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事故の航空史(4)中華航空140便 1994/04/26

2017-10-10 00:21:10 | 事故の航空史
【事故の概況】
[発生日時及び場所]1994年4月26日20時過ぎ 日本国愛知県名古屋空港
[航空会社及び便名]中華航空140便(CI140便) 台北・中正国際空港(TPE)発、名古屋空港(NGO)行きエアバスA300B4-622R(B-1816)
 ※名古屋空港は現県営小牧飛行場(NKM)

【事故の経過】
 名古屋空港滑走路へ手動操縦によりILS着陸進入中に乗務員の誤操作に起因する失速により、空港敷地内(正確には隣接している航空自衛隊小牧基地内)に墜落・炎上した。
 ※ILSとは、滑走路端から着陸進入機に向けて発信される誘導電波で、この電波に乗せて航空機を操縦すれば、滑走路端まで次第に降下できるもので、これ自体は自動操縦とは関係ない
 空港隣接地で、発生直後から空港当局の消防隊、自衛隊員、周辺自治体の警察・消防・医療関係者の迅速な消火救助活動が行われたものの、乗員乗客271名のうち、死者264名という1985年に発生した日本航空123便墜落事故に次ぐ犠牲者数となった。

【事故の原因】
 運輸省交通事故調査委員会の報告によれば、名古屋空港への着陸進入中、副操縦士が誤って着陸復行レバーを操作してしまい、航空機の運航システムが自動的に機首上げ及びエンジン出力を増大させた。しかし、異変に気付いた機長が副操縦士に解除を指示しながら、そのまま着陸コースを外れないよう、操縦桿により機首下げ操作を行った結果、自動失速防止装置も作動し、自動操縦は機首上げ最大・エンジン出力最大とした。
 機体は操縦桿モーメントが自動操縦の機首上げモーメントをやや上回り、機体は少し下降したものの、機長は着陸復行モードも解除できず、降下率も鈍化していたため、着陸を断念して着陸復行を決断し、操縦桿を元に戻した。
 その瞬間に、機首上げ最大・エンジン出力最大の自動操縦モードが急激に働き、機体が急上昇して失速、滑走路から左方に外れる形で墜落した。翌日の名古屋から台北へ戻る燃料も台北出発時に搭載していたため、残存燃料に引火して機体は全焼した。

【再発防止策】
 自動操縦と手動操縦が相反する指示を航空機に与えた結果、自動操縦が最大モードとなっている状態で手動操縦を中止したことが最大の原因であり、運航乗務員の操縦ミスが事故の起因となる。ただし、機長の操縦桿を押し下げる(機首を下げる)動作については、ボーイング社の航空機では操縦桿を押すことによって自動操縦が解除されることから、以前にボーイング747型機を操縦していた機長が咄嗟に起こした行動である可能性を否定できない。
 自動操縦と手動操縦が相反することによるトラブルはこの事故以前よりもエアバス機では発生しており、エアバス社は解除方法の周知や一部改修などの指示を出していたものの、緊急性の高いものとは認識されず、本機では必要な改修工事は未施工であった。この事故の後にも同様の事故が発生し、その後の改修でボーイング機同様に操縦桿を操作すると自動操縦が解除されるよう改修された。
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