言葉の救はれ・時代と文學

言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。

小村寿太郎と明治の精神

2018年08月10日 21時07分46秒 | 旅行

  宮崎県の日南市に小村寿太郎記念館がある。先日そこを訪ねた。20年ほど前に生徒の引率で来たことがあるが、引率であるからゆつくりと見学することができなかつたが、今回は旅行でもあるのでゆつくりと訪れた。

  小村は日露戦争の処理のためにポーツマス条約締結に尽力した。日本国内は戦勝の気分に高揚してゐるから大幅な戦利を期待してゐる。しかし、実態は薄氷の勝利である。一日も早く条約を結んで戦争を終はらせたい。小村の役割もその一点にある。

  身長156cm、当時としても小さい体の双肩にかかつた重荷は如何ばかりであるか。記念館には実物大の写真と本物のフロックコートがあつた。現在の東京大学を出てハーヴァード大学に留学した秀才は英語に通暁してゐるのはもちろん、何より語る言葉を持つてゐた。だからテーブルの上で相手に怯むことはない。今の私たちとは決定的に違ふことである。

  記念館には、彼の言葉が展示されてゐた。うん、この言葉に出会ふだけで今回の旅は成功であつた。かういふ人物がゐた。そのことを知らせてくれた幸運に感謝した。

 

  その後飫肥城を見学し、帰りに鵜戸神宮を参詣した。折しも台風が列島に近づき波は高かつたが、コバルトブルーの海の荒々しさが心地良かつた。地元の医学部に入学した教へ子を連れて行つたが、何かを感じたらうか。それをいつか聞いてみたい。

ポーツマスの旗 (新潮文庫)
吉村 昭
新潮社
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