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ラストエンペラー

2010-03-14 00:02:35 | ★★★★★★★★☆☆
監督 ベルナルド・ベルトルッチ
キャスト ジョン・ローン、ピーター・オトゥール、坂本龍一、ケイリー=ヒロユキ・タガワ、高松英郎、ジョアン・チェン、ヘンリー・オー
1987年 イタリア、イギリス、中国
ジャンル:ドラマ、歴史

【あらすじ】
1950年。5年間にわたるソビエト連邦での抑留を解かれ送還された中国人戦犯の中に、清朝最後の皇帝、ラスト・エンペラ―宣統帝愛新覚羅溥儀がいた。わずか3歳で清朝皇帝の地位につきながらも、近代化の嵐にもまれ、孤独な日々を送らざるを得なかった溥儀。彼が即位してから文化大革命以降に至るまで、文字通り激動の生涯を描く。

【感想】
本来なら「籠の中の鳥」として不自由なく人生終わるはずだったのでしょうね。

マリー・アントワネットの人生も「ラストエンペラー」愛新覚羅溥儀に比べると大したことないと思います。皇帝と呼ばれた人物が最後は庭師ですから。「数奇な人生」というサブタイトルをつけたくなる。

冒頭からネタバレしてしまいましたが、歴史上の事実なのでそれほど問題ないと思います。本作は壮大なスケールのシナリオと映像や音楽の素晴らしさもあり、アカデミー賞9部門(作品賞、監督賞、撮影賞、脚色賞、編集賞、録音賞、衣裳デザイン賞、美術賞、作曲賞)を受賞しています。スケールの大きさからすると当然だと思います。逆に2000年以降の作品賞受賞に小粒なものが多く納得いかないものばかり・・。

2歳で皇帝として即位した時にまだ何もわからない子供を前に大の大人達が頭を下げるシーンから引きつけられてしましました。その後に待っていたのは何不自由のない生活。しかし住まいである城の外に出ることは禁止されています。共和国が国を支配することになり皇帝は今の天皇と同じく飾り的な存在になっていたからです。

それから成長し、二人の嫁を貰い外の世界のことが気になってきた頃、軍によるクーデターが発生し、溥儀は城を追い出されてしまう。彼はこの事件をきっかけに日本軍の中国進攻に手を貸すことになるのをわかっていながら満洲国の初代皇帝になることを決意します。

戦争終了後に戦争犯罪人として収容されることになるが、特赦された後は庭師として毛沢東の台頭を遠くからただ眺めるだけの人になってしまいます。

長時間の映画ということもあり、これだけの壮大の話をじっくりと時間をかけて描いたのは見応え十分でした。城から出た直後は自由を手に入れ希望に溢れていたようだったが、最後は本当に哀れだったと思う。はじめは仲の良かった二人の奥さんも、社会情勢の変化によって一人は離婚、もう一人とも関係が悪化し、子供に恵まれることもなかったのも気の毒だった。

ラストシーン、かつて溥儀が座っていた紫禁城の玉座の裏からこおろぎの入った玩具を発見するシーンは明らかにフィクションであるにしても心に残る演出だったと思う。

文句があるとするなら、やはり日本人を含め全員が英語を話しているということでしょう。フランスを舞台の映画で登場人物が英語を話していても違和感があるのに、アジアがベースの話ではなおさらのことです。そこまでして字幕では観たくないのでしょうか。

余談だが、溥儀は最後に「チキンラーメンを食べたい」と言って死んだと言うエピソードがあります。もちろん映画では紹介されていませんが、もし本当だとするなら、本作のラストシーン並みに哀しい話ですね。

お薦め度:★★★★★★★★☆☆

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