アホウドリの肉は美味しいか？

吉村昭の「漂流」という本を読み始めました。江戸時代の船乗り４人が難破し、無人島に漂着する話です。これだけだとロビンソン・クルーソーや十五少年漂流記のような話ですが、これらと大きく違うのはノンフィクション、つまり実話と言う事です。
吉村昭と言えば、日本のノンフィクション作家の第１人者。実証、考察力、調査に関しては圧倒的で「彼ほど史実にこだわる作家は今後現れないだろう」と言われました。
この徹底的なリアルさは時折非常なグロテスクさを感じます。
「漂流」では、漂流した無人島がアホウドリの大群が飛来する島で、漂流者は食糧確保の為、アホウドリを捕まえて生で食べます。また渡り鳥の為、冬になると島からいなくなる為、８００羽以上捕獲して干物にして貯蔵します。翼を広げると２．５ｍにもなるアホウドリの大虐殺。想像するとかなりの生々しいです。著者の作品を読むと現実の生々さを痛感します。
いずれにしても、インターネットもなかった時代、作者の徹底的な調査力には畏敬させられます。

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