2010年10月13日、大阪市議会で“日本軍「慰安婦」問題の早期解決に関する意見書”が可決されました。
本会議は14時から始まると聞き、13時45分に大阪市役所1階のロビーで、「大阪市で意見書をもとめる会」の人たちと待ち合わせをしました。これまでに近畿各地で「慰安婦」問題の取り組みをしてきた人たちも続々と集まってきました。
さて、時間になったので屋上階の傍聴者控え室へと向かいましたが、本会議の開始が遅れていると知らされました。しかたがないので、控え室で待っていましたが、「今から○○委員会をはじめます」といった、本会議前に終えていなければならない会議が2つもあり、結局延々1時間45分も待たされました。
15時45分ごろからようやく本会議が始まりました。配布された議案の中に、たしかに“日本軍「慰安婦」問題の早期解決に関する意見書案”という項目があります。提出することになっていた民主党が取り下げてしまうというのが一番危惧していたところなので、ここで一安心。しかし、本当に賛成が多数になるのか、まだまだわかりません。
議事の最初の方は会計決算の報告でした。9つの議題を一括して報告の議員が20分ばかりしゃべって、これで終わりかと思ったら、共産党の議員が20分ほども反対意見を述べ、そして採決が取られました。予算は大切な問題ではありますが、議案は全部で31もあり、そのうちの9つについて40分もかかったら、本当に17時までに終わるのか、まさか継続審議になりはしないかと冷や冷やした気持ちで見守っていました。
しかし、その後の議題はほぼ全部、「委員会付託を省略」という動議が議員から出され、それで全議員から「異議がない」ということになると、あっさりそれでどんどん可決していきました。「異議あり」の声があれば、起立しての採決を取ります。起立しての採決では、だいたいが共産党が反対、それ以外が賛成して可決するという構図でした。ひとつだけ維新の会だけが賛成してあとの全員が座ったままで否決された動議もありました。
さて、いよいよ“日本軍「慰安婦」問題の早期解決に関する意見書案”の番になりました。民主党の議員から「委員会付託を省略」という動議がなされました。これに対して「異議あり」の声、「異議なし」が混在して上がりました。そこで起立しての採決です。民主党・公明党・共産党が起立、自民党と維新の会は着席、民主党の中で何人か退場した人があったようです。我々がちゃんと数える間もないままに、議長が「賛成多数で可決されました」と宣言しました。傍聴席からは拍手が湧き上がりました。
意見書の文章については後日「慰安婦」決議に応え 今こそ真の解決を!に掲載されますので、そちらを御覧ください。
日本第二の都市である大阪市で意見書が可決されたインパクトは大きなものがあります。11月25日には国会への署名提出行動があります。これには日本の市民団体だけでなく、韓国の「慰安婦」被害者や国会議員の方々も来日されます。国会での「慰安婦」問題の早期解決に向けて大きな力になっていくことでしょう。(鈴)
議案に反対する意見は封殺してもいいのですか?これは時間の問題ではないのですよ。ベルトコンベアで作業するようにしたほうがいいのですか?
本会議が予定通り午後2時から始まっていれば、そんな気持ちを抱くこともなかったと思います。
私としては、大阪市議会というものを傍聴するのが初めてだったので、冒頭の議案以外のほとんどの議案が特に反対討論がなされることもなくどんどん採決が進められていったことにびっくりした次第です。
本会議の前におこなわれていた委員会などでは、活発な討論がおこなわれていたようです。この委員会をこそ傍聴したかったのですが、残念なことにそれは市民の傍聴は許されていませんでした。