にがっ

夏休みで帰国していた北京の知人が、お土産にと珍しいお茶をくれました。「すごく苦いけど、体にいいからね」という説明つきのお茶は、その名も"苦丁茶"。
烏龍茶は茶葉を丸めてあって、コロコロしていますが、これは葉巻のように巻いてあるので、細長い形です。
１回に使う茶葉の量は、３本程度で十分。苦味がなくなるまで飲めると保証されました。
知人があまりに「苦い、苦い」というので、おそるおそる顔を近づけて、どんな香りかと確かめたら、決して強くなく、むしろ甘い感じがします。
茶葉は乾燥しているとき黒っぽいのに、お湯を注ぐと、きれいな薄緑になっていきます。
お茶の色も、薄い黄緑色。こんなふうに緑色のかったものは中国茶では見たことがありませんでした。茶色っぽい濃い色のものだったら、いかにも苦そうですが、こんなきれいな澄んだ色。

「な～んだ、たいしたことないじゃない。」と一口飲んだら「にがっっっっっ・・・・・・」（飲んだときのリアクションをお見せできないのが残念なので、金城さんに代わりに演じてもらいました。↑彼が飲んだのは日本酒ですけど）。苦味があるなんてものじゃありません。苦いとはつまりこういう味を言うのだ、という見本のようなもの。もし、苦いという味覚を思い出したければ、このお茶を飲むに限ります。
ですが、しばらくすると、口の中はほんのり甘味を感じます。不思議ですね。ただ、唇をなめると、また「にがっっっっっ・・・・・・」となりますが。
お茶といいましたが、ツバキ科ではなくモチノキ科やモクセイ科の木の葉だそうです（知人は柊の葉と言ったのですが、種類もいろいろあるようです。つまりどれも苦いってことですね）。いわゆる中国のハーブティー？。知人は、「風邪でのどが痛いとき、飲むといいよ」と勧めてくれたのですが、それ以外にも、効能がいっぱいあるようです。利尿、解毒、解熱殺菌の効果があるので、新陳代謝がよくなるだけでなく、のどや、胃腸の炎症にも効くそうです。高脂血症、高血圧症にも有効。さらに皮膚炎の治療に肌に塗ってもよい（シミが薄くなるなんてことも書いてありましたよ）・・・なんだか、これさえあれば大丈夫！という気にさせられますね。
古くから広く薬用に飲まれていたんだろうなと思っていたら、とても貴重な高級茶で一般庶民にはとても手が届くものではなかったんですって。今でも、数が少ないので貴重品なんだそうです。
知人は里帰りのたびに珍しいお茶を少しずつ分けてくれるのですが、いつも、いろいろ考えて選んでくれているんだなと思うと、ほんとうにありがたいです。そうそう、今回は、前の失敗に懲りて、海賊版DVDには手を出さなかったそうですよ。