ノベラーエクスプレス関東

 自作の小説がメインのブログです。
 主にSF、ファンタジー、ミステリーの脳内妄想を文章化したものです。

“大魔道師の弟子” 「帰省最終日」 4

2018-10-12 10:24:46 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月31日17:15.天候:晴 埼玉県さいたま市西区三橋5丁目 湯快爽快おおみや]

 稲生とマリアを乗せた送迎バスは、無事に目的地に到着した。

 運転手:「はい、お疲れさまでしたー」

 正面入口の前にバスが止まり、そこへぞろぞろと向かう利用者達。
 もちろんその中に、稲生達もいた。

 マリア:「ここに来るの、久しぶりだ」
 稲生:「そうですか?」
 マリア:「うん。確か師匠が、マフィアのマダムに自分の武勇伝を語っていたような気がする」
 稲生:「別の場所じゃないですか?何ですか、マフィアのマダムって?
 マリア:「Japanese “Okami-san”?“Ane-san”?そうかな。私が見た予知夢かもしれない」
 稲生:「作者の予知夢並みに当たらないと信じましょう」
 マリア:「そうだな」

 靴を靴箱に入れて鍵を掛け、フロントへと向かう。

 稲生:「大人2人です」

 稲生、会員証を出しながら料金を払う。
 渡されたタオルを手に、館内着を取りに行く。

 稲生:「マリアさん、作務衣の着方は分かりますか?」
 マリア:「この前、師匠に教わった」
 稲生:「本当に先生は何でも御存知なんですねぇ……。さすがは齢1000年の大魔道師です」
 マリア:「でも、スマホの使い方は分からないよ。あと、DVDの予約の仕方も全然分かってない」
 稲生:「あ、そうですか……。シニア向けの、らくらくスマートフォンなんかもありますけど……」
 マリア:「10台くらい壊した後で、ようやく通話の仕方が分かるといった感じかな」
 稲生:「そりゃ水晶球の方が楽でいいですねぇ……。てか、屋敷の固定電話は使えるのに……」

 黒電話の西洋版のようなもの。
 今でも中世ヨーロッパを模した建物の中に、オブジェとして置いていたりされているのを見たことのある方もいるだろう。
 ディズニーのアニメとかには出てこないかな?

 マリア:「取りあえず、公衆電話までならギリギリ使えるほどのメカ音痴」
 稲生:「はあ……」

 館内着の作務衣を持ち、2階の大浴場へと向かう。

 稲生:「! それじゃ、日本の鉄道駅の券売機は……?」
 イリーナ:「師匠が魔法を解いたら同じ見た目になると思われるお年寄りが、普通にそれでキップを買っていることに驚愕していた。だから、勇太に全部任せているんだと思うよ?」
 稲生:「指定席券売機のカオスさには僕も思わず頷くところですが、普通の券売機くらいは……だと思うんですけど……」
 マリア:「『昔はサンクトペテルブルグまで、2等車1枚って言えば買えたのにねぇ……』なんてボヤいてた」
 稲生:「いや、シベリア鉄道のキップ売り場は、今でも有人窓口しか無いのでは?」

[同日18:00.天候:晴 湯快爽快おおみや2F 湯上り]

 稲生:「ふーっ、サッパリした。これで夜行バスでも、眠れそうだな」

 男湯の脱衣場から出てきた稲生。
 牛乳などの自動販売機のある湯上りに来たが、まだそこにマリアはいない。

 稲生:「まあ、いいや。風呂上がりにコーヒー牛乳でも……」

 稲生はリストバンドに付いているバーコードを近づけようとした。
 館内における金銭のやり取りは、全てこれで行われる。

 マリア:「熱かった……」

 その時、マリアが女湯の脱衣場から出てきた。
 白い肌が赤みがかっている。
 その姿に一瞬心臓が高鳴る稲生。

 稲生:「ど、どうでした、湯加減は?」
 マリア:「うん、サッパリした」
 稲生:「それは良かったです。あ、牛乳でも如何ですか?」
 マリア:「Milk……ハッ!?」

 マリアの脳裏に蘇るケンショーレンジャー達の謀略……。

 マリア:「いいけど、一応、毒のチェックさせてね」
 稲生:「ん?毒?……あ」

 稲生も思い出した。
 確かあれは……“魔の者”の眷属を北海道で倒して、旭川から新千歳空港に向かった時のことではなかっただろうか。

 稲生:「べ、別の飲み物にしましょうか」
 マリア:「いや、いいよ」

 マリアは水晶球を取り出した。

 マリア:「Hum...近くにケンショーレンジャーの気配無し……か」
 稲生:「水晶球で検索できるようになったんですか」
 マリア:「何とか修得したよ」
 稲生:「それはいいですね。はい、コーヒー牛乳。僕もこれがいいんです」
 マリア:「そう。飲んだ後で何だけど……」
 稲生:「はい?」
 マリア:「もうすぐディナーの時間だよ」
 稲生:「あ、そうですね。食べに行きましょう」

 今度は1階に下り、食事処のテーブル席に向かい合って座った。

 稲生:「えーと……何がいいかな?取りあえず、ビール」
 マリア:「ワインはある?」
 稲生:「ありますよ。……これに、かつ丼にしようかな」
 マリア:「私はこのカツレツで」
 稲生:「トンカツ御膳ですか。じゃ、これでいきましょう」

 稲生は呼び出しボタンを押して注文した。
 そして、先にビールとワインが来てカンパイしたまでは良かった。

 店員:「お待たせしました。こちら、黒豚とんかつ御膳になります」
 マリア:「Thanks.」
 店員:「こちら、かつ丼になります」

 丼だけでなく、味噌汁や漬物も付いている。

 店員:「ごゆっくりどうぞ」
 稲生:「はい、どうもー。……それじゃ、頂くとしましょう」
 マリア:「ああ」

 ところがマリアの人形達、何やらゴソゴソやっている。
 小型の電池スタンドを取り出して、それをピカーッと稲生に照らす。

 ミク人形:「かつ丼、美味いか?」
 ハク人形:「食べたら、仲間の潜伏先を言え」
 稲生:「……何なの?」
 マリア:「やめなさい、お前達!……うちの人形達、最近、日本の刑事ドラマにハマっちゃって……」
 稲生:「はあ!?」

 尚、実際は取調室における飲食は禁止。
 かつ丼も容疑者の自腹でないと注文できないとのことである(作者の警備会社に所属している警察OBより)。
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3 コメント

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Unknown (ポテンヒット)
2018-10-12 12:34:42
顕正の公式サイトがいつの間にかリニューアルされてたな。フォトギャラリーもあってとりあえず華やかになっている。しかし内容が薄い事には変わりがないw

年表のコーナーも出来たが、もちろん不都合な事は載っていない。最新黒歴史の先月裁判でテレ朝に敗北など無かった事になっているw

全体的には無気力な印象だ。メタボも信者ももうやる気が無いのかもしれない。今年なんか災害が多くて、むしろ顕正的には勧誘のチャンスだと思うけどな。そういや災害や吉澤ひとみとかのドサクサですっかり忘れてて麻原ポアもあったしw
ポテンヒットさんへ (雲羽百三)
2018-10-12 13:42:56
 こんにちは。

 そうなんです。見た目はだいぶマシにはなったんですがね、これなら茶寮のPRとか顕正新聞のバックナンバーを無料で閲覧できるサービスとかもあった方がいいと思うのですよ。

>全体的には無気力な印象だ。

 全くその通りですね。
 特に麻原ポアの後なんか、良い折伏の機会だったと思うのですが。
 しかし、法華講ガチ勢でさえも、何故かオウム信者折伏の話が出てこないんですよね。
 この辺、山門入り口さんが御健在であれば、良い見解を聞けると思うのですが……。
つぶやき (雲羽百三)
2018-10-12 14:16:02
 魔法使いが登場する、世界的に有名な作品が“ハリーポッター”シリーズ。
 日本語版だけでなく、世界各国の言語に翻訳されてベストセラーになっているわけだが……。
 舞台がイギリスなだけに、原作は英語で書かれていることくらいは誰でも知っているだろう。
 ところが、この“ハリーポッター”シリーズ英語版。
 更に、イギリス英語版とアメリカ英語版に分けて刊行されていることを知っている人はどれだけいるだろうか?
 当然ながら、原作はイギリス英語で書かれている。
 だが、アメリカ英語に侵食された我々日本人が目を通してみると、明らかに文法や単語の意味が違うことに気づく。
 そもそも、「9と4分の3番線」という発想自体がイギリス人らしいとのこと。
 時間の表現など、数字の表現そのものがアメリカ英語版と違うのである。
 例えばまもなく午後2時15分になるわけだが、これはアメリカ英語でもそのような表現で言う。
 ところがこれをイギリス英語で言い、それをそのまま訳すと、「2時と4分の1分」となるのである。
 日常英会話はできる稲生が、何故未だにイギリス人のマリアとは自動通訳魔法で話しているのか?
 稲生が話せるのはアメリカ英語。
 マリアは理解できるが、マリアはイギリス英語しか話せない。
 それを稲生が聞くと混乱するからである。

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