しゃぶしゃぶ

2018-07-21 22:51:53 | あれこれ
会社勤めをしていた頃、上司がよく食事に連れて行ってくれた。
自腹ではなかなか行けないような高級店ばかり。
大きな声では言えないのかもしれないが、大抵は経費だった。
バブルの時代だからできたことだったんだろう。
一番よく行ったお寿司屋さんでは、自分で注文なんてできないので、
ガリとあがりでお腹を満たしていたりもしたけれど。(笑)
ウニとアワビを覚えたのもここである。

ステーキの焼き加減は、ミディアムレアが一番いいとか、当時教えられたこともいろいろある。
その中の一つにあるのがしゃぶしゃぶの食べ方。

まず最初にお肉をしゃぶしゃぶして、何枚か食べたら、あくを救って野菜を入れて…。
野菜を食べ切ってからまたお肉…。
それを何度か繰り返して、最後は締めのおもちとうどん。
私はこれがしゃぶしゃぶだと思っている。

当時、お安くしゃぶしゃぶを食べることのできるお店ができたので行こうと友達に誘われたことがあった。
私はしゃぶしゃぶ大好きなので、張り切って行ったのだけれど、
お肉を食べて、最初の野菜を食べている時に、友達の一人が言う。
「お肉も食べた~い!」
仕方ないので、野菜の中でお肉をしゃぶしゃぶする。
翌日会社でお姉さまにその話をする。
「それじゃしゃぶしゃぶじゃなくてお鍋じゃないの?」
「あなたがいながらなんてこと?せっかくのお肉が台無しよ!!」
そうなのである。
私もそう思ったのである。

最近、というか、もう随分前からだと思うけれど、しゃぶしゃぶはブームなのか?
ところが今のしゃぶしゃぶは私が知っているしゃぶしゃぶとはちょっと違う。
今のしゃぶしゃぶは、お鍋が二つに区切られていて、あっちとこっちで違うお出汁で食べるのだと言う。
お野菜をぐつぐつ煮ている中で、お肉をしゃぶしゃぶする。
「お鍋」だと思って食べればおいしい。
それはそれでいい。
でも、私の中でそれを「しゃぶしゃぶ」とは言わない。

いつか「本当のしゃぶしゃぶが食べたい~~!!」と言ったら、
クラス会の幹事さんはしゃぶしゃぶを設定してくれた。
最初に仲居さんが「お作りしましょうか?」と言ってくれるお店に行くと安心する。
みんな仲居さんがやった通りにして食べようとしてくれるから。
お鍋じゃなくてしゃぶしゃぶが食べられる。

ついでにアワビの話をしよう。
何年か前に、夫と娘とで海の近くに海鮮を食べに行った。
「お母さん、アワビ食べるでしょ?」
私がアワビが好きなことを知っている娘が頼んでくれた。
出てきたアワビは薄切りだった。
食べて「しまった!!」と思った。
アワビはやっぱりぶつ切りに限る。
本場で頼んでも何も言わないとアワビは薄切りで出てくるのか。
残念なことに、本場で食べた新鮮な薄切りのアワビよりも、
スーパーで買った安物のぶつ切りのアワビの方がおいしいと思ってしまう。
残念な私がいる。


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