鶴見の町は、一風変わっている。沖縄出身の住人が多いのは、一時全国に集団就職していた沖縄の人が特に京浜工業地帯に多かったからだという。
日系ブラジル人も元はといえば沖縄出身の確率が極めて高い。
エネルギッシュなブラジルを筆頭に、ペルー、韓国、インド、沖縄と多国籍居住区となっているのが時折すれ違う住人の顔で察することが出来るでしょう。
JR鶴見駅を下り立ち西側の総持寺方面は今回パス。港方面に歩き出すとすぐカミン横の柳小路に韓国出身の人たちに「オモニの味」と評判な『ヨボセヨ』があります。
京浜急行鶴見駅を越えると南一帯に歓楽街飲み屋街が見えてきます。
表通りに面して餃子や海老の塩炒めが美味しい高華園、韓国料理のチェゴヤが。その先を右に曲がると若江ビル3Fにセグレードの姉妹店、中東・南米料理の店インターナショナル・レストランバー『インジャ』があります。かなぐすく(沖縄)、力天(中国食材)、ソウル亭(韓国)、幸河(韓国食材)を廻ってからバリエルの前を通り潮鶴橋を渡ります。
袂では汚い海に釣り糸を垂れている若いお兄さんが。「何が釣れるんですか?」とこえかけると「スズキです」とDSゲームの動物の森を思い出す返答が。
普段は肉の好きな南米のお客さんで賑わうトゥカノミート、沖縄料理の古宇利島を過ぎボリビア料理を中心に南米・沖縄料理が味わえる大型スクリーンのある『エルボスケ』の角を左に曲がると仲通りです。こちらは完璧に沖縄県人・朝鮮人・ラテンアメリカ人街でした。日本に学ぶ留学生の拠点にもなっています。
先に紹介したおきなわ亭もこの潮田街区にあります。
反対に戻る形で本町通りを歩くととてもブラジル色濃厚な『セグレード』が気になり少し店前で躊躇していました。
しかし意を決して沖縄料理を食べたあとですが一品だけ頼もうと飛び込みました。最初はお客さんの居たこの場所を避け、奥の席に着いたのですがお客さんが帰られると美人の日系ブラジル人ウエイトレスがこの席に強制的に移動を指示して来ました。何のことか分からず従い席に着くと、「皆さんここの席が一番気に入られるんですよ。落ち着きませんか?」確かにそうです。小さなお子さんを持つカウンターキッチンに立つお母さんの気分になる場所でした。店全体が見渡せるから安心なのでしょう。
エネルギッシュでセクシーなブラジル系音楽の軽快なリズムが心地よいAVを観ていてサンバやサルサのDVDが欲しくなり訊いてみたところ、「サルサはペルー、サンバはリオのカーニバルだけ、ブラジル人は好まないよ」と一蹴された。
お店自慢の牛の腰後部のオーブン焼き肉ピカニャ・グレリャードをいただいた。ブラジル風独特の香辛料が香ばしく病み付きになる一品でした。
ホスピタリティーも抜群です。
またゆっくり楽しみたい鶴見でした。