前に突き出していた拳を改めて天に突き上げ、自分でも区別ののつかない感情を込めた咆哮を放つ。
「おおおおー! おおーはっはっはっは!」
後半は笑いへと変化してしまったが、胸に溜まっていた試合での熱気とプレッシャー、ストレスに緊張などプラスもマイナスも全て吐き出してしまった。
周りも俺の大笑いに一瞬ギョッとした表情だったが、すぐにくすくすと含み笑いからチーム全員がお互いの肩をばしばしと音がするほど叩く、大笑い大会になってしまった。
この機会にさっきの仇を討とうと、山下先輩などと集中的に狙われる同士でスナップを利かせた張り手の交換をする。痛いくせに今だけは気持ちがいいんだよな、これが。ただ今夜、風呂に入る時は地獄だろうが。レインブーツ メンズ
それでも、今のこの時間だけは体のすべての感覚は痛みや疲労でさえ快く、耳に入るのはチームメイトの嬉しい悲鳴だけだった。
――ああ、やっぱりサッカーって楽しいな。第五十二話 未来のことを考えよう
俺達の馬鹿騒ぎを制するように審判が「早く整列しなさい」と促してきた。あ、嬉しさで舞い上がったあまり忘れていたが、試合後の挨拶がまだだったな。
実は、俺はどうにもこの試合後に相手チームと顔を合わせるのは苦手である。これは勝っても負けても変わらない。
まだ練習試合ならまだしも、公式試合ではそれが顕著だ。勝てば相手を見下しているように感じられるし、負ければ悔しさを押し殺すので精一杯だ。少なくとも少年マンガのように勝っても負けてもさわやかに、なんて芸当は俺には不可能な行為なんだよな。
だから審判の矢張SCの勝利を告げる声に頭を下げると、できるだけ早くその場から逃れようとする。
「アシカだったよな、ちょっといいか」ハンター レインブーツ ショート
そんな俺の目論見はカルロスのかけてきた声によって崩れさった。
ばつが悪そうにしぶしぶ振り向いた俺に対して、カルロスは何のわだかまりもなさそうな落ち着いた表情だった。むしろ今の俺の挙動の方が礼を失しているだろう。
深呼吸して頭を試合中の戦闘モードから、日常モードの穏やかで丁寧なものへと切り替える。
さて、日本のエース候補様が何の用だろうか?
「ええ、いいですよ。とりあえずナイスゲームでしたね」
「……ああ、まあオレが勝ってればもっと良かったんだけれどな」ベネトン レインブーツ
と苦笑まじりで話すカルロスの表情は、意外にも年相応にあどけなく柔らかく見えた。こいつはもしかしたら試合中はアドレナリンが出っ放しで、性格が変わるタイプなのかもしれないな。
だとしたらこちらも試合中と違って、友好的な態度を取るのも問題ない。元々俺はカルロスの能力には敬意を払っていたのだ。
右手に付いていた汗をユニフォームで拭い、差し出す。
「改めてよろしく、アシカじゃなくて、|足利 速輝《あしかが はやてる》です」
「え、お前の名前はアシカじゃなかったのか? そうか、アシカじゃなくてアシカガ。アシカじゃなくてアシカガが」
「……いや、もうアシカでいいです」
なんだか早口言葉になりかけていたカルロスを止めて、俺をあだ名で呼ぶのを許可する。別に握手していた手が痛くなるほど大きく力強い手を放してほしかったからではない。クラブ内でもキャプテン以外には全員から「アシカ」と呼ばれているので、今更カルロスにそう呼ばれてもそれほど違和感がなかったのだ。
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「それで、なんでしょうか?」
「いや、アシカが使っているテクニックは、どうもオレの周りの日本人っぽくなかったから気になってな。ブラジルの子供みたいにボールに慣れている感じだった。どこか外国のクラブでフットボールをやっていたのか? それとも小さいころからス