HAPPY SLOW LIFE

重度知的障害をともなう自閉症の双子の息子の、のんびり、まったりの成長日記。

最後の1年

2010年10月18日 | 日記
 10日ほど前に誕生日を迎えた私は、39歳になりました。
 30代最後の1年です。

 この10年というのは、大きかったですねえ。
 10年前、
 29歳のときは、自分で自分のことを「おばさん」と言うのも、8割がた謙遜でね。

 それが10年後、
 あーらびっくり、どこからどう見てもおばさん、立派な中年ですよ。
 10年前にはなかった、白髪、シワ、シミ、肌のたるみ・・・
 朝起きて、鏡の中の自分を見て、愕然とする毎日。

 まあ、この10年というもの、
 プチおばさんを「ど中年」に変えるには十分すぎるほど激動の10年でしたからね。

 
 さて、30代最後の1年、
 思い残すことのないよう、充実したものにしたい。
 
 思い残すことはない?
 やり残したものはない?

 そう自分に問いただして、まず最初に思いついたこと。

 「紺色のダッフルコートを着たい」

 えー、なにそれぇ、そんなこと?
 という無数の声が聞こえるー

 いやほんと、真剣に。
 ずっと昔、10代の頃からあこがれだったんです、紺色のダッフルコート。
 いいなあ、かわいいなあ、って。
 でも、なかなかタイミングが合わなくて。

 高3の冬、初めてお年玉をはたいて買ったのは、黒のAラインのロングコート(2万9千円也)。
 当時、ロングコートがはやっていたんですよねー。

 その後は、貯金に必死でおしゃれなんてどうでもよかったり、若い子にありがちな、「大人っぽいものを着たい」とダッフルコートなんて眼中になかったり、ピーコートブームが自分の中で続いたり。

 子どもを産んでからは、そんなウールのコート着てお出かけする時間も余裕もなく、汚れてもOKなダウンジャケットオンリー。
 余裕がでてきたここ2年は、便利なモッズコート。

 さあ、今年の冬はどうする?
 
 そう思ったとき、一番に頭に浮かんだのが、紺色のダッフルコートでした。
 着たい。
 どうしても。
 30代の最後に。

 たぶん、今年買わなかったら、アウト。
 来年になったら、「40歳で新たにダッフルコートを買う自分」が申し訳なくて(誰に?)、買えなくなる。
 いやぁ、もう、今更いいわー、って。

 で、私のことだから、
 あのときダッフルコート買っとけば良かった、着たかったのに、夢だったのに・・・
 って、60になっても80になっても、ずーっと思うの。

 そうならないために。

 買っちゃいましたー!
 念願の、紺色のダッフルコート。
 お姑さんからいただいた、お誕生日のお小遣いで

 お義母さん、ありがとーっ!

 うふ
 ショート丈なんだけど、そこまでめちゃくちゃショートというわけでもなく、ちびっこの私にはちょうどいい感じ。

 しかし、そこそこのお店で、かわいいコートを買って、1万円でおつりがくるとは。
 いい時代になったものですねえ。
 
 いくら「いいものですよ、長く着れますよ」と質のよいものを何万も出して買ったとしても、2、3年もすれば型が古くさくなって着なくなってしまうんですから、そこそこの値段でかわいけりゃいいんです。

 でも、私が初めて高3で買った黒のロングコートは、お値段のぶん仕立てがそれなりによくて、めったに出番はないけれど(5年に1回くらい?)、フォーマルの上に羽織ったりして、いまだ現役です
 
 さて、
 今回買った、ダッフルコート。
 ちょっとそで丈が長いなー。
 店員さんに「お直ししましょうか」って言われるかなー。
 でも、お直し代って結構するよなあ。別に今のままでもいいんだけど、どうやって断ろう・・・

 と思っていたのですが、店員さん、お直しの「お」の字も口先をかすめず、さっさと袋詰め。
 まあ、これも今どき、お値段相応ってことね。


 新しいコートがうれしくて、久々にファッション雑誌を買っちゃいました。
 悠太・光太のお迎え前、コンビニで。

 悠太・光太が車に乗り込むと、助手席にコンビニのビニール袋。
 早速、光太チェックが入ります。
 光太、目がきらり~ん
 あ、やばい

 帰宅後、早速、コンビニのビニール袋をゴソゴソする光太。
 ちょうど私はそのとき手を離せなくて、光太を阻止することはできなかったのですが、
 いや、大丈夫。
 あの雑誌は、紐でくくられていたはず。
 光太にはどうすることもできないだろう。
 うはははは。
 
 その直後、
 新しい雑誌をうれしそうに手にして持っていく光太の姿が。
 
 えー、なに?どうしてー???

 後で見てみると、
 雑誌は紐でくくられているんじゃなくて、輪ゴムをはめられていただけでした。
 えーん。
 お母さんの新しい雑誌、返してー

 そうやって、お母さんが読む前に光太が持っていった雑誌がどれだけあるか。
 最新刊のオレンジページ、あんた、どこやったのよー!
 あれ、私、まだ読んでないのよー!

 取り返したいのはやまやま、でも、無理矢理奪って、「ギャー!」ってなったら、後々面倒くさいし・・・ 
 ここはひたすら、忍の一字。

 台所仕事をしつつ、しばらくして、ふと子どものほうを見ると・・・
 えーん、雑誌、悠太が持ってるー

 私が手にする頃には、きっと手垢でよれよれね。
 私のおしゃれ心を阻む悪童どもっ。
 お母さんは負けないわよー!

 


溺愛

2010年10月17日 | 日記
 これを溺愛というのだなー、と、つくづく思う。
 悠太に対する、この想い。
 もともと悠太贔屓ではあったのだけど、最近、その傾向に輪がかかっている。

 悠太がかわいい。
 もう、切ないほど、胸がきゅーんとなるほど。
 それはまるで、恋。

 言葉がないからこそ、その瞳で、全身で、思いを伝えてくれる。
 「お母さん、大好き!」
 全幅の信頼を寄せてくれる。
 一分の疑いもなく。

 夫婦関係が冷えた今(え)、この世で一番私のことを愛して、気遣ってくれているのは悠太だと、確信を持って言える。
 (光太はお父さん命だしねー

 ああ、悠太。
 愛しい悠太。

 悠太がどれだけかわいくていい子か、熱弁をふるう私に、ママ友はくすっと笑って、
 「本当に、悠太くんのことが好きなんじゃねえ」

 そうよ、本当に悠太のことが好きなのよっ。

 熱弁をふるわなければいけないのは、悠太のかわいさがわかりにくいから。
 学校の参観日で見る悠太は、いつもやる気ナッシングの仏頂面で、
 「にこりともしない悠太くん」(ママ友評)。

 ああ、どうしたら伝わるだろう、この悠太のかわいさが。

 
 けど。
 神よ(いきなり神?)、告白します。
 悠太がかわいい、かわいい、と言っていたのは、最初は自分に暗示をかけるためでした。

 いきなり太り始めた悠太。
 見た目に、どんどんきっつくなっていく。
 あの妊婦のようなおなか、今やすっかり二重顎のぱんぱんの顔、ただでさえ大きくない目は、すっかり肉に埋もれ・・・

 こんな外見の悠太でも、かわいいんだ、かわいいんだ、と必死に自分に暗示をかけ・・・

 暗示をかけ続けた結果、今やすっかりデブ専。

 ちょっとぽっちゃりな男の子を見ると、もう、親近感わきまくり、「んまー、この子かわいいわー」、って。

 デブ専は種を越えて、
 どっかと座って笹をもしゃもしゃ食べるパンダなんて、「んまー、悠太そっくり」と身もだえせんばかり(ま、パンダは誰が見てもかわいいですが)、
最近のアクアスブログで紹介されていた「換羽期に限度を超えた太り方をしているジェンツーペンギン二番さん」に「仲間、仲間」と大笑い。
 (ペンギンも、いくらデブでもかわいいですが・・・
 
 なんかね、ぽっちゃりちゃんならではの、
 「焦らない、焦らない。のんびりいこうよ」的な穏やかな空気が、すごーく和むんですよね。
 (ああ、なんてデブ専的発言・・・

 
 わかってるの。
 今、べったべたにやっているスキンシップも、チューもハグも、できるのはあともうわずかな期間だということ。
 (普通なら、今でもやらせてくれないんでしょうけどね)

 さすがに、自分よりデカくなって、ヒゲも生えて、声変わりした息子に「かわいい、かわいい、チュ~」なんてできないもの。
 できないというより、どんなに溺愛していた母親でも、自然とやりたくなくなるらしいですね。
 「いやーん、キタナい!くさい!ありえなーい」って。

 そうか、キタナいか・・・

 そんなふうになるまで、あともう少し、
 こうやって、悠太のすべすべで、ふかふかのおなかに、顔をうずめていたい。

 溺愛、結構。 

 それにしても、悠太、また背が伸びたか。
 顔が近いぞ。
 私の背を越す日は、きっと、そう遠くないんだろうなあ。

餅は餅屋

2010年10月15日 | 日記
 何年前だったか、いろんな食材が一気に値上がりしたことがありましたよね。
 カップラーメン、マヨネーズ、小麦粉、乳製品・・・
 バイオ燃料がらみのことだったかなあ。
 バターが店頭から消えた!なんてこともあったっけ(あれには本当に困った・・・)。

 その後は、リーマンショック発端の不況の影響のデフレで、食材の値上がりもはとめがかかったようですが・・・

 ともかく、その食材高騰のとき、どうにか食費を抑えたくて手をだしたのが、大手スーパーなどが取り扱っているプライベートブランド(PB)の調味料その他。
 質は有名メーカー品とさほど変わらず、お値段お手頃、というのがうたい文句。
 
 それなら、お安いPB商品のほうがいいわよねえ。

 けど実際は、

 何これ、激まず!!

 カレー粉、不味い!
 マヨネーズは、そのままかけて食べるぶんには、我慢できたけど、加熱調理に使うと、まったく別物に変わってしまう。
 洗濯洗剤は、溶けが悪~い!

 そのとき、学んだのでした。
 餅は、餅屋だと。
 だてに、ハーブアンドスパイスじゃない。
 お値段は、そのものの正当な価値なんだ、と。

 学んだはずなのに、
 なぜか私は、お醤油だけは、ドラッグストアの特売で1リットル158円で売られているような激安醤油を使い続けていたのでした。
 お醤油はお醤油よね~、って。
 (さすがに、PB商品のお醤油は買う気になりませんでしたが)

 そんな私が、
 ついつい、出来心で、広告の品だった298円特選丸大豆醤油に手を出してしまったのです。
 それまで買っていたものの、ほぼ倍の値段。
 それも、750ミリリットルで量も少ないし。

 けど、そのお醤油をお料理に使って、びっくり!
 すごいっ!おいし~
 煮物の味が全然違うんです。

 感動と同時に、がっくり。
 やっちまったー
 もう二度と、1リットル158円のお醤油には戻れないじゃないか・・・

 お醤油ひとつをとってみても、お値段とおいしさって、こんなにも比例するものなのですねえ。

 この「お醤油ショック」以来、その他の調味料も、ちょっと背伸びして、ワンランク上のものを手にとるようになりました。
 
 お味噌も、今までのよりプラス100円。
 それでも、ずいぶんおいしい

 最近購入したのが、食塩不使用の料理酒。
 お料理ブロガーさんのブログで取り上げられていて、気になっていたんです。
 まだ使っていないけど、味にどんな変化があるのかな?
 楽しみです。
 
 おいしさと値段が比例するといっても、あくまで家庭料理、どこまでランクを上げるか、どこまでこだわるか。
 その線引きが難し~い

 そのうち、有名店のお取り寄せとかに手をだしたりして・・・
 ぐふふ。

  

 

お勤めご苦労

2010年10月12日 | 日記
 光太の、父への執着は今に始まったことじゃないけれど・・・

 三連休最終日は、夫は出勤。
 父さんがいないからって、あからさまに
 「なーんだ、お父さんいないのかぁ、つまんないのっ」
 な顔をするなーーーー!!!

 前日までの、
 あははっ、うふふっ ボク、幸せ~ 
 な笑顔はどこへ行った!

 布団に横になった父のうえに光太がのっかって、ラブラブビームを放ちながら、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ・・・
 
 エロすぎ
 
 男同士だからいいようなものの(いいのか?)、これが父と娘だったら・・・
 ふるふるふる、しゃれにならん。


 そんな光太の、最近の俺ルール。
 ダイニングテーブルのイスに誰か一人でも座ったら、ほかの誰も座っていないイスも引いて出さなければいけない。

 もー、意味不明。

 ダイニングテーブルのイスに座るのはたいがい私なのですが(子どもはソファ)、私が座るやいなや、光太がダッシュしてきて、ほかのイスもすぐに座れる形にきっちりセッティングしてくれるのです。

 えーと
 お勤め、ご苦労さん。

 ちょっと前は、
 きっちりテーブルに押し込まれたイスの形を乱されるのがイヤだったのか、イスに座ろうとするとぐいぐい押して、しきりに「座っちゃだめ!座るな、座るな」といってきていたのですが(めっちゃ嫌がらせでしょ!)、
 私も大人げないですからね、
 「母さんに意見するとは何事じゃい!母さんが座るといったら座るんじゃい!」
 と返していたら、主旨替えしたみたいで(笑)。

 いろいろ、思うところがあるようで、光太も大変ですね。
 こっちから見たら、どーでもいいことで、眉間にしわをよせちゃって。
 彼にしてみれば、真剣そのものなんですけどね。

 いろいろと面倒くさい光太にとって、父の穏やかさは、なによりも心地よい癒しなんでしょうねえ。
 だからといって、毎度毎度、濃ゆ~いラブシーンを見せつけられたんじゃ、母さんもたまったもんじゃないわー

 
 さて、
 私がイスから立って、イスをおさめずに立ち去ろうものなら、すかさず光太がとんできて、うんしょ、うんしょ、 
「もーっ、お母さんってば、だらしがないわねえ」
 と言わんばかりに、イスをおさめてくれます。
 他のイスも、ぐいぐい、お尻も使ってえいえいっ!
 きっちりとイスがテーブルにおさまって、
 「んっ。よしっ!」

 ・・・毎度毎度、お勤め、ご苦労さん。


 

バイバイ、沖縄

2010年10月09日 | 日記
 沖縄最終日の朝食も、ホテルのバイキング。
 光太はサワラの塩焼きとごはん、悠太は味噌汁にジャーマンポテト大盛り、パンケーキも少し食べました。

 私や夫が食べ物を取りに席を立っている間も、悠太・光太はどこへも行かず、おとなしく待ってくれています。
 なんておりこうさん
 (ま、食べ物が出てくるって分かってますからね。)

 しばらくホテルのお部屋でのんびりして、荷物をまとめてチェックアウトした後は、ホテルに隣接している温浴施設の屋外プールで遊びました。

 この温浴施設、ホテル滞在中は何度でも無料で遊べるということだったのですが、時間的にも体力的にもなかなかチャンスがなく、最終日での利用となりました。

 プールそのものはこじんまりとしたものでしたが、利用客も少なく、悠太・光太が遊ぶには十分な広さ。
 ジャグジーやサウナ、ぬるめのお風呂といったくらい温かいお水のヒーリングプールもあって、ちょっとした温泉気分も楽しめて、大人も子どもも大満足!

 館内には普通のお風呂もあるのですが、私たちが利用したのは屋外施設のみ。それでも、十分すぎるほど遊べました。

 青空の下、青い海を眺めながらのジャグジーは最高!
 ああ、帰りたくない・・・

 といったところで、帰りの時間は容赦なく迫ってくる。

 飛行機の時間は3時。
 レンタカーを返したりの時間もあるので、午前中いっぱいプールで遊んだ後は、ジャスコのフードコートでお昼ごはんを食べて(沖縄でもマックにお世話になりました)、空港へ向けて移動しました。

 さよなら、沖縄。
 子連れの二泊三日ということで、首里城も、国際通りも、免税店でのお買い物とも無縁で、見れるもの、できることはかなり限られたけれど、それでも、とっても楽しい旅行でした。

 今までも何度か一泊旅行をしたことはあるけれど、この沖縄が、ダントツ、楽しかった。
 (かかった費用もダントツですが・笑)

 でもそれは、悠太・光太の成長抜きでは考えられないこと。
 誰が、3年前の悠太・光太を連れて、飛行機に乗ろうなんて考えられたでしょう?
 こんな、楽しい時間をくれた悠太・光太に感謝です。


 私は二度目の沖縄でしたが、前回は14年前、一人旅でした。
 14年もたつと、さすがに那覇の中心部なんかは色々と変わっているのでしょうが、北部のほうは、変わらない景色も多くて。
 ああ、この景色見たな、この道通ったな、と思い出すことも。

 レンタカー借りて、一人で運転していたこの道を、14年後の今、私は助手席に座って、夫が横にいて、後ろにはへっぽこ息子二人。
 なんともいえない幸せな気持ちを、この旅行中に何度もかみしめることになりました。

 一人ではない、幸せ。
 こいつらが、私の家族なんだよなー、と。
 
 今までになく、「家族」を強く意識した旅でした。 

 10年分のご褒美をもらったなあ。


 旅行前、光太が倒れるわ、週間天気予報が3日間どっぷり雨マークで急遽雨の日プランを練らなくてはならなくなるわ、どうなることかと思いましたが、光太も旅行中元気になり、お天気にも恵まれ、結果オーライ。

 結果オーライ・・・
 まさに、計画性のない、行きあたりばったりの私たちの人生そのものだわー
 (まったく計画性がないわけではないけれど、どーも、ドンブリなんですよねー、夫も私も。)
 
 
 旅行から帰って1週間たちました。
 夫の通勤カバンと、私のお財布には、お揃いのシーサーストラップがついています。
 それを見るたび思い出す、沖縄の海の色。

 いつかまた、行けるといいな。
 いつかまた、家族みんなで。