探し物は・・・

何かを探して見つからない時、悲しくなるけれど
探すものがあるって、それだけで、すてきなこと 

予告編を見たあの作品

2009年07月19日 | 日々のことなど

去年の春、『SweetRain死神の精度』を見に行った映画館で、何度も予告編を目にした作品があります。2008年5月に公開された『最高の人生の見つけ方』(BUCKET LIST)。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンという組み合わせもおもしろそうだし、見てみたいなと思っているうちに、いつものことながら上映終了
それが、最近、ケーブルテレビで放映されたので、いつか見ようと録画しておきました。で、最初に見たいと思ってから1年数カ月たってからの鑑賞となったのですが、映画の冒頭から、思わぬ名前の登場にびっくり。
自動車修理工のカーター(モーガン・フリーマン)は、歴史学の研究者になる夢を持っていたというだけあって、博識。それを試そうと職場の若者が、いろいろなクイズを出します。「頭文字がHの大統領5人は?」なんて質問にすらすら答えていたのが、「無線を発明したのはだれか?」という質問には、しばし沈黙。
「本当の発明者か、それとも発明したと一般的に言われている人物か」と問い返し、「本当の発明者なら、ニコラ・テスラだ。」

またまた、予想外のところでテスラ博士の名前に出会いました。なんだか最近、遭遇率が高いです。
この言い方からしても、テスラ博士を知っているのはマニアックなことなのでしょうね。

金城さん作品との薄いつながりもうれしいおまけでしたが、この作品自体、予想していたより、ずっとよかったんですよ。
予告編を見れば、大体、物語の筋も結末もわかってしまいます。それでも、見てよかったと思わせるのは、作品の力でしょうね。

45年間、自動車修理工として働き、家族を養ってきた男と、自分の力だけで巨額の富を手に入れ、3回も離婚経験のある男が、病院で同室となる。本当なら、大金持ちの男は個室に入ってしかるべきなのだが、自分が大口出資者である当の病院で「病院はホテルじゃない。二人一部屋の原則は絶対に守るべきだ」と主張してきたものだから、個室という例外が認めてもらえない。こうして、今までの人生において全く接点のなかった二人は、同じ病室で、同じように治療の副作用に苦しみ、同じように余命を宣告されることになる。

・・・と、書くと、とても重苦しいシーンの連続のようですが、二人が互いに余計なことを言わず、じっと相手の様子を見守っている、その柔らかい視線に救われます。まったく違う人生を歩んできた二人だけれど、共に、とても強いものを持っていると感じられるのです。

死ぬまでにやりたいことを書き出してみるという「棺桶リスト」。
見ず知らずの人に親切にする。荘厳な景色を見る。というまじめな希望を書くカーター。
入れ墨をする。スカイダイビング。というぶっ飛んだ希望を書く実業家エドワード(ジャック・ニコルソン)。
ここでも、相容れない二人だけれど、残された時間を家族のためではなく、金儲けのためでもなく、ただ自分たちのためだけに使おうと意気投合。一つ一つリストの項目を実行していく。

そのリストの中に、「世界一の美女にキスする」というのがあります。「こんなの、どうやって実行するんだ?」と、カーターがあきれるのを見て、その疑問もごもっともと思い、物語が進むうちに、いつしかこの項目のことを忘れていました。それが、リストのこの項目に「完了」のチェックマークがつくのを見たときには、「こう来るとは・・・やられた!」と思わず拍手でした

今まで少々苦手だったジャック・ニコルソンが、なんとも愛嬌があって、だんだん魅力を感じるように。そのセリフ回しが、素晴らしいなと。特に「棺桶リスト」を手にして言う"We can do this. We should do this"には、参りました。
また、わがまま放題のエドワードに臆せず、何を言われてもユーモアを交えて返す秘書も、欠かせない存在。手術のために髪を刈られた自分の姿を鏡で見てショックを受けたエドワードが、「麻酔からさますなよ」と言えば、「努力します」なんて言ってのけます。

ラストシーン、その秘書が二人のリストに、最後のチェックを入れるのを見ると、なんだか幸せな気持ちになります。
おすすめの1本です。


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2 コメント

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俳優さんたち (みのり)
2009-07-19 18:30:17
ゆきんこさん、こんにちは。
私もこの映画(最高の人生の見つけ方)を観たいと思いつつまだ観てません。
映画館の予告だけで毎回涙腺がゆるんでたので、
実際に映画館で観たら大変な事になりそう・・と思ってました。
そのうちに、落ち着いてゆっくり観たいと思います!
 
ところで、ずっと昔に一度映画館で観ただけで、心に残ってた映画があるのですが、
最近ケーブルテレビで10年以上ぶりに観ました。
「ドライビング ミス デイジー」という映画です。
(気難しい老女と彼女に仕える?黒人の男性の四半世紀?の物語)
俳優さんも女優さんも名前も覚えてなかったのですが、今回、黒人俳優さんがモーガンさんだったとやっと気がつきました。
心に触れる演技(役者さんたち)って、名前を知らなくてもちゃんと残るんですね。
 
昔一度観て忘れられない映画に「八月の鯨」ってのもありますが、
こちらはベティ・デイビスやリリアン・ギッシュって言う無声映画時代の美女達が
老年になってから出てた映画なので、彼女らの姿に人生をそのままスクリーンに観てるようでした。
(これも涙涙)
「八月の鯨」のシーンが「死神の精度」のラスト近くのクライマックスシーンに重なるので。つい思い出してしまいました。
(3人の老女が海を見ている時に若い少女達の姿が一瞬挿入されてた・・と思います)
 
・・・映画っていいですよね。
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上手な年の重ね方 (ゆきんこ)
2009-07-20 11:29:10
みのりさん

「ドライビング・ミス・デイジー」は私も心に残っている作品です。
モーガン・フリーマンは、映画出演の前に、舞台でも同じ役を演じていたそうですね。
主演女優ジェシカ・タンディの凛としたたたずまいが忘れられません。

「ドライビング・ミス・デイジー」も「八月の鯨」も「最高の人生の見つけ方」も、年を重ねた俳優さんたちが、とっても素敵で、かっこいい
時々、こういう映画がたまらなく見たくなります。
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