「うわっ、もうこんな時間だ。急がないと…」
なんとか今日兄さんとの約束を取り付けたっていうのに、遅れちゃて兄さんの機嫌損ねたら元も子もないからな。
俺は慌てて家を後にすると、宿舎に向かうためタクシーを拾おうと大通りに出た。
「あー、こんな時になんで…」
なかなか捉まらないタクシーを目で追いかけてると、視界の端っこに小さな赤いボールを拾おうと路肩に入り込んだ女の子が見える。
「あぶないっ」
咄嗟に俺は女の子を抱きかかえると、そのまま歩道に身を投げた。
「痛っ」
「大丈夫ですか?」
「あっ、ハイ」
先ほどの女の子とその母親らしき女性が心配そうに俺を覗き込んでいる。
見覚えのない天井…
どうやら俺は頭を強打して、病院に運ばれたようだ。
「気が付いたようだね。気分はどうかな?」
薬品のツーンとするにおいを身に纏った白髪の医者が俺に聞いてきた。
「大丈夫です。このまま帰れますから」
起き上がろうとする俺の身体を止めると、
「頭を強く打ったようだから、1日様子を見なければ。連絡先と名前を教えてくれないか?」
そう俺に優しく尋ねた。
「えっと…チェ・シウォンって言います。電話は……えっと…02-781-1212」
あれ?なんか変な感覚だな…
頭の奥に濃い霧がかかっているような。
たまたま電話を取った俺は、無我夢中で病院まで駆けだした。
病院に着くとベッドの上のシウォンはスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている。
よかった…心配ないな。
俺はホッと胸をなで下ろした。
こうやって見るとホント シウォンって整った顔してるよな。
まじまじと顔を覗き込んでいたら、シウォンが目を覚ました。
「シウォン、びっくりしたよ。どうだ?気分は?」
「………」
「どうした?気持ち悪いのか?」
いつもは“兄さ~ん”って抱きついてくるシウォンが、黙ったまま俺をただ茫然とながめている。
「えっと…どちら様ですか?」
「はぁ?何言ってんの?おいっ、大丈夫か?」
シウォンの肩を掴んで乱暴に揺らしていると、
「頭を強く打ったようで、記憶が途切れている可能性があります」
医師らしき人が後ろから声をかけてきた。
「えっ?記憶が?ウソだろ?俺のこと忘れてるのかよ」
信じられねぇよ。いつでも、どんな時でも俺のことを追っかけてくるお前が…
申し訳なさそうな顔して俺のことを見ているシウォンを、俺は優しく抱きしめた。
突然病室にやってきたキレイな男の人。
俺のことを知っているらしいんだけど…
思い出そうとすると頭がズキンと痛む…
ああ、誰なんだろ…
って記憶を巻き戻そうと必死になっている俺を、その人が優しく包み込んだ。
ふわっといい香りが俺の鼻をくすぐった。
この匂い…知っている…とてもとても大切な…
………
あっ、ヒチョル兄さん! そう、ヒチョル兄さんだ。
俺を抱きしめている兄さんは泣いているようで、兄さんの身体が小刻みに震えている。
俺のために泣いてくれるの?兄さん。
いつでもふわふわとどこかへ飛んでいる兄さんを捉まえる俺なのに、今日はこうやって兄さんに強く抱きしめられてる…
あまりにも気持ち良いから、兄さんには悪いけど、思いだしたことしばらく黙って置いていいかな?
今日は特別な日。神様も許してくれますよね?
なんとか今日兄さんとの約束を取り付けたっていうのに、遅れちゃて兄さんの機嫌損ねたら元も子もないからな。
俺は慌てて家を後にすると、宿舎に向かうためタクシーを拾おうと大通りに出た。
「あー、こんな時になんで…」
なかなか捉まらないタクシーを目で追いかけてると、視界の端っこに小さな赤いボールを拾おうと路肩に入り込んだ女の子が見える。
「あぶないっ」
咄嗟に俺は女の子を抱きかかえると、そのまま歩道に身を投げた。
「痛っ」
「大丈夫ですか?」
「あっ、ハイ」
先ほどの女の子とその母親らしき女性が心配そうに俺を覗き込んでいる。
見覚えのない天井…
どうやら俺は頭を強打して、病院に運ばれたようだ。
「気が付いたようだね。気分はどうかな?」
薬品のツーンとするにおいを身に纏った白髪の医者が俺に聞いてきた。
「大丈夫です。このまま帰れますから」
起き上がろうとする俺の身体を止めると、
「頭を強く打ったようだから、1日様子を見なければ。連絡先と名前を教えてくれないか?」
そう俺に優しく尋ねた。
「えっと…チェ・シウォンって言います。電話は……えっと…02-781-1212」
あれ?なんか変な感覚だな…
頭の奥に濃い霧がかかっているような。
たまたま電話を取った俺は、無我夢中で病院まで駆けだした。
病院に着くとベッドの上のシウォンはスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている。
よかった…心配ないな。
俺はホッと胸をなで下ろした。
こうやって見るとホント シウォンって整った顔してるよな。
まじまじと顔を覗き込んでいたら、シウォンが目を覚ました。
「シウォン、びっくりしたよ。どうだ?気分は?」
「………」
「どうした?気持ち悪いのか?」
いつもは“兄さ~ん”って抱きついてくるシウォンが、黙ったまま俺をただ茫然とながめている。
「えっと…どちら様ですか?」
「はぁ?何言ってんの?おいっ、大丈夫か?」
シウォンの肩を掴んで乱暴に揺らしていると、
「頭を強く打ったようで、記憶が途切れている可能性があります」
医師らしき人が後ろから声をかけてきた。
「えっ?記憶が?ウソだろ?俺のこと忘れてるのかよ」
信じられねぇよ。いつでも、どんな時でも俺のことを追っかけてくるお前が…
申し訳なさそうな顔して俺のことを見ているシウォンを、俺は優しく抱きしめた。
突然病室にやってきたキレイな男の人。
俺のことを知っているらしいんだけど…
思い出そうとすると頭がズキンと痛む…
ああ、誰なんだろ…
って記憶を巻き戻そうと必死になっている俺を、その人が優しく包み込んだ。
ふわっといい香りが俺の鼻をくすぐった。
この匂い…知っている…とてもとても大切な…
………
あっ、ヒチョル兄さん! そう、ヒチョル兄さんだ。
俺を抱きしめている兄さんは泣いているようで、兄さんの身体が小刻みに震えている。
俺のために泣いてくれるの?兄さん。
いつでもふわふわとどこかへ飛んでいる兄さんを捉まえる俺なのに、今日はこうやって兄さんに強く抱きしめられてる…
あまりにも気持ち良いから、兄さんには悪いけど、思いだしたことしばらく黙って置いていいかな?
今日は特別な日。神様も許してくれますよね?
ちょっとだけそうやってレラ姉さんをオロオロさせておいてください(笑)で、絶対すぐに「オレのことを思い出さないなんて!!」と逆ギレされるに決まっているので、そのときまで目いっぱい心配させてやりましょう~。そのかわり!その後はいつもの何倍も気を使わないといけないと思いますけどね~(笑)
あぁ~、甘い。甘くてこういうの大好きです~。むふふ~。
たまには心配してもらわないと!いっつもしうぉにはみんなを追っかけてるから。
姫は感がイイのでこの後すぐに気づいちゃうんですけどね(爆)その後は…アーメン
大きく出たわりに5つしか書けなくて^^;まぁ、私の脳はそんなモノです(><)