事業承継コンサルタント 佐原啓泰のブログ

経営コンサルタント㈱経営支援パートナー 代表取締役の佐原啓泰が徒然と綴る

債務超過ってどういうこと?

2010-04-22 11:04:09 | 経営
債務超過とは何か

「債務超過」とは、会社の資産を全てお金に変えられたとしても、借入金を全て返せない状態を指します。

「債務超過」という言葉の意味を知らない経営者は少なからずいらっしゃると思います。今日は「債務超過」について簡単に考えてみたいと思います。

先日は、「債務者区分」の中にも債務超過という言葉が度々登場してきましたが、要するに、決算書の貸借対照表の中の「資本の部」がマイナスの状態であれば、それが債務超過の状態です。

また、「自己資本比率」とは、「資本の部」を「総資産(資産合計、又は負債・資本合計)」で割った割合のことであり、安全性を見る指標の1つです。一般的に中小企業では、自己資本比率が20%を超えていれば健全な状態であると言われています。

ただ、ここで気をつけて頂きたいことは、
「金融機関は決算書の数字をはじめから信用していない。」
ということです。

つまり、決算書を見る限り債務超過でない企業でも、債務超過先として見ている場合があるのです。
どういうことかと言いますと、金融機関は取引先の貸借対照表を「実態ベース」に修正して見ています。

資産の勘定科目に載っている数字を、真に資産性があるか、換金性があるかチェックし、そうでない場合は資産の計数を差し引きます。資産から差し引かれた金額分だけ、「資本の部」も同様に差し引き、貸借を合わせます。

結果として、決算書上は債務超過でなくても、金融機関には債務超過とみなされている場合が多々あるのです。
実際に行っている資産の修正には次のようなものがあります。
①受取手形や売掛金の内、回収見込みのないもの、長期固定化しているもの。
②棚卸資産の内、長期固定化、陳腐化しているもの。
③前払費用。信用保証協会への保証料など、換金性の見込みが薄いもの。
④有形固定資産の内、減価償却の未償却分。5~8割以上の中小企業(法人)において適正に行われていません。
⑤貸付金の内、計画的に返済(回収)されていないもの、返済(回収)見込みのないもの。中小企業では役員への貸付金が良く見受けられますが、ほとんどが資産から差し引かれています。会社への返済計画を立て金融機関にも説明しておくことが必要です。
⑥有価証券 時価評価します。ゴルフ会員権も同様です。
⑦繰延資産 全額資産から差し引いています。繰延資産はもともとが費用であって、その支出の効果が将来に及ぶとして資産にしてあるだけです。「開業費」、「試験研究費」など字の如く「費」がついていますよね。
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