元禄時代を舞台に、いわゆる「忠臣蔵」をメインの流れとして進む群像劇。
NHK大河ドラマにもなったらしい、が、いまは見ることが出来ない。当時はビデオテープが高価だったので製作サイドでは放送が済んだら上書きしちゃうのが普通だったらしいのだ。なんだよもー。
南條らしく、史料に忠実に基づいた部分と、大胆な仮説とがケレン味たっぷりに同居している。実在創作とりまぜた多彩な人物が大暴れする様は伝奇の醍醐味。『ドラキュラ紀元』とかのノリに近いかも。
忠臣蔵なので「なぜ松の廊下は起きたのか?」に始まり、討ち入りとその始末で終わるんだけど、そこは南條、徳川家康影武者説の仕掛け人の面目躍如、大仕掛けでもって「大石内蔵之助vs柳沢保明」という構図を作ってしまうのは、さすが。
個人的な見どころとしては、背景のすばらしさ。生類憐みの令、数年で物価が三倍になる悪夢のインフレ、一部商人のブルジョア化と相対的な武士の凋落。封建制度(≒武士道徳)が徐々にゆらいでいく様と赤穂浪士の脱盟者たちになぞらえて描かれている。
ふつうの忠臣蔵ではオープニング・アクトの松の廊下→浅野長矩切腹から、ハイライトの討ち入りまでの時間が長い。無為と焦燥と忍耐の時期だ。もちろんこれがないと忠臣蔵の理念が際立たないけれど、見ていて退屈なのは、たしか。それをうまいこといなして、南條らしい無惨の話として差し出しているのがファインプレーだ。
NHK大河ドラマにもなったらしい、が、いまは見ることが出来ない。当時はビデオテープが高価だったので製作サイドでは放送が済んだら上書きしちゃうのが普通だったらしいのだ。なんだよもー。
南條らしく、史料に忠実に基づいた部分と、大胆な仮説とがケレン味たっぷりに同居している。実在創作とりまぜた多彩な人物が大暴れする様は伝奇の醍醐味。『ドラキュラ紀元』とかのノリに近いかも。
忠臣蔵なので「なぜ松の廊下は起きたのか?」に始まり、討ち入りとその始末で終わるんだけど、そこは南條、徳川家康影武者説の仕掛け人の面目躍如、大仕掛けでもって「大石内蔵之助vs柳沢保明」という構図を作ってしまうのは、さすが。
個人的な見どころとしては、背景のすばらしさ。生類憐みの令、数年で物価が三倍になる悪夢のインフレ、一部商人のブルジョア化と相対的な武士の凋落。封建制度(≒武士道徳)が徐々にゆらいでいく様と赤穂浪士の脱盟者たちになぞらえて描かれている。
ふつうの忠臣蔵ではオープニング・アクトの松の廊下→浅野長矩切腹から、ハイライトの討ち入りまでの時間が長い。無為と焦燥と忍耐の時期だ。もちろんこれがないと忠臣蔵の理念が際立たないけれど、見ていて退屈なのは、たしか。それをうまいこといなして、南條らしい無惨の話として差し出しているのがファインプレーだ。