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真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

私たちを幸せにする政府を私たちで作ろう

2018年05月16日 13時11分14秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                

                         「植草一秀の『知られざる真実』」

                                    2018/05/15

      私たちを幸せにする政府を私たちで作ろう

             第2040号

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3月4日に実施されたイタリア総選挙では、草の根民主主義政党の「五つ星運
動」が第一党に躍進した。

単独過半数を確保する政党がなかったため、連立協議が行われてきたが、第一
党に躍進した「五つ星運動」と右派政党の「同盟」を基軸とする連立政権が樹
立される可能性が強まっている。

日本経済新聞などは、イタリア総選挙で中道右派連合が勝利したかのような報
道を示してきたが、単一政党では「五つ星運動」が第一党に躍進したのであ
り、このことを正確に伝えない同紙の報道は偏向している。

日経新聞などは、中道右派連合を形成するひとつの政党に過ぎないフォルツァ
・イタリアを率いるベルルスコーニ元首相を勝利者であるかのように報じた
が、事実認識として正しくない。

ベルルスコーニ氏が率いるフォルツァ・イタリアは獲得議席数でも主要提携相
手の同盟を下回っており、ベルルスコーニ氏が連立政権樹立を主導することは
当初から困難な情勢だった。

中道右派連合のなかでは「同盟」が最大議席を獲得した。

同盟のサルビーニ党首は昨年10月に中道右派が過半数議席を得られない場合
には五つ星運動の創設者であるグリッロ氏に電話すると述べていたと報道され
ていた。

本ブログ、メルマガでは、3月5日付記事

「草の根民主主義政党五つ星運動が伊第一党に」
https://bit.ly/2FfrSxt

「壊憲原発阻止・国民生活再建の日本政治を創る」
http://foomii.com/00050

に、「イタリアにおいて、草の根民主主義の「五つ星運動」が主導して新政権
を樹立する可能性が浮上している」と記述してきた。

「五つ星」と「同盟」による連立政権樹立の可能性は選挙直後から存在してい
た最有力のシナリオであったのだ。



「五つ星運動」に関しては、本ブログ、メルマガにおいて、昨年11月28日
に参議院議員会館で開催された「五つ星運動」リーダーのリカルド・フラカー
ロ・イタリア下院議員による市民との対話集会について記述している。

『政治の既成概念根底から覆す五つ星運動の夢』
https://goo.gl/oFkB22

この「五つ星運動」が政権樹立の一歩手前まで駒を進めている。

五つ星運動は始動から8年で、国政掌握を視野に入れるところにまで成長し
た。

このことが、全世界の市民に与えるインパクトと夢は計り知れない。

メディアは五つ星運動をポピュリズム政党=大衆迎合主義政党と表現するが、
差別と偏見に満ち溢れた表現である。

正しく表現するなら「民主主義政党」、あるいは「草の根民主主義政党」とい
うことになる。

主要国の政治は、少数の経済的支配者によって支配されてしまっている。

支配者はグローバルに活動を展開する巨大資本である。

巨大資本が主要国の政治を支配し、巨大資本の利益を極大化するための政治を
実行している。

この支配者にとっての天敵は「民主主義」である。

1%対99%という表現があるが、支配者は1%勢力であり、1%勢力にとっ
ての最大の妨害者が99%勢力、すなわち民主主義勢力なのである。



1%の支配とは、一握りの巨大資本による支配のことであり、この状況を生み
出すのが資本主義である。

資本の力がすべての支配の原動力である。カネの力=資本の力によって社会の
あり方が規定される。これが「資本主義」である。

この「資本主義」にとっての天敵が「民主主義」なのだ。

「民主主義」が適正に機能するなら、「民主主義」で主導権、支配権を確保す
るのは、本来99%の側であるはずだ。

だからこそ、大資本=1%勢力にとって「民主主義」は天敵なのだ。

このために、本当の意味の「民主主義勢力」を誹謗中傷する表現が用いられ
る。

「五つ星運動」は「民主主義勢力」と表現するのが適正であるが、この適正な
表現を用いれば、この勢力が益々支持を集めて、勢力を拡大する恐れが高ま
る。

そこで、「民主主義勢力」とは呼ばずに「大衆迎合主義」=「ポピュリズム政
党」と表現しているのだ。

堕落し、腐敗し切っている日本政治の刷新を考えるとき、イタリア五つ星運動
の躍進は、最大の精神的支援要因になる。

五つ星運動は、公共飲料水、持続可能な公共交通、脱成長の経済、環境保護主
義、インターネット、の五つの課題を掲げている。

そして、五つ星運動は、既存の政治勢力、政党と距離を置いている。

その出発点は、地域の問題を地域の主権者が考えるということだった。

地域の問題点を洗い出し、その解決策を探った。

その解決策を政治勢力に提示したが、彼らは、地域住民の提案に正面から向き
合うことをしなかった。

現実に直面して彼らは行動を変えた。

「誰かが変えてくれる」から「自分たちで変える」に方向を転換したのだ。

その成功の一つの通過点として今回の総選挙結果がある。

単独過半数を獲得していないから、まだまだ紆余曲折が予想される。

1%勢力の猛反撃も予想される。予断を許さない。

しかし、草の根民主主義が大いなる成果を生み出しつつある現実を、私たちは
はっきりと認識する必要がある。私たちに大いなる夢と希望を与える現実が生
み出されている。



連立政権樹立の合意が形成されれば、五つ星運動が基軸になるイタリア新政権
が樹立される。

画期的なことである。

この政治新勢力は、あらゆる意味で斬新である。

第一は、既存の政治勢力と一線を画していること。

第二は、グローバリズムを推進する勢力に対して極めて強い懐疑心を有してい
ること。

第三に、環境保護を重視し、持続可能な循環型社会の構築を目指していること
である。

世界を席巻してきたグローバリズムに対するアンチテーゼが提示されていると
言える。

「グローバル化した経済成長至上主義が、自然環境に大きな負荷をかけている
だけでなく、人々の生活や年金を脅かし、各国政府を貧困に陥れている」

という現実に対する、新しい、一つの解決の道筋を示す試みが展開されている
のだ。



グローバリズムとは、「大資本の利益を極大化させるために、国境を超えて、
市場原理のみによって経済社会を動かすことを目指す運動」だと私は定義して
いる。

資本が利益を極大化するために最重視することは、労働コストの最小化であ
る。

労働コストの最小化は、資本の利益を最大化するとともに、労働者の所得を最
小化するものである。

グローバリズムの運動そのものが、際限のない格差拡大、所得と富の集中をも
たらす主因なのである。

グローバリズムの進展により、多数の市民の生活、所得、幸福が失われてい
る。

この現実に対する不満と怒りが、さまざまなかたちで噴出している。



その一つがナショナリズムである。

グローバリズムは国境を超えてのヒト・モノ・カネの流れの加速を奨励する。

海外から賃金の低い労働者が国内に流入すれば、国内労働者の雇用は不安定化
し、賃金には強い下落圧力が生じるだろう。

この現実に直面した人々が、対外排斥運動=ナショナリズムに誘導されること
は想像に難くない。

しかし、吹き荒れるグローバリズムに対する問題解決の手法は「ナショナリズ
ム」だけではない。

グローバリズムでもなく、ナショナリズムでもない、第三の道がある。

それがローカリズムなのである。

『幸せの経済学』の作者であるヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんは、この提案
を掲げる。

「幸せ」の尺度を、根本から見つめ直してみることを提唱している。



グローバリズムの運動を象徴的に示しているのが「ワシントン・コンセンサ
ス」である。

ワシントンに本拠を置く世界銀行、IMF、ホワイトハウス、米財務省などが
構築した、経済政策における世界戦略である。

その柱は、市場原理主義、民営化、規制撤廃、小さな政府、である。

小さな政府とは貧富の格差を放置することである。

すべてを市場原理に委ねて、1%の巨大資本が全世界を支配してしまうことを
容認、推進する戦略である。

したがって、グローバリズムと推進する勢力と、グローバリズムを阻止しよう
とする勢力において、際立った対照を示すのが、政府の役割についての主張な
のである。



市場原理にすべてを委ね、弱肉強食を推進する経済政策

に対して、

市場原理のもたらすひずみやゆがみを是正するための政府の積極的な役割を重
視する経済政策

が提唱される。

アベノミクスは言うまでもなく、市場原理主義に依拠し、弱肉強食、弱者切り
捨てを積極推進する経済政策の提案である。

日本の主権者の99%は、本当にこの経済政策を支持するのか。

それは自殺行為であると思われる。

政府の役割を重視して、すべての市民に保障する最低生活水準を引き上げるこ
と。

これこそ現代世界経済下の政府に求められる役割なのではないか。

イタリア五つ星運動も、すべての国民に保障する最低生活水準の引き上げを最
大の目標に掲げている。

日本でも、まったく同じ文脈で、草の根民主主義運動を大きく広げることがで
きるはずだ。

そのための連帯、積極行動を推進してゆきたい

 
 
 
 
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