地上を旅する教会

私たちのすることは大海のたった一滴の水にすぎないかもしれません。
でもその一滴の水があつまって大海となるのです。

【救うもの】いま注目“明治の大阪の玄関地”そびえる 大正モダン 日本聖公会・川口基督教会

2015-02-18 06:34:06 | 今日の御言葉
▼100年間お疲れ様でした (2015.2.18)



あらゆる汚れやあふれるほどの悪を
素直に捨て去り、
心に植え付けられた御言葉を
受け入れなさい。

この御言葉は、
あなたがたの魂を救うことができます。


ヤコブの手紙/ 01章 21節
新約聖書 新共同訳




だれにでも、沈黙し、
黙想する時間が必要です。

私はいつも沈黙のなかで
祈りをはじめます。

神は静寂の友です-
私たちは神の声に耳を
かたむける必要があります。


祈りは魂を満たしてくれます。

そして、人間は、祈ることで
神に近づくことができるのです。

祈ることで、あなたは清らかで
純粋な心を与えられるのです。

マザーテレサ

(『マザーテレサ語る』より)





▲レンガ造の構造は阪神淡路大震災で
塔などが大きな被害を受けたが
復元された(撮影・西岡潔)


★【都市を生きる建築(27)】
いま注目“明治の大阪の玄関地”そびえる
大正モダン 日本聖公会・川口基督教会

◆産経新聞 2015年2月15日 産経WEST

第23回で取り上げた大阪教会の工事や、第25回の江戸堀コダマビルを請け負った岡本工務店の創設者・岡本新次郎は、1885(明治18)年に大阪の泉北で生まれ、東京で建築を学んだ後に建築家・辰野金吾の事務所と住友の営繕課で修業し、1910年に岡本工務店を設立した。そんな岡本の手がけた建築を、もうひとつ紹介しよう。西区川口に建つ日本聖公会川口基督教会だ。

川口教会のある川に囲まれた川口は、明治時代に大阪港が開港して設けられた居留地だったエリアで、各国の領事館や商館、邸宅などの洋館が立ち並び、モダンな街並みが広がっていた。また対岸の江之子島には大阪府庁や市役所が設けられ、一帯は海から運ばれてきた物資の流通拠点として賑(にぎ)わった。一時期、大阪の中心はここにあった。

川口教会はそんな居留地に設立された聖テモテ教会を源流にもつ教会で、現在の聖堂は1920(大正9)年にアメリカ人建築家ウィリアム・ウィルソンによって設計された。ゴシック様式をもとにしたイギリス積みレンガ造で、塔の頂部のデザインや、先の尖(とが)った尖頭アーチなどにその特徴がうかがえる。礼拝堂の天井は木造の小屋組を露出させたオープン・ルーフで、はさみのように交差する9対のシザーズ・トラスが屋根を支える。

かつては大阪の玄関口として栄え、モダン文化の発信地であった川口だが、中之島図書館や中央公会堂などが保存されてレトロエリアとして人気の中之島東部などと比べると、西部の人通りはまばらでエリアの再生整備も立ち遅れている。


しかしこの地域もまた川口教会をはじめ、かつて港湾で賑わったことを伝える住友倉庫や、アートセンターとして再生した旧工業奨励館、そして戦後の都市居住のあり方を示した川口ビルディングや、小ぶりだが清廉なモダニズム建築の旧大阪税関富島出張所など、優れた建築資源が集中するエリアである。

この2月には水と光の首都大阪を目指すプロジェクトの一環として、川辺の空地にフィッシャーマンズマーケットがオープンするなど、将来の賑わい拠点づくりに向けた動きも始まった。今後、川口教会はエリア全体の文化的、そして歴史的なランドマークとして、新たな役割を担うことになるだろう。

(高岡伸一/建築家・大阪市立大学特任講師)

(いま注目“明治の大阪の玄関地”そびえる大正モダン 日本聖公会・
川口基督教会 - 産経WEST 2015.2.15 13:00更新)
http://www.sankei.com/west/news/150215/wst1502150012-n2.html



▲礼拝堂の屋根は
木造のシザーズ・トラスによって
支えられている
(撮影・西岡潔) 2015.2.15 13:00





『救国のレジリエンス』藤井聡 (講談社 写真)

「列島強靭化」でGDP900兆円の日本が生まれる。



【藤井聡「都構想問題」声明文】
「権力による言論封殺には屈しません」(H27/2/7) - YouTube






▲ 2015.2.18 (記事)


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【負担】「平壌を再び朝鮮のエルサレムに」 同性愛とキリスト教と北朝鮮

2015-02-16 07:11:45 | 今日の御言葉
▼「場内空っぽ。兵隊どころか住民も」2015.2.15


信者の婦人で身内にやもめがいれば、
その世話をすべきであり、
教会に負担をかけてはなりません。

そうすれば教会は
身寄りのないやもめの
世話をすることができます。

テモテへの手紙一/ 05章 16節
新約聖書 新共同訳



私たちは愛してほしいと願う前に
まず、多くの人を愛していきたいと
願わなければいけません。
神様は
無条件に愛することを
私たちに教えていらっしゃるのです。



★【北朝鮮の同性愛事情-6-】
「平壌を再び朝鮮のエルサレムに」
同性愛とキリスト教と北朝鮮


◆DailyNK Japan(デイリーNKジャパン)2015年2月3日




▲「同性愛は消滅すべき罪悪」などと書かれたプラカードを持った保守キリスト教団体のメンバーが大邱(テグ)クイア・パレードの参加者と衝突している。(画像:読者提供)

連載企画「北朝鮮の同性愛事情」は今回で最終回。最後は「もし北朝鮮が開放されて同性愛が流れ込んだら何が起きるのか?」というテーマについて、現代韓国の同性愛事情とキリスト教の関連から考察してみたい。

▼平壌は「朝鮮のエルサレム」

同性愛に反対し憎悪を煽る韓国のプロテスタント。そもそも韓国にはなぜクリスチャンがこれほど多いのだろうか。

「朝鮮のエルサレム」かつての平壌はそう呼ばれるほどクリスチャンの多い街だった。

19世紀末、福祉や教育分野に進出して布教を進めていたキリスト教だが、クリスチャンの数が爆発的に増えるきっかけとなったのは1907年に起きた平壌大復興だった。

これは平壌のとある教会で、宣教師と教会の指導者が公開の場で涙を流しながら懺悔を行っていたことをきっかけに、信者が急増したという出来事だ。1945年以前の朝鮮半島のクリスチャンの3分の2は現在の北朝鮮に集中していた。

金日成氏の父の金亨稷(キム・ヒョンジク)氏はミッションスクールの崇実(スンシル)学校(現在ソウルにある崇実大学校の前身)を卒業したクリスチャンだ。

母の康盤石(カン・バンソク)氏は平壌にあった長老派系のチルゴル教会の康敦煜(カン・ドヌク)長老の娘だ。「盤石」という名前は使徒ペテロにちなんでいる。


金日成氏の叔父で後に北朝鮮の副主席を務めた康良煜(カン・ヤンウク)氏も牧師だった。金日成氏自身もクリスチャンで中学2年生までは熱心に教会に通っていたと言われている。

朝鮮民主主義人民共和国の成立と朝鮮戦争をきっかけに北朝鮮にいた多くのクリスチャンが弾圧を逃れて韓国へと逃げてきた。1960年台には100万人程度だった韓国のクリスチャン(プロテスタント)人口は現在では1200万人に達している。

1200万人と言えば人口5000万の韓国においては非常に大きな影響力を持つ。韓国国内の最大宗派の長老派教会は非常に保守的で、政治的には「宗教右派」として影響力を行使する。

アメリカの長老派教会が同性婚を認めたことに対して「聖書の言葉をより固く守り、信仰の暮らしへと信者を導くべきアメリカ最大の長老教団がむしろ聖書の権威を無視してそれに反する決議を行ったことは到底許されることではない」と激しく非難し、同性婚認定の撤回を要求している。



▲朴元淳ソウル市長の発言に抗議して市庁舎で座り込み抗議を行う人々(画像提供:@torirun)
「同性愛」をめぐる激しい社会対立


同性愛をめぐっては、最近起きた「ソウル市民人権憲章」をめぐる混乱で対立が改めて表面化した。

12月10日の世界人権の日に発表予定だった「ソウル市民人権憲章」。性的マイノリティへの差別禁止を謳う条項が入っていたが190人からなる市民委員会では圧倒的多数でこれを承認した。

ところが、これに保守キリスト教団体が猛反発。反対を押し切ると見られていた人権派弁護士でリベラルなソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長は、市民委員会の議決を「合意」ではないという理由で無効化した上で、キリスト教団体に「同性愛を支持しない」と語ったのだ。

市長の態度の豹変に、同性愛者の団体のみならず300もの市民グループも猛反発。発言の撤回を求めてソウル市庁舎で300人が座り込み連日連夜の抗議活動を行った。10日後、朴市長は「皆さんが傷つかれたことに申し訳なく思っている」と謝罪に追い込まれた。

このように韓国では社会における性的マイノリティの存在をめぐり厳しい対立が繰り返されているが、「プロテスタント=宗教右派」がその火に油を注いでいるのだ。その右派には一部の脱北者団体も加勢している。

▼脱北者とキリスト教の親和性

脱北者の多くは韓国にやってきてクリスチャンとなりプロテスタントの教会に通うようになる。プロテスタントが脱北者支援に積極的という理由もあるだろうが、北朝鮮が掲げる「唯一思想体系」とキリスト教の「一神教」が似ていることから、惹きつけられるという理由が大きいようだ。

脱北詩人のト・ミョンハク氏は韓国のTV朝鮮に対して次のように語っている。

「脱北して聖書を初めて読むと『北朝鮮はキリスト教を真似して私たちを騙していた』ことにすぐに気づいてしまう。だから教会の雰囲気やキリスト教のあり方が脱北者の心を揺さぶるのだ」

韓国のプロテスタントは、今でも命がけで信者を北朝鮮に送り込んでいるが、そのモチベーションとなっているのは「朝鮮のエルサレム」再建だ。

北朝鮮が開放され、統一されたら堰を切ったように朝鮮半島北部に流れこんで「金氏王朝」からキリスト教国家に塗り替えてしまうパワーを持っている。

同時に、韓国から様々な情報が流入し、自分が同性愛者であることに気づく北朝鮮の民衆も大勢現れるだろう。その時、同性愛をめぐって新たな対立が生じるであろうことは想像に難くない。

2035年の平壌の旧金日成広場。同性婚を求める性的マイノリティと「ホモは許さない」と叫ぶキリスト教信者が衝突する。まさに今の韓国と全く変わらない状況が北朝鮮に出現するかもしれない。

(了)

【北朝鮮の同性愛事情-6-】「平壌を再び朝鮮のエルサレムに」同性愛とキリスト教と北朝鮮 | DailyNK Japan(デイリーNKジャパン)
http://dailynk.jp/archives/34110






★後藤さんはキリスト者だった

◆世界日報 2015年2月5日
オピニオンの「ビューポイント」




▲アンマン市の風景(2014年5月10日、アンマンで撮影)

ヨルダンのパイロットがイスラム過激テロ組織「イスラム国」によって焼殺されたというニュースは世界を再び震撼させている。オバマ米大統領、オランド仏大統領、メルケル独首相ら世界の指導者たちは一斉に「イスラム国」を批判し、「絶対に許さない」と表明している。メルケル首相は「人間がどうしてあのような酷いことができるか分からない」と呟いたという。イスラム国の蛮行を目撃する度に同じように感じる人は多いだろう。

ヨルダンの首都アンマンに昨年取材し、多くの新しい知人と出会った当方はヨルダンからのニュースが気になった。政府や国民は「イスラム国」に対して報復を宣言しているという。ヨルダンは人工国家と言われ、小国家だ。アンマン国際空港やホテルにはフセイン前国王、アブドラ現国王、そしてその息子アブドラ皇太子の3人の肖像画が掲げられている。パレスチナ人難民が多数を占め、地理的にも同国は中東の緩衝地的な役割を果たしている。親米国家であり、イスラエルを容認している数少ないアラブ国家だ。

「イスラム国」がジャーナリストの後藤健二さん(47)と引き換えにヨルダンの刑務所に収容されている女性自爆テロリストの釈放を要求したと聞いた時、正直言って少し変だな、と感じた。女性自爆テロリストは「アルカイダ」幹部の未亡人というが、アラブで拘束中の女性テロリストの釈放の為に人質交換を要求すること自体、普通ではない。目的はヨルダンを揺さぶり、政情を不安定にすることが狙いだったと見ている。

アンマンからの情報によると、ヨルダン当局はパイロットの殺害の報復として、拘束中の複数の過激派テロリストを処刑したという。ヨルダン政府、国民の心情は理解できるが、報復では問題は解決できない事は明らかだ。

いつものように、バチカン放送独語電子版を追っていると、「彼はキリスト者だった」というタイトルの記事に出会った。「イスラム国」に殺害された後藤さんのことが紹介されていたのだ。殺害された後藤さんが敬虔なキリスト者だったことを初めて知った。当方には、後藤さんの生前の発言を読んで理解できなかった部分があったが、その真意が少し理解できたように感じた。

「後藤さんがキリスト者だったから特別だ」という気持ちはさらさらない。後藤氏が神を信じ、イエスのような生き方をしたいと願っていた日本人ジャーナリストだったことを知って、当方は改めて後藤さんの発言を振り返ってみた。「戦争のない世界」を夢見てきたという後藤さんは単なる平和主義者の発言ではなく、神の世界を夢見ていたことが分かった。人質となっていた友人湯川遥菜さん(42)を解放するために危険な地域に取材に出かけたのは、後藤さんの心の中に“イエスに倣って”歩んで生きたい、という熱い思いがあったのだろう。

バチカン放送は後藤さんがカトリック信者か、プロテスタントかは書いてないが、そんなことはどうでもいいことだろう。後藤さんは1997年にキリスト者になったという。幼児洗礼で信者となった人ではなく、人生を歩みだした後、神に出会った人なのだろう。

悲しいことは、後藤さんが無神論者によって殺されたのではなく、“アラーを唱え、神の国を願う”イスラム過激派テロリストによって殺害されたという事実だ。後藤さんにとって、一層辛かったことではないか。神の名を乱用する者から神を一刻も早く解放することが後藤さんの願いに応えることにもなるのではないか。


編集局 2015/2/05 コラム
[ウィーン発コンフィデンシャル]



▲2014年9月11日 産経新聞号外
朝日「命令違反で撤退」
吉田調書 記事取消し 「慰安婦」でも謝罪



検索ワード: 産経新聞 号外 統一 捏造
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【光を人々の前に】神のもとへと導く歌声 黒人教会に響く ゴスペル 奴隷制が生んだ魂の叫び

2015-02-14 20:16:01 | Weblog
▼増加傾向の特別養子縁組25年度は
474件 (産経新聞2015.2.14)




そのように、
あなたがたの光を人々の前に
輝かしなさい。

人々が、
あなたがたの立派な行いを見て、
あなたがたの天の父を
あがめるようになるためである。


マタイによる福音書/ 05章 16節
新約聖書 新共同訳




この世の最大の不幸は、
貧しさや病ではありません。

だれからも自分は必要とされていない、
と感じることです。


マザーテレサ
(『マザーテレサ語る』より)




歌を通して神を賛美し、
神に仕えている。

私たちにとってゴスペルは
人間としての礎になっているんです。

(フィリス・ホールさん)




★祈りよ力に
神のもとへと導く歌声 黒人教会に響く
ゴスペル 奴隷制が生んだ魂の叫び

◆47NEWS(よんななニュース)2015年2月5日



▲日曜礼拝でゴスペルソングを熱唱するフィリス・ホール。聖歌隊の手拍子に合わせ、澄んだ歌声が教会に響き渡った=米インディアナ州ゲーリー(撮影・鍋島明子、共同)


聖歌隊が熱唱するゴスペルソングが、集まった信者たちの心と体を揺さぶる。「ジーザス!」「ロード!」。興奮が高まると、人々は叫び、手をたたき、足を踏みならす。その音が歌声と一つになり、礼拝堂の高い天井まで響き渡った。


▽霊歌


米インディアナ州ゲーリーのマウント・モライア・バプテスト教会。黒人街にあるこの教会の日曜礼拝は、「静かに聖書を読む」といった一般的な教会礼拝とはかなり様相が異なる。まるで、コンサートのようなのだ。

20人ほどの聖歌隊を従えた女性歌手が祭壇前に立ち、オルガン、ドラム、エレキギターで編成したバンドが祭壇を取り囲む。牧師の説教や信者の祈りの間に「セレクション」という時間があり、ゴスペルの名曲が次々と大音量で演奏される。

ソロ担当の46歳の女性歌手フィリス・ホールは7歳から歌い始めた。豊かな腰回りが声量を支えている。「幼いころから祖母に連れられて教会に通った。初めて聖歌隊で歌った時は少し怖かったけど、とても気分が良かったのを覚えている」

ゴスペルソングのルーツは黒人霊歌だ。アフリカ大陸から奴隷として米国に連れて来られた黒人たちが、主人が寝静まった夜中、ひそかに集まって祈り、歌った。この世に生きることの苦しみと、死後に天国で救済される願いを歌詞に込めた。

例えば「誰も知らない私の悩み」という霊歌はこうだ。「私は時に落ち込み、ほとんど地に倒れそうになる(中略)友達に伝えてくれ、私もすぐに天国へ行くからと」

ホールは、祖先たちの歴史を振り返った。「彼らは過酷な体験によって信仰に目覚め、それを霊歌として表現していった。奴隷制は、ゴスペルだけでなく、ほとんどの黒人音楽に大きな影響を与えている」

パスターと呼ばれる教会の指導者で62歳のマリオン・ジョンソンは「教会で最も重要なのは牧師の説教だが、その次に重要なのは音楽だ」と言い切った。低音でよく響く声が人を引きつける。「音楽は信者を神のもとへと導いてくれる。うちひしがれている人も歌によって力がみなぎり、祈ろうという気持ちになるんだ」



▲多くの有名黒人歌手が、ゴスペルソングを聞いて育った。聖歌隊のコーラスが始まると、参列者席の女の子が立ち上がり、歓声を上げた=米インディアナ州ゲーリー(撮影・鍋島明子、共同)


▽犯罪


ゲーリーは、全米一の製鉄会社USスチールが20世紀初頭に工場を設立して栄えたが、1960年代から不況に伴う人員整理で失業者が徐々に増加。今では街の中心部はシャッター街になり、店舗や住宅の跡地には雑草が生い茂っている。

人口約10万人の80%以上を黒人が占める。365ある教会は黒人社会の精神的支柱だ。信者の信仰上の悩みだけでなく、生活上のさまざまな相談にも応じている。

この日の礼拝は「シングル・デー」と名付けられ、説教や祈りの中でシングルマザーの子育ての問題が取り上げられた。

黒人のシングルマザー家庭は多く、全家庭の半数を超える。父親のいない子どもたちにとって、教会指導者のジョンソンは、実の父親のような存在だ。「子どもたちのバスケットボールの試合にも、卒業式にも出席しているよ」

ゲーリーは、全米でも有数の犯罪発生率が高い街だ。ジョンソンは、犯罪に手を染めた少年たちのために警察署や刑務所も訪れる。「問題を抱えた人間にこそ神の教えが必要だ。人は外見ではなく、内面がいかに大切かを彼らに教えている」

米国社会に根強い人種差別も黒人教会が扱う問題の一つ。同じ中西部ミズーリ州ファーガソンで8月、白人警官が黒人青年を射殺し暴動が起きた事件について聞くと、「いまだに皮膚の色だけで人を差別する者がいる」と怒りを隠さなかった。


▽陶酔


日曜礼拝の途中、白衣とナースキャップ姿の女性信者2人が祭壇脇に座っているのに気づいた。ゴスペルを聞き、歌っているうちに、宗教的な興奮と陶酔感が高まり、気を失う信者がいるので、待機しているのだ。

この日も聖歌隊のコーラスが最高潮に達した時、参列者席で立ち上がり「ハレルヤ!ハレルヤ!」と、うわ言のように叫びながら、体を震わせる女性信者がいた。

この教会では昔から歌い継がれているゴスペルを演奏するが、最近は、ヒップホップ風のゴスペルも生まれ、若い世代の人気を得ているという。

「私は嫌い。まるでダンスミュージックみたいだから」。40年近く教会で歌ってきたフィリス・ホールにとって、ゴスペルは何よりもまず、神と共にある音楽でなければならない。

“ソウルの女王”アレサ・フランクリンや女優としても活躍したホイットニー・ヒューストンらソウルミュージックの有名歌手の多くがゴスペル出身だが、ホールは「私が尊敬しているのはマヘリア・ジャクソン」と言う。教会を中心に宗教音楽としてゴスペルを歌い続けた伝説の歌手だ。

「歌を通して神を賛美し、神に仕えている。私たちにとってゴスペルは人間としての礎になっているんです」ホールはかみしめるように言った。

(敬称略、共同通信編集委員 藤原聡)
=2014年10月15日


メモ

近くにマイケルの生家

ゲーリーのマウント・モライア・バプテスト教会近くの住宅街に、白い板壁の小さな家がある。
〝キング・オブ・ポップ〟と呼ばれるスーパースター、マイケル・ジャクソンの生家だ。マイケルの父親は、地元の製鉄所のクレーン運転士として働いていた。

庭には記念碑が立ち、フェンスにはファンが寄せ書きするボードが掲げられている。5年前にマイケルが亡くなった後も、訪れる人が絶えない。

オハイオ州から車で6時間かけて来た47歳の女性は「15歳のころからずっと憧れてきた。マイケルが死んで2カ月後、彼の顔を右の背中と脚に彫った」と涙声で話し、タトゥーを見せてくれた。




【祈りよ力に】<米国>神のもとへと導く歌声 黒人教会に響くゴスペル : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)

http://www.47news.jp/47topics/e/261772.php










▲「一生の責任持つ、実感」

2015.2.14



【アルファとオメガ】建国以来の2つの理念 「自助努力」と「弱者救済」

2015-02-12 04:28:28 | Weblog
▼自国の「建国・独立の日」を正しく
答えられた人の割合 2割未満
(産経新聞 2015.2.11)







わたしはアルファであり、
オメガである。最初の者にして、
最後の者。初めであり、終わりである。


ヨハネの黙示録/ 22章 13節
新約聖書 新共同訳




過去になく未来に
起こる保証もない。

過去においてもトリクルダウンは起きなかったし、
未来においても起こる保証はどこにもない。

トマ・ピケティ
(2015.1.31 日本人記者クラブにて)









※世界的な格差拡大に警鐘を鳴らす本が全世界でベストセラーとなる。
(『21世紀の資本』トマ・ピケティ著)


▲画像は、2015年2月2日の
「NHKクローズアップ現代」に
出演のもの。

https://m.youtube.com/watch?v=A6wJIV56mBg



★真っ向から対立する米国建国以来の2つの理念

「自助努力」と「弱者救済」


◆日経ビジネスオンライン 2014年12月03日 高濱 賛

 米国は、「対立」の状態を通り越して、今や「2つの国家」の様相を呈している。保守派の主張はこうだ。「大統領になればどんな難問でも解決できるというオバマの空手形を信じた無知な有権者がオバマを選んだ。オバマは今やレイムダック。これからの2年、米国は南北戦争以来の最も危険な時代に入ろうとしている。その存続すら脅かされている」。
("America faces most dangerous two years in 150 years," Charles Hurt, Washington Times, 11/5/2014)

▼「南北戦争以来の危険水域に入った」

 一方、リベラル派の主張はこうだ。「オバマは、すべての市民に益をもたらす社会経済的システムの構築を目指した。この夢は共和党の『醜い勢力』によって破られてしまった。これはオバマの敗北と言うより、もっと大きく深いアメリカの真の夢が壊されたことを意味する」
("The Two-Sided Dynamic of Our National Crisis," Andy Schmookler, Huffington Post, 11/20/2014)

 保守派がオバマ大統領の「独りよがり」と「権力乱用」を批判すれば、リベラル派は「解体屋と化した共和党の破壊的政治手法」を激しく非難する。もはや妥協の余地はない。

 高校で米国史を30年間教えてきた元教師、ケネス・ローリン氏(70)=ロサンゼルス近郊在住=は筆者にこう述べる。「公民権運動やベトナム戦争の時ですらここまでの分裂はなかった。とにかく、中高年の白人層と、有色人種(黒人、ヒスパニック)及び白人過激派リベラルとの意見の食い違いは広がる一方だ。北米大陸に『2つの国家』『2つの政府』が存在しているようなものだ」。

▼「自助努力」か、「弱者救済」か

 米国という国家がよってたつ2つの理念。それが真っ向から激突している。しかも、この亀裂が産む「2つの国」の狭間に築かれた「人種の壁」が話をより複雑にしている。

 第1の理念は、建国以来(あるいは建国以前の植民地時代から)、個々の米国民に求められてきた「自助努力」の精神だ。平たく言えば、「働かざるもの食うべからず」。一生懸命働けば、この新天地で必ず夢はかなえられる。まさに「アメリカン・ドリーム」の原点だ。共和党はその精神を基本に「自助自立」政策を重視、「小さな政府、自由競争社会」を目指してきた。

 もう1つの理念は「弱者救済」。「弱きもの、貧しきものを助ける」というキリスト教に由来する助け合いの精神だ。フランス人政治学者、アレクシ・ド・トクヴィルは、その著書「アメリカにおける民主主義」(1835年)の中で、これを「Voluntary associations」(篤志的な付き合い)と名づけている。「社会生活の向上を目指して、個々人のイニシアチブによって行われる相互扶助精神」だ。リベラル派はその精神を政府の福祉政策や貧困対策に盛り込むことに重点を置いてきた。
("Democracy in America," Alexis de Tocqueville)

 米国という多民族国家では、「人種問題」がこの2つの対峙する理念に纏わりついて離れない。「肌の色」は依然として社会における不平等を生み、それが貧富の差となり、不満分子による犯罪へとつながる。当然のことながら保守派は「法と秩序」を前面に押し出す。リベラル派は犯罪を生まぬための福祉・雇用政策の必要性を訴える。


 黒人の中にはいくら「自助努力」をしても貧しさから抜け出せないものもいる。リベラル派は、自分たちが政権をとれば、雇用や教育の面で平等を促進する規制や制度を拡充できる、と訴え続けてきた。オバマ政権が推し進めようとしてきた医療保険制度改革(オバマケア)や移民法改正といったアジェンダは、「弱者救済」政策の一環といえる。

 中間選挙の結果、上下両院を共和党に制覇されたオバマ大統領は、議会の審議や承認を必要としない「大統領令」(Executive Order)で自らの公約を実現させる構えを見せている。これに対し共和党は議会での審議を通さないのは大統領特権の乱用であり、憲法違反だとして大統領弾劾すら口にし始めている。共和党がオバマケアや移民法改正に真っ向から反対している論拠は、まさに「自助努力」と「自助自立」にある。

 どちらが正しいか、その判断は難しい。どちらも米国という国家がよって立つ基本精神をそのバックボーンにしているからだ。

▼黒人青年を射殺した白人警官の行為は「正当防衛」

 ワシントンでの保守とリベラルの対決をよそに、「人種の壁」と「法と秩序」とが真っ向からぶつかり合ったのが、米中西部ミズーリ州セントルイス郡ファーガソンで起きた白人警官による黒人青年射殺事件だった。ファーガソンは大都市セントルイスに隣接する人口2万1000人のちっぽけなコミュニティで、人口の7割弱を黒人が占める。ただし、セントルイス郡全体の人口は白人が70%、黒人は23%。そのため郡関連の行政機関や治安機関のトップはすべて白人が占めている。

 事件発生から3カ月たった11月24日、郡の大陪審は警官の不起訴を決めた。大陪審の構成は白人9人、黒人3人。陪審員の数は、郡の人口に比例するため、白人が多数を占めた。郡検察は大陪審での審理、評決の全容を公開した。それによると、窃盗容疑をかけられていた黒人青年がパトロール中の白人警官と口論になり、最初に手を出した。身の危険を感じた警官は黒人を射殺した。正当防衛ということで不起訴となったのだ。

 この評決が郡レベルで覆されることはない。が、司法省は別途、事件の全容解明を急いでいる。ただし、白人警官を公民権法違反で起訴し有罪判決を下すには、この警官が黒人青年の権利を意図的に侵害したと証明する必要がある。その立証が極めて難しいことはホルダー司法長官(黒人)も認めている。

 大陪審の評決に黒人の怒りが爆発した。警備に当たった警官隊と直接対決することは避けたが、黒人たちは市内の商店に火をつけ、商品を略奪。逮捕者は11月25日時点で80人を超えた。

 黒人の怒りは、震源地ファーガソンだけではなく、ニューヨークやロサンゼルスなど全米各地170カ所に波及し、抗議集会が催された。デモや集会の様子を伝えるテレビ画面には黒人ばかりでなく、若い白人の姿も映し出された。だが、この模様を放映するテレビを苦々しい思いで見ていた白人保守派が全米各地にいたことは一切報道されていない。この点を見逃すわけにはいかない。

 白人の反応を知ろうと、サンディエゴに住む旧知の退役軍人に電話すると、「今家族でテレビを見ている。奴ら(黒人)は火事場泥棒だ。何かあると商店を襲撃しては盗みを働く。メディアもセンセーショナルに大騒ぎするだけで物事の本質を伝えようとしない」と吐き捨てるように言っていた。


▼白人の38%は「不起訴支持」、非白人の58%は「起訴支持」


 大陪審が評決を示す以前から国論は2つに分かれていた。CNNの世論調査では、「白人警官を起訴すべきだ」と答えた白人は23%、非白人(黒人、ラティーノ、アジア系)は54%。逆に「起訴すべきでない」と答えた白人は38%、非白人は15%といった結果が出ている。非白人の5割強が起訴を唱えているのに対し、白人の4割近くが不起訴評決を支持している。



▲起訴されるべき 不起訴が妥当
白人 23% 38%
非白人 54% 15%


("Poll finds racial divide over Wilson charges," Eric Bradner, CNN, 11/24/2014)

 保守派コメンテイターのダニス・プランガー氏は、何が正しいかは人種問題」ではなく、「モラル(良心、倫理観)の問題」だと主張する。「黒人青年を射殺した白人警官が不起訴になったことをめぐって抗議や暴動が起こっている。白人警官だから、とか、白人が多数を占める大陪審の評決だから、とか、こうした事件になると、つねに人種的な固定観念が前面に出てくる。真実は2つに1つ。撃った警官が証言しているようにモラルにかなった行動だったのか、あるいは射殺したことに正当な理由がなく、モラルに反する行動だったのかだ」
("A Moral, Not Racial, Divide over Ferguson," Dennis Prager, National Review Online, 11/25/2014)

 さらに共和党・保守中道派のルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長 は、市長時代の経験を基にテレビ討論の席でこう語る。「黒人やラティーノの住むマイノリティ・コミュニティほど犯罪率は高い。殺された黒人の93%は黒人によって殺されている。黒人同士殺し合いをしないのであれば、その地域に白人警官が行く必要はない。ファーガソン事件を論ずるにはこうした事実関係も配慮に入れねばならない」。
("Rudy got it right: Cops save minority lives," Bob McManus, New York Post, 11/24/2014)

 オバマ政権になって黒人が非黒人に射殺され、加害者が大陪審で不起訴になった事件として、12年に起きたフロリダ州オーランドのケースがある。撃ったのは自警団員と称するラティーノと白人の混血青年だった。不起訴の評決を受けて、地元はもちろん全米各地で黒人が抗議デモを起こしたが、暴動には至らなかった。「大統領が黒人のオバマだから黒人は自制したのだろう」(主要紙記者)という声を当時聞いた。


▼「オバマにも失望した黒人たち」の憤りが爆発

 それが今回、どうして黒人は暴徒化したのか。しかも「オバマ大統領がテレビ中継で市民たちに冷静さを求めている真っ最中にも黒人たちは商店に火をつけ、商品を略奪し続けた」(地元紙セントルイス・ポストーディスパッチ)。
("President Obama calls for peace in wake of Ferguson decision," staff reports, St.Louis Post-Dispatch, 11/24/2014)

 著名なテレビ・コメンテイターのロー・ダブス氏はテレビ番組で次のように指摘している。「ファーガソンが緊迫している理由は経済問題にある。この町の黒人失業者の数は白人の3倍だ。市全体の失業率は13%と全米平均の2倍以上に上る。年間所得の平均は1万ドル、これは全米平均の3分の1以下だ。この責任は州政府、郡当局、そしてなによりも大統領たるオバマの責任だ」
("Black unemployment three times higher in Ferguson, because of Obama, Lou Dobbs claims," Derek Tsang, www.politifact.com, 8/21/2014)

 オバマ政権になって黒人の生活環境はむしろ悪化している、と主張する黒人ジャーナリストもいる。デロイ・マードック氏はこう指摘する。「黒人成人の労働力率(Labor-force-participation rate)はオバマが大統領になる前の時点の63.2%から14年4月には60.9%に下がっている。さらに16~19歳までの黒人の雇用率は29.6%だったのが14年4月には27.9%と落ちている。さらに黒人貧困層は25.8%から27.2%に上昇した」。
("Black Americans Are Worse Off Under Obama," Deroy Murdock, National Review Online, 5/16/2014)

 08年1月、バラク・オバマ第44代大統領の就任式を感動しながら見守った米主要紙の政治記者(黒人)は、慎重に言葉を選びながらこう筆者に語った。「あの時の熱気はどこへ行ってしまったのだろう。確かに世論調査で聞かれれば黒人の86%はオバマ支持と答えている。しかし陰ではオバマのことをボロクソに言っている。黒人大統領が俺たちをこの貧しさから救い出してくれると信じていたのに、裏切られたというのがホンネだ。『何人もの黒人を閣僚やホワイトハウス高官に登用したって、草の根の自分たちの生活はいっこうによくならないじゃないか』というのだ」。

 同記者はこう続ける。「ファーガソンでの放火や略奪は、半分は、オバマに対して怒りをぶつけたものといえないだろうか。ある黒人牧師は私に皮肉っぽくこう言ったよ。『オバマがレイムダックだって、冗談じゃないよ、あいつはデッドダックさ』」。

 「2つの国家」は、それぞれの「国家」の内部でも、対立が生じ始めたように感じられる。


⬛️著者プロフィール

高濱 賛

在米ジャーナリスト
米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。



(真っ向から対立する米国建国以来の2つの理念
:日経ビジネスオンライン2014年12月03日 高濱 賛)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20141201/274491/







▲『新資本論』トマ・ピケティ 著

【生きながらえ、】氷点下10度の海で信者ら沐浴 露全土、130万人が参加へ ロシア正教の伝統行事

2015-02-11 01:06:15 | 今日の御言葉
▼自分のチョコ「一番高く」(日本橋高島屋=東京都中央区)



すなわちわたしは、

きょう、あなたにあなたの神、
主を愛し、その道に歩み、
その戒めと定めと、
おきてとを守ることを命じる。

それに従うならば、
あなたは生きながらえ、
その数は多くなるであろう。

またあなたの神、
主はあなたが行って取る地で
あなたを
祝福されるであろう。


『‭申命記』‬ ‭30‬章16節 旧約聖書 口語訳‬






★氷点下10度の海で信者ら沐浴 露全土、
130万人が参加へ ロシア正教の伝統行事 - 産経ニュース

◆産経新聞 2015年1月19日


ロシア正教会が、キリストが洗礼を受けた日とされる「主の洗礼祭」を祝う19日、ロシア各地の凍結した海や川、湖などで信者らが斎戒沐浴する伝統行事があった。同日は水が聖水に変わり、飲んだり浴びたりすることで無病息災につながると信じられている。

極東ウラジオストクでは、凍結したアムール湾の氷を十字にくりぬいた特設会場を設置。18日深夜に正教の聖職者が祈りをささげ水に十字架を浸した後、水着姿の男女が次々と氷の浮かぶ海水に入った。

気温は氷点下10度前後で、寒さに大声を上げたり、水中で十字を切ったりする姿も。非常事態省は、ロシア全土3千カ所で約130万人が沐浴すると予測。救急隊員らが待機する会場以外では冷水に入らないことや、自らの身体能力を過信しないよう呼び掛けた。(共同)




▲「主の洗礼祭」を祝う行事で祈りをささげる
ロシア正教会の聖職者と、海に入る信者
=18日、ウラジオストク(共同) 2015.1.19 09:55




★(特派員メモ)悩みが冷水で昇華? 

@ウラジオストク 中川仁樹


◆朝日新聞 2015年2月10日9時30分

 零下10度の夜空の下、水着姿の人々が次々と氷混じりの水に入っていく。全身をいったん水中に沈め、上半身を出して十字を切る。これを3度繰り返す。

 ロシア正教で1月19日は、キリストの洗礼にちなむ洗礼祭。ウラジオストクでも、凍った海に十字の特設プールが設けられ、聖職者が清めた「聖水」の中で、多くの人が祈りを捧げた。

 印象的だったのが、初参加の若者の多さ。オリガ・アルピビナさん(29)は「悩みがあって初めて挑戦した。言葉にならないほど素晴らしい体験だった」と感激した様子で話した。

 ロシア全国でも、今年の参加者は150万人以上と昨年から20万人増えた。ソ連崩壊後、ロシアでは欧米文化の導入が進んだ一方、ロシア正教のような伝統的な価値観を見直す動きも若者の中に広がっているという。

 「理屈で考えるのではなく、体験すれば素晴らしさが分かるよ」と、私も挑戦を勧められたが、厚手のコートを脱ぐ勇気はとてもなかった。いまは、風呂で冷たい水でも浴びて、体を鍛えるべきか思案している。(中川仁樹)


★再びアジアを征服しようとするカトリック - News - 社会・歴史

◆The Voice of Russia (ボイス オブ ロシア日本語版) 2015年1月20日


ローマ法王フランシスコは今回の訪問の半年前に韓国を訪れた。ローマ法王の韓国訪問は25年ぶりだった。バチカンはなぜ今、これほどアジアに関心を持って いるのだろうか?東洋学者で歴史家のウラジーミル・コロトフ氏は、欧州におけるカトリック教会の権威失墜が理由だとの考えを表し、次のように語っている。

「欧州におけるカトリック教会は、深い危機に陥っている。西洋社会の完全なる道徳的水準の低下、キリスト教を含む宗教的聖人の愚弄などが見受けられる。バチカンはこれらの状況の中で、世界的発展の牽引役であり、巨大な人的および物質的ポテンシャルを有しているアジアへ関心を向けずにはいられないのだ。しかしアジアにとってカトリックは敵であり、残酷で、無慈悲なものだ。カトリックはアジアで、植民地支配と一緒に進歩を遂げた。カトリックの主な目的は、地元住民の宗教的アイデンティティを変え、民族精神や抵抗する意思を抹殺することだった。カトリックに改宗させられた原住民たちは、争わず、ストライキも起こさず、解放運動を組織することもなかった。カトリックへの改宗の最初の犠牲者となったのがフィリピン人たちだった。16世紀、征服者たちはカトリック教徒になることを拒否した人たちを全て殺害し、カトリックを受け入れた人々で傀儡政権の未来のメンバーを形成した。未だにアジアの外交力はカトリック教徒たちに頼っている。例えば、ベトナムの親米傀儡政権の全指導者がカトリック教徒だったのも、偶然ではない。しかし、バチカンにとって再びアジアを征服するのは容易なことではないだろう。カトリックは、大乗仏教が信仰されているアジア諸国でしか根付いていない。小乗仏教が広まった国では、カトリック導入の試みは成功しなかった。」

アジアにおけるカトリックの主な伝道者となったのは、イエズス会だった。イエズス会員たちは、「カラー革命」や気に入らない政権の転覆を準備している人々が現在使用している技術を用いた。欧州におけるバチカンの基盤が崩れ去ろうとしている今、バチカンは、大きな人的および経済的資源があるアジアへ、自分たちの使節団を派遣している。


| vostok@ruvr.ru

(The Voice of Russia (ボイス オブ ロシア日本語版) 2015年1月20日)





▲『世界を操る支配者の正体』 (馬渕睦夫)