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朝日社説「希望社会へ…」-国の言い分を検証すべき。
朝日社説(1・21、ウェブ魚拓)は「希望社会への提言」で社会保障を扱い、将来図をどのように描くのか、その一端を示している。
提言の核心は、福祉サービスを地方政府に委ねるという点である。分かりやすくいえば、国の責任から地方の責任に移すということだ。ただし、ここでいう福祉サービスとは、以下のように医療や介護もふくむものであるらしい。
工夫のひとつが2番目の提案だ。医療や介護は思い切って地域政府にまかせ、住民が必要とするサービスの内容は住民が決める仕組みにしよう。 |
容易に推測されるのは、社説の立場が中央政府の財政状況の逼迫を前提にしていること、別の言葉でいえば、「小さな政府」がイメージされているといえる。なるほど社説は、やみくもに「小さな政府」にするのではなく、「中福祉・中負担」で連帯型の福祉国家をめざそう 、とは一応いうのだが。
社会保障への毎年の公的支出は、25年度までの20年間に40兆円以上も増えると大まかに試算されている。そのうち20兆円を医療が、10兆円を介護が占める。高齢者が急速に増えるからだ。 |
こう社説がふれるように、社会が高齢化するなかで、将来もふえつづける社会保障という化け物を、このまま国家が負担することは不可能、だから国庫負担を減らさなければならない。その結果、負担を国民に求め、給付内容も後退させてきたのが、この間の図式だろう。
しかし、こんな事実がある。あのフリードマンらの提唱によって新自由主義政策をとってきたことでは先輩格である米国の実情だ。案外知られてないように思えるが、米国の国家財政のうち、社会保障費が実に半分を上回って占めていることだ(下図参照。クリックすると拡大します)。国家の守備範囲を徹底して狭め、防衛や治安など一部に限定し、社会保障を含めて多くは市場に委ねていこうというのが、多くの人が思い描く「小さな政府」ではなかったか。
この事実を前にすると、たちまち立ちすくむ。映画「SiCko」によって、とくに低所得者層にとってはほとんど医療という世界から遠ざけられている残酷な実態が明らかにされたが、件の医療後進国・米国に、日本の国家負担が大きく及ばないことをどのように理解すればよいのか。むろん米国は、図をみれば明らかなとおり軍事費もかなりの部分を占めている。
日本はすでに「小さな政府」というわけだ。
この事実には裏側がある。痛みをともなうといいながら、小泉元首相は、歴代政府のなかでもいちばん借金をつくってきたという事実だ。小泉純一郎の5年間で、国債の発行残高は169兆円も増えたのである。なぜそうなったのか。
国民には負担を強いて、課税を強める一方で、税制上は、企業や財界、大資産家のために優遇してきたこともまた事実なのだから、この企業・大資産家減税と、小泉「構造改革」によるリストラの増加や社会保障改悪が相次いでボデーブローとなって、国民の所得は伸びなかったこと、この2つの側面で税収が増えなかった。したがって、財政悪化の要因は、公共事業の浪費とあわせて、とくにこの5年間の税収減だといえる。
このような事実と経過をふまえてみると、政府説明を鵜呑みにしたような朝日の構想の前提が崩れてしまうように思える。
社会保障が国家財政をダメにしたわけではないのだ。たとえば、朝日のこんなものいいは、滑稽にすら思える。
極力抑えるため、社会保障の中にもある無駄を徹底して排除し、効率化させていく。これは改革の大原則だ。 |
もっと大きなムダ、理屈にあわないことがあるではないか。
米国にも遠く及ばないような日本の社会保障への責任のとり方でよいのか、ということこそ問うべきだ。財政のあり方は、当ブログでなんども繰り返しているように、どこから財源を確保するのか、どこに税を配分するのか、この2つで立ち居地が決まる。
朝日の主張は、この意味で重要な視点を欠いている。国の言い分を検証するくらいのことは少なくともやってもらいたい。(「世相を拾う」08011)
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PS;米国と日本の国家財政の概要を下に図示しました。
メディケアは、高齢者及び障害者に対する公的扶助、メディケイドは低所得者に対する公的扶助。これ以外は、医療サービスを受けるには、公的な保険がないため私的保険に加入するほかないと考えてよいでしょう。
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これは、医療の切り捨てを勧めているだけです。
まず医療介護を地方政府にまかせるといいますが、"地方政府"とはなんでしょう? 都道府県にあるのは議会と役所であり、民意を汲み取る真の"政府"に当たるものは存在しないのではないでしょうか。県レベルでは、複雑な医療制度を整える人材も不足します。せめて道州制レベルの大きさが必要と思います。
また自治体の収入によって、受けられる医療に大きな差が出ることでしょう。たとえば現在でも特定疾患による公的補助は自治体によって若干違いがありますから。
また医療を語る上で保険制度を欠かすことができませんが、それには言及されていませんね。保険を地域で分断することは不可能ではないでしょうか。国保、社保の比率、年齢分布など複雑に絡み合います。労働者の割合によって保険料に大きな差が出るようでは成り立ちません。国保社保の統合も必要でしょう。
医師の立場から見た最大の問題点は、私達は働きやすい制度を選ぶことでしょう。自分の診療に有利な場所で働きたい、開業したいという医師が異動するでしょう。"もっと効率を上げて""サービスの質も高める"と簡単に言われますが、日本の医療の効率は世界一です。これ以上を求める自治体に医師が集まるとは思えません。
裕福な自治体は医師が集まりやすい制度を作り、貧しい自治体は医師の流出を指をくわえて見ているという事態が生じるでしょう。
米国では、医師の賠償保険の掛金が高額となる州(働くための支出が多い州)から医師が逃げ出すという現象が実際に起こっています。
>"もっと効率を上げて""サービスの質も高める"と簡単に言われますが、日本の医療の効率は世界一です。
まったく同感です。医師は自らの使命感によって激務をこなし、高いレベルを維持しています。過労死の一歩手前という事態といってもよいかもしれません。