曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

消費税増税の影響が深刻に広がり始める

2020年01月06日 08時57分10秒 | 政治

                                

                     「植草一秀の『知られざる真実』」

                                      2020/01/05

              消費税増税の影響が深刻に広がり始める

           第2522号

   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2020010519203662308
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2020年がいよいよ本格的に始動する。

2020年は海外での軍事紛争の勃発が警戒されるが、早速1月2日、米国が
イランの革命防衛隊司令官を空爆で殺害したことが伝えられた。

司令官殺害はトランプ大統領の指示によるものであることを米国防総省が発表
した。

このことについて安倍首相が何も発言しない。

重大刑事事件の被告であるゴーン氏が海外逃亡したことは日本の出国管理行政
の大失態で世界の笑いものにされる事件だが、行政機構トップの安倍首相が説
明責任をまったく果たさない。

説明責任も果たさず、年末年始に4回のゴルフに明け暮れるなら、直ちに首相
の職を辞するべきだろう。

一国の行政部門トップとしての責務を果たしていると言えない。

安倍首相の2020年退陣は避けがたく、状況を見極めて早期に行動するべき
だ。

このままでは日本の沈滞が進行し、復興が遅れるばかりである。

年初にあたり、2020年の日本経済の見通しを示しておこう。

誰も触れたがらないが、日本経済は深刻な不況に移行しつつある。

日銀短観が示す業況判断DIの読み方が難しい。

12月短観調査結果では、大企業製造業の業況判断DIが5ポイント悪化して
プラスマイナス0になった。

他方、大企業非製造業の業況判断DIは1ポイント悪化のプラス20だった。



製造業の悪化は鮮明だが、非製造業の業況は依然として堅調である。

製造業と非製造業の著しい非対称性が特徴になっている。

製造業の場合、大企業の業況判断DIはプラスマイナス0だが、中小企業では
マイナス9、先行き見通しはマイナス12に落ち込んでいる。

非製造業は全体として好調だが、小売業では大企業でもマイナス3、中小企業
ではマイナス12を記録した。

景気の振幅は一般的に製造業が大きい。

そして、製造業の変化が非製造業の変化に先行する場合が多い。

製造業は為替変動や海外経済の影響を強く受ける。

また在庫を保有するため、在庫の変動によって生産活動の浮き沈みも大きいも
のになる傾向が強い。

2019年に米国のトランプ大統領が中国に対して極めて強硬な関税率引き上
げを実行した。

この影響で中国経済が強い影響を受けたが、その余波が日本にも押し寄せてい
る。

また、安倍首相は韓国敵対視政策を推進しており、このことも日本の製造業や
観光業に強い下方圧力を発生させている。

さらに、何よりも大きな変化が消費税率10%の強行実施によって引き起こさ
れている。

日本の市民がこの増税の正体を正確に知っていたなら、増税が許される余地は
存在しなかった。

ところが、日本の市民は正しい情報を得ることなく消費税増税を黙認した。

しかし、そのすさまじい影響が顕在化しつつある。



昨年11月15日の「政策連合」緊急院内集会で「不公平な税制をただす会」
の荒川俊之事務局長が提示した数値を改めて記載しておこう。

https://bit.ly/2Ncfctx

消費税が導入された1989年度から2019年度までの31年間の税収推移
を見ると消費税収累計が397兆円である。

これに対して、法人三税減収累計額が298兆円、所得税・住民税減収が27
5兆円だ。

消費税収累計額397兆円に対して法人三税および所得税・住民税減収累計額
合計値は573兆円に達する。

この数値が消費税増税の真相=深層を鮮明に物語っている。

消費税大増税は法人税減税と所得税減税を実現するために実行されてきたもの
なのだ。

消費税は社会保障制度維持と財政再建のために推進されているという「国家の
嘘」が流布されて、悲しいことに、この「国家の嘘」に洗脳されてしまってい
る人が多い。

現実には、財政再建にはまったく寄与しておらず、消費税が大増税されたのに
社会保障制度は格段に貧弱なものに変質されている。

消費税は消費をすると消費金額の10%を強制的に召し上げるものだ。

消費すると激しい懲罰を受ける。

したがって、消費税という呼称を「消費懲罰税」に変更するべきである。

しかも、消費税は二重課税だ。

消費は所得税支払い後の可処分所得から行われる。

その際に、追加的に税金が強制徴収される。

日本の消費者は消費を徹底的に圧縮するだろう。

このことが何をもたらすのかは明白なのだ。



消費税増税が社会保障制度拡充のために実施されてきたというなら、消費税増
税のたびに社会保障制度が拡充されていなければおかしい。

ところが現実は逆だ。

消費税増税のたびに社会保障制度が破壊されてきている。

公的保険医療を利用する際の被保険者本人の窓口負担は1997年3月までは
1割だった。

ところが、消費税の税率が3%から5%に引き上げられた1997年4月に窓
口負担が1割から2割に引き上げられた。

消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年4月には、被保険者本人
の窓口負担が2割から3割に引き上げられた。

そして消費税率を10%に引き上げたいま、安倍内閣は75歳以上の高齢者の
窓口負担を1割負担から2割負担に引き上げようとしている。

「1割負担を2割負担に変える」というのはペテン師の言葉遣いだ。

「1割負担を2割負担に変える」という説明を聞くと、自分の負担が1割増え
ることになると勘違いする人が多数発生する。

とんでもない勘違いだ。

この場合、本人の負担は1割増えるのではなく、10割増える。

10割増えて2倍になるのだ。

したがって、窓口の本人負担倍増、あるいは3倍増と表現しなければならな
い。

ペテン師が政治をやると、こういうことが起こる。

私たちがしっかりしないと、知らない間に完全に騙されてしまう。



そもそもこの政権は完全な嘘つき政権である。

ペテン師内閣と言って過言でない。

ぜひとも拙著
『国家はいつも嘘をつく--日本国民を欺く9のペテン』
(祥伝社新書)
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をお目通し賜りたく思う。

2013年9月7日、アルゼンチンのブレノスアイレスで開かれたIOC(国
際オリンピック委員会)総会で安倍首相はこう述べた。

「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、
統御されています」

英語での表現は
“The situation is under control .”

安倍首相は質疑応答で

「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の、0・3平方キロメートルの
範囲内で完全にブロックされています」

と答えた。

完全なる嘘である。



2017年2月17日の衆院予算委員会では森友学園への国有地不正払い下げ
事案に関してこう述べた。

「私や妻が関係していたということになれば、それはもう、まさに私は、それ
はもう、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということははっきりと申し
上げておきたい」

1年半後の2018年9月14日、自民党総裁選公開討論会で安倍首相は次の
ように発言した。

「私の妻や私の友人が関わってきたことでございますから、国民の皆様が、疑
念を持つ、疑惑の気持ちを持たれるというのは当然のことなんだろうと、この
ように思っております」

安倍首相は2014年11月18日の総理大臣記者会見で消費税増税延期を発
表した。

「来年(2015年)10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月
後、さらに延期するのではないかといった声があります。ふたたび延期するこ
とはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします」

その安倍首相が2016年6月1日、参院選を目前に控えてこう言った。

「今回、『再延期する』という私の判断は、これまでのお約束とは異なる『新
しい判断』であります」



「桜疑惑」では予算委員会での集中審議に一切応じない。

信ぴょう性の低い説明を一方的に行って幕引きを図ろうとする。

イランと米国の仲介をするとしゃしゃり出ておきながら、米国がイランに攻撃
を加えると何の論評もできない。

重大刑事事件の被告人が海外逃亡しているのに、行政機構のトップとしての説
明を一切行わずに上手くもないゴルフに明け暮れている。

このような人物が長期間首相の座に位置していること自体が日本劣化の象徴で
ある。

消費税増税の影響は深刻に広がるだろう。

主権者は私たち市民だ。

私たち市民が深刻な現状に気付いて日本政治を刷新しないと、日本の下り坂は
止まらぬことになる。


                   


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