Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

さよならニッポン農業  神門善久(NHK出版生活人親書)

2013年11月18日 | 本と雑誌
Hitorigaten
 戦後70年を経過するに至った現在、暗澹たる未来しか夢想できず、疲弊した精神と肉体を引き摺りコンクリートジャングルを、はたまた耕作放棄地を途方に暮れて徘徊する民衆の姿しか見えてこないのは何故か…
 「心身の乱れは食の乱れに起因する」と言われて久しいが、「国の乱れもまた、食の根源である農の乱れに発する」と言うことも「真なり」哉…

○農地の1/10は耕作放棄され、その面積は38.6万ha(東京都の面積の1.8倍)に達する(2005)
○農地基本台帳(農地の売買、賃借、転用を記録)、共済台帳(農業保険)、水田台帳(生産調整)
○地租改正(明治政府):近代的な所有権の概念を導入し、農地の売買を活発にするという意義
○農業会からJAへの移行:農協法(1947) →欧米の農協を模す
○JA:「伝統的な集落構造を維持することで政治力を維持する」という行動原理に染まる
○90年代におけるJAの政治力低下:①金融自由化によるJAの経営体力の低下、②小選挙区制度、③農村部でのミーイズム(個人主義)浸透
○農地として守るべき農地と転用すべき農地の区分けをどういう基準で行うかが大問題
○キーコンセプト:「人から土地へ」の大転換
○「農業をするに相応しい人」補助金を出すという発想 →「どういう土地利用が相応しいか」
○裁判員制度という形で司法への市民参加を導入 →法律の国会提出から5年かけて実現
○漫然と土地利用のレッセフェールを受け入れるのも選択肢 →勇気を持って日本社会の大転換を!
○食のアキハバラ構想:高品質で栄養価が高く、食味のよい農産物の開発に傾注し、食文化と共に海外に発信
○日本が欧米の模倣で民主々義を取り入れるにあたり、私権の主張と民主々義を混同したことに起因している
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