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丸山真男の「本店」についての二書 (yamane)
2009-04-03 12:05:03
最近、丸山真男の「本店」と呼ばれる研究分野に関する二つの以下の書籍が出版されました。

「丸山真男の日本論~そのモチベーションとダイナミズム」(和久利康一著・カテラ出版会)
「丸山真男を読みなおす」(田中久文著・講談社選書メチエ)

どちらの書とも、丸山真男の「歴史意識の古層」や「正統と異端」などの「本店」を取り上げた内容で、実に読みごたえがありました。和久利氏は、丸山真男から直接の指南を受けた丸山ゼミの出身者のようで、丸山真男の思想全体をうまく関連づけて纏め上げている気がしました。対話形式で話題を進めているのも分かりやすいかもしれません。一方、田中氏は、前半部分の「歴史意識の古層」に力が入り過ぎているためなのか、後半はややバテ気味という気がしないでもありません。いずれにしても、二つの書籍とも、丸山真男を知る貴重なものになるように思えました。
 
 
 
>yamane_さん (これお・ぷてら)
2009-04-03 13:44:38
ブログをはじめて間もない頃のエントリへコメントを頂戴し、恐縮です。
丸山については本店と夜店という具合に語られるところに、彼の影響力が示されているのでしょう。

ご紹介いただいた書物を私はまだ読んでいません。丸山のいう古層という概念は、唯物史観による立場からするとどうかという疑問も残るのでしょうが、加藤周一の「今・ここ主義」の主張に継承されていると考えることも不可能ではない。日本人に通底する「限界」がはたしてあるのか否かという問題ですよね。

いずれにせよ、諸外国との交通という点で、日本が特殊な位置にあったことも事実でしょうから、認識の発展に関するかぎり制約を受けてきたということでしょう。
 
 
 
問題点をよく整理されていますね (yamane)
2009-04-05 19:32:19
さすが、丸山真男の視点について大変によく整理されていますね。こうしたことが、今の人達にはなかなか通じませんから、困惑してしまうことがよくあります。

私が挙げた二つの本は、丸山真男のこうした問題点を体系的に論じているわけです。和久利氏の著書の方が「正統と異端」というテーマについて巧みに述べてありますが、田中氏の著書も全体を網羅してあって、どちらとも、久しぶりに丸山真男に関する名著が出たという気がしています。
 
 
 
>yamane_さん (これお・ぷてら)
2009-04-06 17:34:37
コメント再びありがとうございました。
また、書籍のご紹介にあらためて感謝いたします。
 
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