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Casa Galarina(カーサ ガラリーナ)

クヒオ大佐

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★★★★☆ 2009年/日本 監督/吉田大八
<梅田ブルク7にて観賞>

「クヒオになるしかなかった」

女を騙すためにアメリカ人になりきる、つまりいつもの自分とクヒオを使い分けている男の話かと思っていたら、全く違いました。クヒオは、クヒオとして生きるしかなかった。そこが、大変物哀しく切ない。しかも、吉田監督は、そんなクヒオの心の内を示すような演出は敢えてしないのがとてもいいんです。逃亡するクヒオの一連のシークエンスの後、やるせなくて溜まらない気持ちで見終わりましたが、そこを、どんでん返しのオチのように笑わせている。実に巧妙なひねくれ具合。人によっては、弾けきれないコメディのように感じるかも知れませんが、大変私好みの作品でした。

冒頭、アメリカ政府からアフガニスタン派遣の援助金を要求される日本政府が映し出されますが、日本人のアメリカへの憧れ、コンプレックス、そんなものもエッセンスとして巧く組み込まれています。それは、クヒオになるしかなかった男自身の人生にも、クヒオに騙される女にも当てはめられるものです。

何はともあれ、誰が見ても怪しげな風貌のクヒオを堺雅人が堂々と演じていてすばらしいです。クヒオがスクリーンに移る度にニヤニヤしてしまいます。特に、松雪泰子の弟を演じる新井浩文との絡みのシーンは、どれもこれも爆笑です。電話の向こうで「オレだよ」と言われ、アチャーと言う顔をするあの間が絶妙。女たちも「すっかり騙される女」 「何となくヘンだとわかっていながら惹かれる女」「完全に見下している女」 と三者三様でバランスが取れています。 満島ひかり、中村優子ともに、存在感を発揮。松雪泰子はこのところ、弁当屋に勤めている役ばっかですね(笑)。

可笑しさともの悲しさが交互に表れては消える小気味いい演出。そして、エンディングにかけて、盛り上がる逃亡劇。エンタメとしても大変楽しめる娯楽作に仕上がっていると思います。

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コメント一覧

aya
私も見たいんですよ~
http://ayaroji.exblog.jp/
見たい見たいと思ってました、私も。
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の人ですよね、吉田監督って。
この人、CMディレクターですよね~?
CMディレクターの監督作品ってディティールまでよう考えられてて好きです。
あぁ、見に行きたいけど、赤子連れでは無理ですな・・・。
レンタル開始まで待ちます~。
おもしろそうだにゃ~。
あ、そうそう。
熊本から東京に引越しました~。
ガラリーナ
東京どうですか?
ayaちゃん、コメントありがとう!
東京暮らしは順調ですか?

そうそうこの人はCMディレクターみたいですね。「下妻」の中島監督もCM出身だし、最近は結構多いよね。
この作品はお薦めですよ。すごく良かった。
ひねもす
うう、観たいです~!堺さん、あのニヤニヤ顔で
結婚詐欺師って怪しすぎるのに(笑)。
毎度ながら、ガラリーナさんの映画レビューはそそられます。

ところで、そちらも今年はカメムシが多いのですか?
うちも閉口しています。。。
洗濯物に取りつくのは勘弁してもらいたいものです。
ガラリーナ
カメムシ、めちゃめちゃ多いです!
服を着ようとしたら、袖の中やズボンの中に入ってます…orz。

これは面白かったです。
怪しい詐欺師なんですけど、後半哀愁が漂ってきます。
堺雅人がとても巧いですよ。おすすめです。
おさかな
映画は観ていないのですが実際の事件の報道は観ました。
どんな作品なのか?
実際の犯人は70過ぎのお爺さん。
鼻は高かったけど、どうも、何であんな人に騙される?と言う感じでした。
観ます。そそられるレビューを有り難うございました
ガラリーナ
堺雅人
あんな丸わかりの付け鼻付けて、堂々とコミカルに演じきる。堺雅人の良さが全面に出た作品だと思います。
実際は70過ぎだったんですかあ。それは知らなかった。やっぱり、女性達はわかってて騙されてたのかなあ。

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