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拉致問題解決のためにも柔軟な思考と対応必要

2018年01月12日 09時38分11秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                

                      「植草一秀の『知られざる真実』」

                                  2018/01/11

           拉致問題解決のためにも柔軟な思考と対応必要

             第1942号

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韓国で冬季オリンピックが開催される。

東京オリンピックを控える日本は、メディアがオリンピックムードを高めよう
とさまざまな演出を強めている。

ところが、このオリンピックの開会式に安倍首相が出席しないことを検討して
いると伝えられている。

従軍慰安婦少女像をめぐる日米外相発表について、少女像の撤去が実行されな
いことについて日本が態度を硬化させていることが背景と考えられる。

しかしながら、本ブログ、メルマガで、日米外相発表の瞬間から指摘してきた
ように、日米外相発表は、従軍慰安婦少女像の撤去を確約したものではない。

2015年12月29日付
ブログ記事「日韓合意、日本政府謝罪明記でも玉虫決着」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-99db.html

メルマガ記事「日韓合意あいまい決着が問題を再燃させる懸念」
http://foomii.com/00050

2017年1月9日付
ブログ記事「問題根源は2015/12の日韓玉虫合意文言にある」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/201512-1af0.html

メルマガ記事「惨憺たる安倍外交現実の根本原因」

2017年1月10日付
ブログ記事「大事なことを曖昧にするから災いが生じる」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-d219.html

メルマガ記事「あいまい公約と裏切る人物が政治をダメにする」

に、重要事実を指摘してきた。



韓国外相は日米外相発表で従軍慰安婦少女像の問題について次のように表明し
た。

「韓国政府は、日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し、空間の安寧、
威厳の維持といった観点から懸念しているという点を認知し、韓国政府として
も可能な対応方法に対し、関連団体との協議等を通じて適切に解決されるよう
努力する。」

韓国政府は「可能な対応方法に対し、適切に解決されるよう努力する」と述べ
ただけで、少女像の撤去を確約していない。

したがって、少女像が撤去されなくても、合意違反にはならない。

日本政府が、韓国政府が少女像の撤去を約束したと主張することには無理があ
る。

日本政府が少女像の撤去を求めるのであるなら、韓国側が確約するまで粘り強
く交渉を続ける必要があるだろう。

日韓外相発表は少女像の撤去を確約していないから、少女像の撤去を日本政府
が求めずに、「この問題が最終的かつ不可逆的に解決された」と日本政府が判
断するなら、それはそれで一つの解決になるだろう。

しかし、日本政府が少女像の撤去を求め、これが実現しなければ問題の解決に
はならないと考えるなら、日本政府は韓国政府とこの問題でさらに協議を続け
る必要が出てくると判断できる。

この見解は、日韓のいずれかの側に立つ見解ではない。

日米外相発表を客観的に読む限り、このように判断せざるを得ないと考える。

韓国政府が少女像撤去に責任を持たないことを理由にオリンピック開会式出席
をボイコットするのは大人気のない対応と言わざるを得ない。



日本や米国は北朝鮮の核放棄を求めているが、ロシアのプーチン大統領は北朝
鮮は草を食べてでも核開発を続けるだろうとコメントした。

北朝鮮の金正恩総書記はイラクの事例を念頭に置いている。

イラクとイランと北朝鮮は米国のブッシュ大統領から「悪の枢軸」と名指しさ
れた。

イラクは「大量破壊兵器を保有している」と疑われ、その事実が確認されぬま
ま米国による軍事侵攻を受けて滅ぼされた。

サダム・フセイン大統領は処刑された。

北朝鮮の金正恩氏は、明日は我が身と判断したと考えられる。

そのために、軍事侵攻を「抑止」するための「抑止力」としての核保有に突き
進んでいると考えられる。

第2次大戦後、核兵器は戦勝5大国の独占保有体制に移行した。

5大国は核兵器を保有できる。しかし、それ以外の国は核兵器の保有が許され
ない。これが核拡散防止条約=NPTの体制である。

このNPTの体制そのものが究極の不平等条約体制であるとの批判がある。

しかし、現実には、これ以外に核保有国がある。インド、パキスタン、イスラ
エルが核保有国と見られている。

北朝鮮の核保有は認められないのに、なぜ、インド、パキスタン、イスラエル
の核保有は認められるのか。

実は矛盾に満ちているのである。

東京オリンピックを控えている安倍首相が韓国のオリンピック開会式をボイ
コットすることは避けるべきである。これが、安倍政治によるナショナリズム
扇動に煽られない冷静な主権者の声である。

(ブログ、メルマガの表記方法について多くの声をいただいております。改行
が多く、画面スクロールの労力が大きいため、改行を減らしてほしいとの声が
あります一方で、改行によって「行間を読む」ことができるので、従来通り、
改行を多くして欲しいとの声があります。どちらのご意見も傾聴させていただ
いておりますが、筆者としては、行間の間合いを重視して、再度、改行を多く
とる方式を採用させていただきます。あしからずご了承賜りますようお願い申
し上げます。)



北朝鮮と韓国の対話が再開されようとしている。

北朝鮮問題を解決するキーワードとして「対話と圧力」という言葉が用いられ
てきた。

しかし、圧力を強めすぎた結果として、偶発事態が生じれば元も子もなくな
る。

韓国の文在寅大統領の両親は北朝鮮の生まれであるという。文大統領は心の底
から南北の融和を望んでいるのだと思われる。

一つの国が政治的な背景で二つの国に分断されてきた。

かつてはドイツも分断されていた。そのドイツが統一を成し遂げた。

ドイツ国民の悲願だったと思われる。

この意味で、南北朝鮮の統一が実現することは歓迎するべきことである。

米国のトランプ大統領は朝鮮半島の緊張を高める言動を示すが、訪日して実行
した最大の行動は武器・兵器の販売だった。

安倍首相はトランプ大統領に命令されるままに、巨額の米国製兵器・武器の購
入を確約した。

米国の軍産複合体にとって、戦乱の緊張は存続し続けるための命綱なのであ
る。

この軍産複合体の意思の一環に北朝鮮の金正恩氏が組み込まれているとの見立
てさえ、一笑に付すことのできるものではない。



現代の戦争は「必然」によって生じていない。

現在の戦争は「必要」によって、人為的に「創作」されているものである。

誰の、どのような必要であるかは説明するまでもないだろう。

巨大な軍産複合体が生存し続けるために、10年に1度の大規模戦争が必要不
可欠なのだ。

世界が平和で安定した世の中になって困るのは、この軍産複合体なのである。

米国の軍事支出は年間70兆円規模である。

そのうち、最大の費目は人件費であるが、武器・弾薬、各種兵器のハードウエ
アの支出だけでも25兆円の規模がある。

日本の原子力産業が「巨大すぎてつぶせない」というが、日本の原子力産業の
規模は年間2兆円である。

米国軍事産業の途方もない大きさが分かる。



軍事産業を私は「いいねビジネス」と表現してきた。

軍事産業の製品価格はあってないようなものなのだ。

生産者側の「言い値」で価格が決まる。途方もない高額な価格を設定して、有
無を言わせず、この価格で販売してしまう。

日本のような「上得意客」はまさにドル箱である。

言われるままに、途方もない高い価格でいくらでも購入してくれる。

この売買に関わることほど旨みのあるビジネスはない。

巨大資本と利権政治屋が群がり、ダーティーなマネーを懐に入れてゆくのだ。

朝鮮半島の危機を煽り、中国の脅威を煽りたてることは、戦争ビジネス産業に
とっての追い風以外の何者でもない。



この構造が軍事的緊張の最大の背景である。

問題は、このような「フェイク」な背景があるにせよ、彼らにとっても、時
折、実弾を使わないことには、「フェイク」に「リアル」な風合いが出てこな
い。

だから、世界の至るところで実際に小規模な戦乱が引き起こされるのである。

その戦乱によって傷つくのは、常に、最前線の末端兵士と、戦場にされた地の
罪なき市民なのだ。

戦争を創作し、戦争によって利益を得る者は、絶対に危険な場に自らの身を置
かない。

究極の差別構造が戦争という事象のなかに組み込まれている。



このような現実を踏まえるならば、日本国憲法の条文が示唆してきた「非武装
中立」という考え方を、無条件に否定することはできない。

究極の平和主義は、最終的に非武装中立になると言っても過言ではないだろ
う。

現在の東アジア情勢を踏まえるならば、ロシアのプーチン大統領が指摘するよ
うに、北朝鮮の核開発を止めることは極めて困難である。

他方、北朝鮮が核による先制攻撃を仕掛ける可能性は皆無に近い。

完全なる自殺行為になるからだ。

北朝鮮の目的は核を保有し、これを抑止力として活用して、体制の保証を確保
することである。

これは、「核放棄なき対話」ということになるのだが、現実はその方向に確実
に近付きつつあると見ておくべきであろう。



米国は「斬首作戦」を検討していると思われるが、この作戦が失敗すれば大惨
事になる。

北朝鮮が暴発する際に標的になるのは日本と韓国であると考えられるからだ。

国民のナショナリズム感情を煽り、排外主義に人々を誘導することは、政権に
対する支持を高める効果を有するのかも知れないが邪道である。

為政者こそ、平和と安定の東アジア情勢を実現するために、外交的手法による
問題解決を追求するべきである。

韓国、北朝鮮、中国、米国、そしてロシアが「対話による問題解決」の方向で
足並みを揃えるとき、日本だけが「圧力」だけを連呼して孤立する状況に陥る
のは避けるのが賢明である。

 



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