ろりぽっぷブログ

園での出来事をご紹介していきます。

巨大な砂山、現る!!

2009年01月20日 | 園だより
園庭に突如として現れた巨大な山
それを見た者は驚きの声をあげる。
あれは何だ!と近づいてみると、子どもの背丈もある大きな砂山にたくさんの足跡があった・・・
子どもたちに聞いてみると

「俺たち、でっかい山作ったんだよ」
「てっぺんにも登れるんだ」
「高くするとき、足元の砂を硬くしたんだよ」

と声を弾ませて話を聞かせてくれた。担任G先生にも聞いてみると、子どもたちは無我夢中で作っていたとのこと。給食の時間が近づいても完成するまでその場から離れなかったという。「もう俺のエネルギーが1トンしかなくなってきた」とクタクタになった砂山名人Aがぼやいたところ、それを聞いた名人Bは「水を飲んできたら2トンになるよ」と励ましの優しい声をかけたという。この砂山作りを経験する中で、けっして一人では完成させることのできなかった、仲間の協力・友だちを気遣う優しさ・完成した喜びを味わったのだろう。

楽しいことを続けるには「疲れる」「のどが渇く」という辛さから打ち勝つ力が必要になって、それが喜びにかわっていく。これはルール上ではなく、自分自身で打ち勝っていくことなのだ。

自由なあそびは実は自由ではない。砂山を高くするのは簡単で楽しいことではなく、「疲れる」「のどが渇く」など、それらに挑戦することが「あそびのなせる業なのである。あそびを通して忍耐力がつき、頑張る力がつく。
「がんばりなさい!!」ということで身に付くことではなく、あそびの中で育っていくことなのである。(大人とかもっと能力のある同年齢の友だちと一緒の活動の中で発達し、やがて子どもの心中に入っていく。このように共有された一緒の活動から個人へと能力の転移が生じる領域を“最近接発達領域”という)。
担任G先生はこの理論に基づいてやっていることなのです。

この砂山作りの中には、友だちの積木を壊してしまったり自分の感情をコントロールすることが苦手な子どもが参加していました。
しかし、この高い砂山を完成させる体験を通して価値を共有し、一緒に作って楽しむ姿があった。「協力する」「なかよく」「分かり合える」ことが培われたのである。