曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

日韓関係悪化に積極加担するマスメディア

2019年09月16日 09時37分46秒 | 政治

                              

                                

                      「植草一秀の『知られざる真実』」
                                    2019/09/15
             日韓関係悪化に積極加担するマスメディア
             第2431号
   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019091515291658444 ──────────────────────────────────── メディアの毒が目に余る。
私たちが得る情報の大半がマスメディア経由である。
日々、さまざまな出来事がある。
しかし、それぞれの個人がその出来事を自分の力で把握することはできない。
メディアが提供する情報によって出来事の存在を知る。
メディアが伝えなければ存在する出来事もなかったことと同じになる。
他方で、メディアがある出来事を巨大に、そして繰り返し伝えると、その出来 事が巨大であるとの印象が植え付けられることになる。
内閣改造が行われたが、そのタイミングは、千葉県の主権者が生命の危機に直 面しているさなかだった。
電気が途絶え、水道、ガソリン、通信が遮断されたところに酷暑が襲った。
酷暑を避ける方法がなく、複数の主権者が命を失った。
政府の対応が遅れ、いまなお10万単位での停電が続いている。
内閣改造を延期して、内閣が指揮を執り、主権者の生命を守るべき局面だっ た。
メディアがこの指摘を繰り返し報道したなら、主権者全体に安倍内閣に対する 厳正な視線が形成される。
これが事態を改善させる原動力になる。
ところが、メディアは千葉県の深刻な事態を伝えず、内閣改造のお祭り騒ぎに 加担した。
小泉進次郎氏が入閣した情報を誇大に宣伝し続けている。

小泉進次郎氏が偉大だから小泉進次郎氏に対する主権者の認識が広がったので はない。
メディアが10年間にわたって小泉進次郎氏の誇大宣伝を続けてきたから小泉 氏に対する認識が拡大してきただけだ。
まったく同じことが橋下徹氏にあてはまる。
橋下氏が誇大な存在感を得た唯一の理由は、メディアが橋下氏を誇大宣伝し続 けてきたことにある。
つまり、メディアは無から巨大を創作できるし、巨大を無に帰すこともでき る。
常磐道であおり運転を行った人物が誇大に取り扱われた一方で、4歳男児が横 断歩道を青信号で歩行しているときに警視庁新宿署のパトカーに跳ね飛ばされ て殺害された事件の報道は断片的なものしか存在しない。
どちらの事件がより重大であるかは一目瞭然だ。
あおり運転を肯定する考えは毛頭ないが、横断歩道を青信号で歩行していた男 児を跳ね飛ばして殺害する事案が重大であることは明白だ。
パトカーは道路交通法第41条に違反している。
また、道路交通法72条にも抵触した可能性がある。
しかも、横断歩道を青信号で歩行していた男児が死亡した。
当然のことながら、刑事事件として立件する必要がある。
しかし、その情報が一切伝えられていない。
新宿署のパトカーは薬物検査の尿検査の検体を運送していたとのことだが、赤 信号を直進する際の安全確認を行えないような緊急事態にはなかったと考えら れる。

小泉進次郎氏の業績を精査するなら報道にも意味があるのかも知れない。
しかし、そのような姿勢は垣間見られず、小泉氏を大きく報道する事由は存在 しない。
むしろ、安倍首相が側用人とも言える人物を多数閣僚として、あるいは、自民 党役員として起用した点に吟味するべき点が山積している。
甘利明氏、下村博文氏は政治資金の不正疑惑を十分に晴らしていない。
韓国の法務大臣就任について朝から晩まで報道し続けている日本のマスメディ アが、自民党役員や安倍内閣閣僚に登用された人物の政治資金疑惑を朝から晩 まで報道し続けないことがはるかに不自然である。
市民の思考、判断が、メディア報道によって完全に歪められてしまっている。
インターネット上には優れた正しい情報が存在するが、その情報にアクセスで きる主権者の数が限られている。
大多数の主権者はマスメディアの不正な情報操作の餌食にされてしまってい る。
日本政治が歪んでしまっている重大な背景の一つが、メディアの歪みである。
テレビの視聴率1%は瞬時に100万人に情報を届ける意味を持つ。
100万人への情報伝達は、1000人の集会を1000回実行して達成でき る成果である。
テレビの影響力は圧倒的に強い。
このテレビが全国放送5社とNHKの6社に独占されてしまっている。
この問題を深刻に受け止めなければならない。

民間放送はスポンサーである大資本に支配されている。
大資本は政治権力と癒着しているから、民間放送の放送内容は政治権力の意向 に沿うものになる。
この情報に接して、多くの主権者は洗脳されてしまう。
このなかで本来は重要な役割を果たすことが期待されているのがNHKだが、 NHKは民間放送以上に政治権力と癒着してしまっている。
その理由は放送法とその運用にある。
放送法第31条は内閣総理大臣にNHK経営委員会委員の人事権を付与してい る。
同条は、経営委員を
「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者 のうちから」
内閣総理大臣が任命することを定めているが、安倍首相はこの条文の規定を 守っていない。
NHKを私物化するための恣意的な人事を行っている。

この経営委員会がNHK会長を任命する。
NHK会長は経営委員会の同意を得て、副会長と理事を任命する。
NHK理事会は、会長、副会長、理事によって構成される。
この理事会の下にNHKの業務運営が置かれているから、安倍首相はこの人事 権を通じてNHKを私物化してしまっている。
また、放送法第70条は、NHK予算が総務相に提出され、国会の承認を得る ことを定めている。
NHKの放漫財政、職員の高額給与、NHK放送センター建設の巨大費用投下 は政権与党の賛成があれば通ってしまう。
裁判所も人事権を通じて内閣によって支配される存在である。
NHKに対する受信契約拒否も安倍内閣が支配する裁判所によって圧殺されて しまう。
こうした法的背景によって、NHKが安倍内閣の御用機関に堕落してしまって いる。
このNHKが偏向情報を垂れ流している。

日本は韓国と健全な友好関係を構築するべきである。
その際に、日本が銘記しておかねばならないことは、村山談話に明示した歴史 認識である。
村山談話は次のように示した。
「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を 存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア 諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。」
「未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙 虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気 持ちを表明」
したのである。
従軍慰安婦の問題、徴用工の問題は、村山談話が
「遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機 に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々 に対して多大の損害と苦痛を与え」
たことの一つの断面である。
この歴史認識は1965年の日韓条約、日韓請求権協定には反映されていな い。

日本政府は元徴用工の個人請求権が消滅していないことを繰り返し表明してき た。
そして、類似した訴訟案件である西松建設などの中国人に対する補償について は、日本企業が損害賠償に応じるなどの対応を示して和解を実現させてきてい る。
日本の報道機関は、日本政府の主張を紹介すると同時に、韓国政府、韓国司法 当局の主張を紹介するとともに、これらの主張に対する専門家の見解を多角的 に紹介するべきである。
在韓国日本大使館前少女像の問題、元徴用工への補償問題、自衛隊艦船への レーダー照射問題のいずれに関しても、日本のマスメディアの報道は極めて偏 向している。
日本の主権者の対韓国感情を悪化させることを誘導する報道になっている。

何度か紹介しているが、NHKは元徴用工に対する補償問題を伝える際に、
「韓国の対応が国際法違反である現状の是正を求める」
という日本政府の主張しか伝えない。
これは、あくまでも日本政府の主張であって、これとは異なる韓国側の主張を 紹介することを意図的に怠っている。
放送法第4条が定める、
「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明ら かにすること。」
との放送番組の編集に当たっての規則を遵守していない。
近隣諸国との相互理解、相互尊重を実現するには、相手の主張にも真摯に耳を 傾ける姿勢が必要不可欠だ。
これを欠いた姿勢では真の友好関係を構築することはできない。
メディアのあり方を抜本的に変えることが極めて重要になっている。

                                


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