★★★☆ 1972年/イギリス 監督/マイケル・ウィナー
英国の郊外の大邸宅。下男と家庭教師の淫らな肉体関係。それを日々覗いている幼い姉弟。愛することは憎むこと。愛するものは死をもって繋がる。下男を慕う姉弟は彼らの言動を真似、無邪気な狂気を振るう。いわゆるアンファンテリブルものだが性描写も赤裸々でトラウマ納得の逸品。
本作後にラストタンゴinパリ撮入のMブランドのただならぬ妖気と、子供の心を持ったまま大人になった下男の人物造形が面白い。姉弟がどんどん感化される様は子育ての恐ろしさも感じさせる。そして汚らわしい男だからこそ惹かれる家庭教師の倒錯した愛。愛と憎しみ、清らかと汚らわしさの混沌。