、毎日が行き過ぎ、気がつくとまた同じ形の月を、空の中で見つけることができる。確実にひとつきが過ぎていったことと、また同じだけ時間が過ぎていけば、また同じ月がめぐってきて、その光に感じ入ることができる。手に取ることはできないけれど、それでもなんか確かなもの。月からはそんな安心をもらっているような気がします。


 このブログを始めるときに、載せていきたい本の写真をいくつか撮りました。谷川俊太郎さんの詩とクレーの描いた絵。『クレーの絵本』は、ほんとの絵本ではないので、どうしようかなと思いながらも、とても好きな本なので写真に残しておきました。

 谷川さんがクレーの絵が好きだと知ったとき、自分自身の「好きなもの同士」が合体したので、とても驚きました。本の中で、というより谷川さんの作品の中で、たぶんどれよりも好きな詩を、載せておきたいと思います。

    《死と炎》 1940

    かわりにしんでくれるひとがいないので
    わたしはじぶんでしなねばならない
    だれのほねでもない
    わたしはわたしのほねになる
    かなしみ
    かわのながれ
    ひとびとのおしゃべり
    あさつゆにぬれたくものす
    そのどれもがひとつとして
    わたしはたずさえてゆくことができない
    せめてすきなうただけは
    きこえていてはくれぬだろうか
    わたしのほねのみみに

コメント (6)
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