曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

集団的自衛権を米国が歓迎するのは当然だ

2014年04月29日 12時45分19秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、
にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

集団的自衛権を米国が歓迎するのは当然だが


2014/4/29


 米国のオバマ大統領が来日し、安倍首相と発表した共同声明の中で、米国が、現在安倍政権が追求している集団的自衛権を解禁する努力を「歓迎する」としたことが、解禁推進論者を勇気づけたようである。

 しかし、それは、推進論者が特に喜ぶべきことでも、その反対論者が落胆すべきことでもない。

 まず、これまで「世界の警察」を自任してきて、今ではそれを辞めたいと考えている米国にとって、自由と民主主義という基本的な価値観を共有する経済大国・日本が、これまで自らに禁じてきた集団的自衛権を解禁して、米国の友軍として活動してくれる方向性を示すことを、米国が歓迎しないはずがない。それはそれだけのことである。

 また、わが国としては、それこそ独立主権国家である以上、これまでは憲法の故だと言って自らに禁じて来た「海外派兵」を解禁することが自国にとって有利なことか否か? また、その場合には憲法との関係はどうするのかのみを真面目に考えるべきである。

 にもかかわらず、米国が米国にとって一見好都合であるから「歓迎」してくれたからといって喜びすぎるのはおかしいが、同じく、反対論者が、米国が歓迎してしまったからといって落胆しすぎるのもおかしい。

 そこで、あらためて問題の本質を見詰め直してみたい。

 まず、海外派兵をしないと何かわが国に不都合が生じるのであろうか? 政府が言う、日本海有事に自衛隊と並走している米艦の防御や日本のシーレーン(海上輸送路)の防御などは、現在許されている個別的自衛権の行使で十分に対応できるはずである。また、敗戦の反省の意味をこめて書かれた憲法9条は(日本の自衛は許されるとしても)日本の海外派兵は許していない…という定説を破る説明は可能であろうか? 私は不可能であると思う。さらに、集団的自衛権を解禁しないと、中国が尖閣に進攻して来た際に米国は支援に来てくれない…と言われているが、それは本当か? 私は中国海軍に太平洋への自由な出入り口を与えてしまうことに米国は我慢できるはずがない以上、尖閣有事に米国が来援しないはずはないと思う。

 いずれにせよ、わが国の命運にかかわる憲法解釈の変更や改正の問題は、米国の反応に一喜一憂して決めることではなく、わが国が主体的に判断して決めるべきことであろう。(慶大名誉教授・弁護士)
</fonto>

※小林節一刀両断コラムより「転載」

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村


最新の画像もっと見る

コメントを投稿