そんな○○に魅せられて

夏休みの読書感想文「火花」

毎日、ジリジリと酷い暑さが続く大阪。
必然的に日中は屋内で過ごす時間が長くなります。

というわけで涼しい室内で読書もよかろうと、
先日、アメリカ人ママ友から「日本語の原文はどうなっているのか知りたい!」と
リクエストされていた懸案の「火花」をようやく買って来て読了しました。

ちなみに簡単なあらすじは以前読みましたが、いわゆるレビューや批評は専門家、一般のかたのもの両方とも未読です。
なので、以下はダメ人間に近いオバハンの正直な読書感想文です。

友人は、エログロナンセンス系のアートが好きな人なので「面白かった」と感じたのもわかりました。
人間の生と死をある方向に突き詰めていけばこういう表現になっていくのかもしれません。

200万部以上売れたということは、世間的には非常に支持された作品なのですよね。
確かに、キラッと光る表現もいろいろあって、又吉さんの才能を感じる部分もありました。

しかし。

私個人としては、もうこの気持ち悪い読後感をなんとかして欲しいです。
一人で抱えていると気持ち悪さが増長するので、駄文雑文で本当に申し訳ないのですが吐き出しがてら書いています。
最初は普通に読み進めていましたが、「あ〜あ、やっぱりなあ」的な展開で真ん中あたりからページをめくる手が鈍り、
最後の十数ページではかなり辛くなってしまいました。
友人のリクエストが無かったら読み終えていないでしょう。

最後のオチは、どういうことなんでしょう。
なんというか救いようの無さというか、救いようの無さの種類にも色々ありますがこれはないだろうと。
そんな感情が昇華されないまま終わってしまった感じ。
技術的にああするのは無理なんじゃないかと、リアリティーを考えてしまったり。

肝心のストーリーは、せめて主人公の二人が面白い事を言い合おうとかテキストを送り合うシーンは
少しでも笑える要素があればと思ったんですが、全然面白くない。あえてそう表現していらっしゃるのか?
芸人さんなら「おー、わかるわかる!」となるのでしょうか。

…「お前のセンスのなさを作品のせいにするな!」と言われそうです。

先輩芸人に、後輩芸人が惹かれるシーンもわからないです。誤解でしょうか?
ここで変に後輩芸人が惹かれてしまったが故に先輩芸人の悲劇が始まってしまったというか。
どこかで誰か引導渡してやれよ、と読みながら何回も思いました。
いくら純粋で真剣に突き詰めようとしていても、需要のないものは商品ではなくて単に趣味の領域を出ないのに、
周りの皆は、なんて残酷なんだろうと、読み進めるうちにどんどん陰鬱な気分になっていきました。

で、又吉さんのスタンスとしては後輩芸人の目線なのかなと思っていましたが、
最後にあのエピソードを持って来たことで、実は先輩芸人の目線で書いていらしたのかなと。

本の展開と現実をごっちゃにするな!とも言われそうですが、
「火花」を読む前に、それとは関係なく、ふと、
「私が子どもの頃に活躍していらして、とんと見かけなくなった芸人さんってどうしてるのかな」
と思って記憶にあるお名前をいくつかネットで検索してみたら。

首が回らなくなる借金やら不義理やら失踪やら病気やら、ネガティブすぎるエピソードがてんこ盛りに出て来ました…。
事実は小説よりも、を地で行く話です。
もちろん、普通にご高齢の為とか、ほかの道に転身されて芸人を引退されたかたもいらっしゃいます。

「火花」、又吉さんや支持者のかたがたには本当に申し訳ないですが、私には無理な作品でした。ごめんなさい。

そして読む作業をもう一度、ママ友さんに説明するために繰り返すのかと思ったら今からドーンと憂鬱です。
とりあえず彼女に本はあげることにします。
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